10話・魔法の勉強②
「……すまない、余りの結果に放心していた」
「ふええ……オースケ、凄すぎるよお……」
俺もビックリだよ。
この世界の魔法使いが持っている属性の平均数は、多くても二つとクロンから聞いたばかりだ。
それを遥かに上回る、全属性適性。
どれだけ自分が規格外な存在なのか、分かってしまう。
「王助、お前は何者なんだ?」
鋭い視線を飛ばしてくるクロン。
今度はシロンも一緒になって見つめてくる。
美少女二人に見られるのは悪くない気分だが、今はそうも言ってられない。
普通に考えて、全属性適性などあり得ない。
なら、何か秘密があると考えるのが当たり前。
彼女達は俺の答えを待っている。
うーん、どうしようかなあ。
別に転生者なのを隠すつもりは無い。
無いが、信じてくれるか分からない……最悪、頭のおかしい奴だと認定され、縁を切られるかも。
となると、説明するのに困ってくる。
必然的にこう言うしか無くなるのだった。
「偶々だよ、偶々」
「……むう」
「ま、偶々なら仕方ないか!」
流石シロン、直ぐに納得してくれた!
一方クロンは訝しげだ。
そんな彼女も、一旦はこの話題を取り下げる。
「深入りはしない。ただ、全属性適性の事は、余り人に知られない方がいい。善人ばかりじゃ無いのは、分かっているだろう?」
「ああ、肝に命じておくよ」
魔法の勉強が再開する。
適性が分かったら、次はその属性の魔法を使う。
「魔法にはランクがある。具体的には下級・中級・上級・最上級・超級・神話級の六つだ」
「分かり易くて良いね」
下級は誰でも扱えるレベル。
中級は一般的な水準で、最も使い手が多い。
上級になるとエリートで、使用者も少なくなる。
最上級は使えるだけで国のお抱え魔法使いになれる。
超級は別名戦争魔法とも呼ばれ、戦場で兵器扱いで投入される大規模破壊魔法が殆どだとか。
そして神話級は、その名の通り存在自体が神話……現世では使える魔法使いがいない、伝説の魔法である。
「二人はどのランクの魔法まで使えるの?」
そう聞くと、クロンがピクリと反応する。
理由は分からないが、一瞬だけ顔を歪ませた。
「……私は中級まで使える」
「私は光属性が中級まで、火属性が上級まで使えるよ!」
「上級? 凄いな!」
えっへんと胸を張るシロン。
その大きな果実が存在を主張する。
くく……計画通り––––クロンがジト目で睨んできたので、直ぐ視線を逸らした。
「それで、どうやって魔法を使うんだっ!」
「……全く、これだから男は」
「ん? どーしたのシロン?」
俺はとぼけながら強引に進めた。




