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王道(キング・オブ・ロード)な異世界転生物語  作者: 下っ端労働者
第1章【転生者イトウ・オウスケ】
12/17

12話・冒険者登録

 

 その日、俺は冒険者登録をする為ギルドに向かった。

 簡単な手続きを終え、いざ依頼へ……しかし、依頼を終えて帰った来た時にはその勢いは無くなっていた。


「なんで、こうなるかなあ……」


 俺は武装した冒険者数十人に囲まれていた。

 話し合いを提案しても、誰も聞く耳を持たない。

 頭に血が上っているのか、顔が真っ赤だ。


「お前ら、やっちまえ!」

「「「おおっ!」」」

「仕方ないか……」


 文句を言いながらも無銘(そう名付けた)を抜く。

 何故、こんな事になってしまったのか。

 それを説明するには、少々時間を遡る事になる。



 ◆



「今日はどんな御用でしょうか?」

「冒険者登録をしたくて」

「ではこちらにサインを。それからギルドカード発行料金として銀貨一枚をお預かり致します」


 冒険者ギルド。

 そこは言うなれば、異世界のハローワークだ。

 性別年齢種族を問わず、とにかく金を稼ぎたい、荒くれ者達の最後の砦……巷ではそう言われている。


 ハッキリ言って雰囲気はかなり悪い。

 しかし、身分証明書も無い俺が、この世界の国で働くには冒険者しかないと判断した。


 クロンとシロンも同じようで、彼女達は孤児院出身だ。

 最近案を卒業し、働く為にこの町へやって来た。

 しかし身元が不確かな彼女達が働くには、冒険者か水商売しか無かったと言う。


 何処の世界も世知辛いのは変わらないようだ。


「……はい、書き終わりました」


 同時に銀貨一枚を手渡す。

 銀貨は日本円換算で、大体五千円〜一万円だ。

 相場が変動するのも異世界らしい。

 まあその内偽の貨幣が出回って、荒れるんだろうけど。


「それでは簡単に、冒険者について説明させて頂きます」

「お願いします」


 こういう事はしっかりと聞かなければ。

 今後の冒険者生活に関わってくるのだから。


「冒険者は基本的に、ギルドへ送られる依頼を受け、達成するのが主な仕事です。依頼には難易度が設定されており、E・D・C・B・Aと別れています。そして冒険者自身にも、同じランクがギルド側より付属されており、特例を除き同じランク又は以下の依頼しか、受ける事は出来ません」


 登録したばかりの新人冒険者のランクは、例外無くE。

 今の俺が受けれるのは、Eランクの依頼ってだけか。

 そりゃそうか、ランクはギルド側の信頼でもある。


 どんなに低ランクの冒険者でも、依頼に失敗すればそれだけでギルドの信用に関わる問題だ。

 キチンとランクで住み分けをしておかないと、身の丈に合わない依頼を無理に受ける冒険者が続出する。


 そして失敗し、ギルドの信用が失われ、やがてはギルドに依頼する人が消えて……ギルドそのものが消失する最悪の循環が生まれるワケだ。


「依頼失敗には、ペナルティとして達成報酬の半分を徴収致しますので、ご了承ください」

「分かりました」

「依頼を受ける際は、あちらのボードから依頼用紙を取り、必ず受付へ提出してください。依頼を勝手に受けて達成する行為は、禁止事項です。破った場合、ギルドカードの剥奪もあり得ます」


 冒険者の説明はそれくらいだった。

 あとは自分で調べろ、そういう雰囲気が伝わってくる。

 ここは荒くれ者達が集まる魔窟だ。


 甘い考えは捨てた方が良い。

 それに冒険者は掃いて捨てる程居る。

 新人冒険者が数人潰れようと、何ら影響は無い。


 日本と同じ感覚でいたら、食われるな。

 誰にとは言わないが。


「こちらがギルドカードになります」

「ありがとうございます」


 ギルドカードを受け取る。

 色はEランクの証である白。

 ランクが上がるにつれカードの色は変わり、最終的にはAランクのゴールドカラーになる。


 一応、そこを目指してみるか。


「あ、終わった?」


 シロンが駆け寄ってくる。

 終わったと伝えると、彼女はいつもの笑顔を浮かべた。


「そっか、じゃあボードの所へ行こっか。もうクロンが選び始めてるし」

「クロンが選ぶなら、間違い無いだろ」

「ふふ、それもそうだね」


 シロンと共にボードへ向かう––––その瞬間。

 数人の冒険者から睨まれていた事に、俺は気づいた。

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