探求 12話
やって来ましたゴブリン狩り。
天使達に、土や草を使って拘束をお願いする。
その辺は、謎の天使パワーで余裕らしい。
そこへ、短剣を差し込むだけだ。
内臓や急所的には、人間と大差が無いようだ。
こっちはイージーモードだ。
しかし、薬草採取舐めてた。
薬草採取ってテンプレだと、ほとんど子供のお使い感覚だった。
しかし、薬草の薬効が人間だけの恩恵だと勘違いしていた。
薬草は、ゴブリンやら魔物化した動物にも必要な物だった。
そのせいで、遭遇率が段違いだ。
クソゲー並みのエンカウント率だよ。
薬草あるところに魔物あり、魔物あるところに薬草あり。
薬草を踏み荒らさないように戦わなければならないし、とても苦労する。
銃も使えないから手数が足りない。
向こうも引けない思いあるのか、簡単に逃げ出さない。
殲滅が必須になってしまう。そのせいで時間がかかる。
なんとか幾つかの薬草と魔石を手にしてギルドに戻った。
「しんどすぎだろ、最初のクエストでこれとか」
俺は、薬草と魔石を並べながら受付に愚痴っていた。
「おひとりで行ったんだですか!?」
「え?」
「普通は、ベテランのパーティーに入って、囮や遠距離担当と連携して行うのです」
「あー、確かに手数が足りなくて困った」
「とりあえず、これが報酬です」
目の前に金貨が積まれる。
「高くない?」
「それだけ、命がけで大変だからです。あ、あと言われていた奴隷プレイの方待たせてあります」
「忘れてた」
「借金で首が回らなくなった冒険者です、年齢的には貴方と変わりません」
「それって俺みたいに無茶して」
「はい、失敗を繰り返した部類です。冒険者の資格はく奪手前です、言う事聞かなければ放り出してしまって構いません」
「ドライだな」
「労働力は、有効に使いませんと」
笑顔が、黒いよ。
「とりあえず、会ってみるわ」
俺は、指定された酒場の席に着いた。
その席には、飲み物の頼まず二人の男女が座っている。
それなりに堪えているのか神妙にしている。
「とりあえず、エールと肉系を人数分」
二人の顔が上がる。
「おごりだ、とりあえず食いながら話そう」
腹減ってそうだしな。
「お前ら、獣人か?」
二人の頭の上に犬のような耳が立っている。
「ああ、悪いかよ」
「なにも言ってないぞ」
「俺達が獣人だからって、どいつもこいつもバカにしやがって」
「あー、そうなのか?差別的な?」
「違うんです、弟が偉そうにするから」
「姉ちゃんは黙ってろ、世の中舐められた終わりなんだよ」
「なんとなく理解もするけど最初からそれだとダメなんじゃない?先輩には世話になるんだから」
「世話になんてならねー」
「で、借金まみれの奴がいうと説得力が無いな」
「す、すいません」
「別に、そんでどうする?一緒に働く?指示に従えないなら話は無しだ」
「私は、従います!」
「俺は、弱い奴には従わねー!」
俺は肉に手を伸ばしていた手に短剣を突き立てる。
「お前は強いのか?テラフニエル、治してやれ」
短剣を引き抜くと、傷が塞がっていく。
二人とも、呆然としている。
「自己紹介でもしてもらおうか」
二人の名前、姉がミド、弟がガルと言うらしい。
八人兄弟の真ん中らしい。獣人は、獣の血のせいか多産らしい。
しかし、この世界でも例にもれず冒険者やら戦いに出たい者が多く死亡率も高いらしい。
「二人とも、装備は。無いよね、まあ、さっきの報酬の範囲内なら出すよ」
「もう、依頼をこなされたのですですか?」
「底辺の薬草採取と魔石採取だよ」
ミドがキラキラした目で見てくる。
「定番なら壁役とかいるんだろうけど、回復手段が限らているから二人は陽動だなケガしないのが前提だ。速度が落ちない装備を選んでくれ」
その夜は、たらふく飲んで食べた。
二人の失敗談は、面白く、そしてためになった。
俺と同じで手数が足りない、攻撃力が足りないってことに尽きる。
俺の場合は天使と言うズルを使っているから何とかなったが子供に近い我々では詰むな。
俺達は、ギルドの照会で武具屋に来た。
俺達は揃いの皮鎧のセット、ミドもガルも短剣にバックラー。
俺は、穂先だけ金属の槍を追加で買った。少しでも攻撃力を上げたいからだ。
そして、二回目の薬草採取。
やばい、楽勝過ぎた。
二人が素早く動いて攪乱している間に槍を繰り出して、敵がこっち向いたら二人のどちらかが背中から突き刺してる。
攻撃が重複しないのは流石の兄弟コンビネーションだ。
たぶん、これはガルが偉そうにしてなければ二人で十分戦えていたのでは?と思った。
調子に乗って薬草の群生地を二か所回ってギルドに戻った。