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天使戦争  作者: 薬売り
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何も分からない終わり 2話

 俺達は、久しぶりに家に帰ってきた気がする。


 実際は、ほんの数日の出来事なんだけど。


 茉莉も家に帰っていった。


 ネフィーは精密検査を受けるために残っている、確かに未知の病原菌とか怖すぎる。


 まさかゲームの世界からこちらに来るとかファンタジーもびっくりだ。


 脊髄反射でPCを起動して、デスクに座る。


 はー、なんか落ち着くな。


 久しぶりにレトロゲームでもしようか。


 ピコピコと小さなコントローラーで何も考えずに没頭する。


 あー、ウェブ小説でも読もうか。


 うん、この何も生産性のない行動が癒される。


 なにか忘れてないかな?


 メールでも確認するか。


 そうだ、動画の配信してたから収益化の手続きしないと茉莉に通帳預かっていたんだ。


 ササっと済ませてしまおう、再生数は偉い事になっているから審査は通るだろ。


 問題はこっちか。


 お仕事のお願いメールが結構きている。


 簡単なレビューからゲームの実況依頼、普通に芸能事務所からのお誘いも来ているな。


 芸能事務所はパスとして、他は茉莉に相談だな。


 ついでだから、ネフィーも動画に出してしまおうか。


 歌のお願いかーこんなのも来るんだな。


 後は、え?


「正太郎、元気ですか?無事に着きましたか、ネフィーちゃんはどうしていますか」


 これあっちの母さんだよな、なんでこっちにメールくるんだ?


 謎スペック過ぎる。


 まあ、無事に着いたこととネフィーは念のため検査中って返しておくか。


 そうだ、スマホも確認しないと。


 あー店長からシフトの催促だ。忘れてた。


 何気に忙しいな。


 まずは、シフトは店長には申し訳ないが少なめにしてもらおう。


 動画の撮影と編集を最優先にして、茉莉の小遣いを増やしてやろう。


 あれ?隅田君からだ。


 なになに?


 おー、ショートフィルムの取り分か。結構な額だな茉莉の口座に全額入れてもらおう。


 んでんで?


 やっぱり無断転載や転売が出てるか。転売は防ぎようがないから沢山焼いて物量で跳ねのけるしかないね。


 無断転載は、権利を会長の会社に売ってしまってどんどん法的措置を取ってもらおう。


 次の動画は何にしようかな。


 簡単にダンスでもしてもらうか。


 多分、ネフィーがポンコツだから絵になるはずだ。


 場所は会長のホテルが広そうだからタダで貸してもらおう。


 そうと決まれば、色々充電してバッグも用意して寝てしまおう。


 あー眠い。


 アラーム切り忘れた。


 今日は茉莉の襲撃もないな、疲れているのかな。心配かけたしな。


 たまには迎えにいってやるか。


 俺は茉莉の家のチャイムを鳴らそうとしていると茉莉が出てくるところだった。


「おはよう」


「おはよ」


「なんだ元気がないな?」


「起こしに行けなかったし、朝ごはんも」


「いいっていいって、たまには。それより会長のホテルにいって朝飯食わせてもらおうぜ」


「ゆーくん、図々しいよ」


「今に始まったことじゃない、いくぞ」


 俺達は、サイドカーに火を入れて走り出した。


 今日もいい天気だ。


「会長、おはようございますって。寝てます?」


「おおー、立花に友田おはよう。寝てない」


 寝てないのか、それもそうか不可解な事が多すぎるもんな。


「会長、朝飯たかりにきました。いっしょに食べましょう」


「そうだな、すこし休憩にするか」


「ネフィーはどうしてます?」


「特に問題はなかった。しかし、彼女は人間なのか?」


「というと?」


「筋肉と骨の密度が常人の比じゃない、単純にゴリラの10倍以上に強い」


「ゴリラ換算は止めてあげてください。彼女は古の巨人の子孫らしいです」


「神話の?」


「ええ、そうらしいです」


「そら強いわけだ、まあ、いい食堂に案内さえるからそちらで合流しよう」


 これ朝食だよな?


 いや、分かるよ?


