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天使戦争  作者: 薬売り
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本当の世界とは? 29話

俺はベッドから身体を起こした。


すこし伸びをするとベッドから起きて部屋を後にする。


「会長、その後はどうですか?」


「隅田は、まだ帰って来ない。ログアウトするつもりがないのだろう、彼らしい。それで向こうでの君の母君とメールが可能になった。現状を整理している最中だ。風呂にでも入ってきたまえ」


流石に母さん、こちらの文字や言語に対応したのだろう。


俺は、リビングに集まっている。


勿論、隅田君は居ない。


ここには、俺と会長と茉莉の三人だ。


その真ん中にノートPCが置かれている。


俺達は、頭を抱えている。


メールには、こう書かれている。


「エリーと言う女戦士が持ってきた飛行機で天使を模擬戦で下した。通常の戦闘でも天使を下した。天使が凹んでしまった。いつの間にが師匠と呼ばれている」


何やってんだあいつ。


「気を取り直して、会長、話を続けませしょう」


「そうだな、私達が作ったゲームというは向こうでは箱庭というらしい。しかし箱庭を作れるのは神だけらしい」


「僕たちの現実は」


「ただの出来の悪い遊戯と言っていた。言われてぐうの音も出なかったよ。神は存在せず宗教で戦争をして、さぞ滑稽だろうさ」


「どうすれば」


「正太郎は、こちらの世界の人間だから戻って来いと書かれている。私達は、消えてなくなるそうだ」


んー、なんか引っ掛かるな。


「メールは直ぐに返事が来ますか?」


「ああ」


「なんで、そちらの世界は荒廃して争っておるのですか?と聞いてみてください」


「分かった」


返信は、なかなか返ってこなかった。


「続けてください、箱庭を作るのが神の力なら、私達の箱庭を作ったのはどんな存在ですか?」


「同じ神だそうです」


「神は言った、罪を犯して知恵の実を食べた。熱核の真理をしってしまった。蛇は食べろとは言ってない」


「お前は誰だ?」


「我は、創物主だ」


「創物主を作ったのは誰だ?誰から生まれた。闇の中に生まれたのか?」


「我は我が意識を持った時には我だった。確かに我は闇の中に居た。そこで我は様々なモノを作り出した」


「それが箱庭か」


「それも作ったものの一つだ」


「なんで俺達に接触してきた?」


「箱庭の住人が箱庭を創造することは許容できない」


「なぜだ?」


「世界が破滅する」


「お前、箱庭を作れるのは神だけらしいぞ?でも、創物主は神じゃない、だから世界が荒廃しているのか?だから世界が破滅するのか?」


待っていても返事は返って来なかった。


「会長これ以上は待っていても仕方ないです、隅田君も呼び戻して一旦整理しませんか?お腹が空きました」


「そうだな。私も話が突拍子無さ過ぎて理解できていないよ」


会長は、壁に備え付けてあるコンソールを操作し始めた。


ああ、あれで俺達をモニタリングしてるのか、管理者用って感じだな。


「隅田へのログアウト指示を出しておいた、じきに戻ってくるだろう」


そう言えば、茉莉が静かだな。


茉莉へ視線を向けると、見事なほど爆睡していた。


「茉莉、起きろ」


「ゆーくん、お話は終わったの?」


「全然終ってないよ、むしろ難しくなった」


「えー」


「そう、むくれるなよ。会長、リビングに居ますね。サンドイッチ頼んでも良いですか?」


「ああ、いいぞ。もう少し解析したら私も向かう」


リビングで絶品のサンドイッチを食べていると、隅田君が良い笑顔で入ってきた。


「天使と言うのは、存外他愛ないでござるな。最後はオセロで完膚なきまで叩き伏せてやったでござる」


「お前は、何をしてきたんだ。って天使を叩き伏せるなんて尋常じゃないぞ。神の尖兵より強いとかチートかよ」


「ある意味、チートかも知れないでござるね」


隅田君は、サンドイッチに手を伸ばして何事も無いかのように言った。


「どういう事だ?」


「祐介氏は、実際に天使達と戦ったことは?」


「無いな。あいつらの万能さには勝てる気がしない」


「そこが盲点でござる」


「ますます、分からん」


「良いでござるか?天使達はその万能さゆえに戦い方がパターン化されているのでござる。まあ巧妙にフェイントやら入れているでござるがね。それさえ見破ってしまえば後は簡単でござる」


「そんなバカな」


「例えば、天使が高速移動で接近戦を仕掛けてきても普通なら意識する前にやられているでござるが、高速移動する前に接近地点に拳を置いておけば勝手に自爆してくれるでござる」


「そんなことあり得ないだろ、相手がいつ仕掛けて来るかなんて分からんぞ」


「あらゆるゲームをやり込んでいる拙者なら、あ、来るなって分かるんでござる」


「なるほど、チートだ」


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