探求 11話
「子供は、ママのおっぱいでもすってまちょーねー」
新規登録の説明受けてたら、後ろから声をかけられました、テンプレ乙すぎて遠い目です。
「なめてんのか!?」
受付に目線を向けるが、目を逸らされた。
正直、イラっとした。
振り向きざまに、身長差を生かして金的を喰らわせる。
うずくまった所に膝を入れて、頭を壁に脳震盪じゃ許さないくらい打ち付ける。
これでもこちとら傭兵だぞ。
そして、最後に足首を踏み抜く。
「さ、受付をお願いします。私闘は禁止とか今更言わないですよね?言ったら殺すぞ、家族も全員だ」
「ひいっ」
「早く受付」
「は、はい」
そして、冒険者の身分証を得たが何故かギルドマスターの執務室に呼ばれている。
不機嫌はMAXだ。
「なぜ、呼ばれたか分かりますか?」
長い髪をポニーテールにした、イケメン優男が眼鏡を直しながら睨んでくる。
こいつ、笑ってないか?
「ああ?新人潰しに来た奴を後出しで擁護するとか腐ってんな」
「君は、冒険者になりたくないのですか?」
「こんな腐った組織に縛られるくらいなら、くそくらえだ。それにだ」
「なにかね?」
「許されると思っているのか?テラフニエル、バルキアケル」
「「御身の傍に」」
「こ、この魔力量は」
俺の不機嫌に呼応しているのか、びりびりと壁を揺らすくらい二体の天使から何かが出てる。
その良く分からないビリビリに、俺の心が急激に冷えていく。
目の前のイケメンが腰を抜かしてチビッているのもそうだけど。
「このケジメ?落とし前?どうしてくれんの?ここの人間全員殺してもいいよね?」
俺の目線は絶対零度だ。
「この冒険者カード、返した方が良いよね」
俺は、カードをギルドマスターに投げる。
「どうか!どうか!命だけは!」
「なんで、俺がお前の命を助けないといけないの?」
少年らしい外観のまま微笑んでみる。
「ど、どうしたら」
「天国、いけるといいね」
あ、ギルドマスター気絶してしまったぞ。
「どうか、どうか平にご容赦を!」
あ、受付嬢居たんだ。
「そもそもの原因は君だよね、俺言ったよね、家族も殺すって」
「何でもします、許してください」
はい、なんでもいただきましたー
「じゃあ、俺に対する情報提供を含め最大限の援助それでいい」
「へ?あのお金とか、奴隷とか」
「奴隷制があるの?」
「ないです、契約でそれらしくするだけです。ぶっちゃけプレイです」
「あ、それなら二人位欲しいかな。同年代の男女で」
「はい、他には」
「カード作り直してね、しょんべん臭いのは嫌だ」
「はい、直ぐに」
「あとは、ここの酒場の永久無料使用権でいい」
「え?それだけで良いのですか」
「ああ、俺は極悪非道じゃないつもりだからね。テラフニエル、バルキアケル下がっていて」
「「御意」」
「俺自身には戦う力が足りないから、雑用から始めるから」
「え、でも」
「あ?」
「ひゃい、分かりました」
「皆にはギルドマスターの誠意ある説明で改心したとでも言っておくように」
俺は、新しいギルドカードを手に建物を後にした。
最初の依頼は受けてある。
最底辺の冒険者!ならばすることはドブ攫いだ!
「ドブが無い」
田舎のせいか、魔石文明と呼ぶことにした文明のせいか側溝やドブが無かった。
「どういうことだ?」
受付嬢に詰め寄ってみる。
「あの、冒険者の仕事は必需品である魔石の採取がメインなので、その他の仕事は薬草採取くらいしかありません」
「おう、じゃあ、近場で簡単なの」
という訳で、ゴブリンを狩ることになったわけだ。
銃も使えない、戦術も何もない。
こんな状態で戦うなんて我ながら無謀でしかない。
しかし、自分の魔力を上げたり、日銭を稼ぐためには一番らしい。
まあ、ズルすんだけど。