 基地に居たら新鮮な物とか食べられないから。


 だからって、そんな野獣のように食べなくても。


 ビュッフェなのに、異変を察知した会長が給仕を用意してくれた。


 はじめて会長すげーと思った。


 皿が出されては、積み上げられ下げられては、積み上げられ。


 フードファイトやってんじゃないんだよ?


「んで、立花、昨日の今日で何の用だ?成果は何もないぞ?」


「まずは、例の版権です」


「ああ、隅田からも聞いている動かしているから大丈夫だ」


「あと、なんか広めの部屋タダで貸してください」


「ん?」


「動画撮るんで、見学してもいいですよ」


「ふええ??」


 茉莉が変な声だしたな。


 全部無視だ。


 とりあえず、簡単なステップを曲に合わせてみる。


 作曲、俺だよ。


 うん、茉莉は流石だな。


 うん、ネフィーはポンコツな感じが最高だ。


 普通に撮れたし、十分だ。


 再生数は、十分に稼げそうだ。


 しかし、特定されるのは時間の問題だろう。


 ネフィーの事を何とかしないとな。


「会長、ネフィーの戸籍とかどうにかなりませんか?」


「普通に無理だ、必ず足が付く。日本国籍に拘らないなら何とかなる」


「というと、下世話だが日本人が生ませた子として海外経由で永住権と国籍を二十歳で取得だ」


「下世話ですね、高校生の会話じゃないですね」


「まったくだ」


「Wi-Fiかりますね、この場でアップロードしてしまいます」


「立花は、これからどうするんだ?」


「まずは、バイト先に顔出します。会長も知っているでしょ、撮影したあそこです」


「分かった、何か分かったら連絡する」


「多分何も分からないので、寝てください」


「辛辣だな」


「一人の女子高生が集められる情報なんてたかが知れてますし、その辺はプロに任せて判断に注力すべきかとって言ってみます」


「立花は、優しいな」


「は?」


「なんでもない」


「行ってこい」


 折角なので、茉莉を後ろに乗せてネフィーをサイドに乗せて街を走る。


 壊れてない清潔な街は新鮮なのだろう。


 ネフィーはしきりに首を振ってって、はしゃいでいる。


「店長、来ましたよ」


「おおー待ってたぞ」


「なんですか?」


「いや、注文がな」


「しらんがな。勝手にさばいてください」


「手伝いはしますけど、ここのキャパを考えてください」


 茉莉さんや、ポキポキ指を鳴らさないで。


 とりあえず、バラシと洗浄だな。


 久しぶりにバイクか車でも組もうかな。


 なにせ車を片手で持てる、人間重機がいるし。


 そんなこと考えながらちょっと手伝って家に帰った。


 スーパーに寄って食材買って、簡単な御飯にしよう。


 ネフィーも茉莉もお泊まりらしい。


 ネフィーは、居場所ないもんね。


 やばい、ネフィーが沢山食べるんだっけ。


 困ったときの商店街、食材と人材を送ってもらった。


 台所で庭で、調理が始まる。


 このままじゃ、破産してしまう。


 ふとおかしなことに気が付いた。


 こんなに食べるなら、基地の貧しい生活じゃあ生きられない。


「ネフィー、なんでそんなに食べるんだ?」


「正太郎君、女の子にそんな事聞くの」


「泣きそうになっても聞かん、死活問題だ。向こうではそんなに食べて無かっただろう」


「うん、なにかが足りないっていうか命が足りないっていうかお腹が空くの」


 何かが足りない。


 食物の純粋な量でないのだろうな。


 母さんに聞いてみるかな。


「ネフィーちゃんは、半分くらい神様っていうか幻想だから科学が蔓延しているその世界だと肉体の維持だけでも大変なの」


「どうしたらいい?生贄とか勘弁なんだけど」


「一時的には、それもありね。でも正太郎の国でもその風習は廃れたでしょ。継続できないのよ」


「無理じゃない?」


「清浄な空気の場所で過ごす事と定期的にこっちに戻ってくることね」


「了解」


 清浄な空気ねー、神社仏閣や教会を回ってみますか。


 結果として成果は得られなかった。


 予想通りだけどね。


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