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天使戦争  作者: 薬売り
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本当の世界とは? 5話

「良いですよ。使ってください。使用料も僕はいらないです。製作者クレジットだけ入れてもらえれば、お店の方の宣伝は入れてくださいね偶にカスタム出してるんでクラウンも売り物ですから」


「ありがとう。良かったー。これで編集長にどやされなくていい。写真を撮ってもいいかい?」


「どうぞ、どうぞ。背景ジャンク屋ですけど、それもいい味か。良ければ僕が撮ったのも送りますから使えそうなら使ってください」


「何から何までありがたい。君は本当に高校生かい?まるで百戦錬磨のビジネスマンみたいだよ」


「父さんが敏腕だからかもしれないですね」


「僕の子供も君みたいに聡明に育ってくれると嬉しいな」


「いえいえ、それでそちらは?」


「私は、イベントに参加してもらえないかと依頼に来たんです」


「モーターショーですか?」


「良く分かったね」


「何となく夏コミとモーターショーは、セットな気がしてて」


「最近は、海外のモーターショーにばかり、注目が集まってしまってね残念だよ」


「派手ですからね」


「で、オヤジさんはどうなの?」


「俺は、出したいが一台じゃ恰好つかない気がしてな、それに・・・」


「ああ、コンパニオン雇う金が無いってことね。それで茉莉を連れてこいって言ったのか」


「そうなんだ、この通り。頼む。もう一台仕上げてくれ!コンパニオンも頼む」


 普段強面で盗品も平気で捌く悪人が頭を下げている。


「茉莉、どうする?」


「私なんかでいいのかな。それに一人は怖いよ・・・」


「取り巻き共呼んでやれよ、モーターショーのコンパニオンなんて滅多に出来るもんじゃない」


「取り巻きって、、聞いてみる。皆がやるって言うならやるわ」


「決まりだな。さて、どうしたもんか。スタイリストとメイクアップアーティストが必要だな」


「祐介、本当に大丈夫なのか?」


「正直、分かりません。車は仕上げます、塗装は任せても良いですね?タイヤとホイールは用意してください」


「おう!バッチリ決めてやる」


「すいません、聞いていたと思うんですけど会場まで運ぶ手がありません。車両運搬費だけ負担してもらっていいですか?」


「いえ、本来ならこちらが無理を言ってるのですから、それくらい経費落ちると思います」


「あの!その話、私達も噛ませてもらえませんか?」


 カジュアルビジネスな女性が割り込んできた。


「カスタムカーの製作現場を一から取材させて下さい。運送費半分持ちます」


「そんな経費落ちるんですか?記事にするのは構いませんけど動画配信を予定しているんで版権渡せませんよ?」


「ぐぬぬ」


 やっぱり配信か円盤で稼ぐ気だったようだな。


「「今日は、ありがとうございました」」


「こちらこそ、ありがとうございました。ほら、オヤジさんも」


「あ、ありがとうございました」


「イベントの納車期限を聞いておいていいですか?」


 納車期限は、2か月だった。


 かなりタイトなスケジュールだ。


 記者がパシャパシャと写真を撮って帰って行った。


「祐介、当日の衣装とかどうするの?」


「心配するな、俺達には強い味方がいるじゃないか」


「え?誰?」


「日本文化研究部だ」


「よくよく女子たちを説得しておけよ、当日はそいつらにメイクもヘアセットもしてもらうんだからな。それで断るような奴は放っておけ」


「わかった、ダメだったら他の友達に声かけてみる」


「つーわけで、今日は帰るわ。貸しがいーっぱい出来たなー」


「ああ、分かってる。この恩は絶対に忘れない」


 翌日、早速、日本文化研究部員の彼、隅田君に声をかけた。


「モーターショーでござるか、しかも当日の着付けからメイクアップまでとは大仕事でござるなー、夏コミの締め切り間近で修羅場でござるよ」


「そうかーそれがあったかー、関係者だから完全フリーパスが用意できるんだがなー」


「普段、漫画を描かない人達にもトーン貼りとか頼む位の修羅場でござるからなー」


「コンパニオンは、茉莉とその友達」


「う、友田嬢はともかく取り巻きさん達は拙者たちの事毛嫌いしているでござるよ」


「よーく、聞け。コンパニオンは、茉莉と、そのともだちだ」


「ともだち・・・」


「ってことは、学園四天王が揃うと!!」


「なんだよ学園四天王って。なんとなく意味が分かるのが嫌だけど。そうなれば良いなーって」


「希望的観測でござるか、天に唾吐く行為ですな」


「ゆーくん」


「お、噂をすれば。取り巻き達はダメだったろ?」


「うん。だから、二見さんと冬華ちゃんと夏木先輩と田辺先輩にお願いしたら来てくれるって」


「学園四天王キター!」


「祐介氏、修羅場は前倒しにすれば良いでござる。我が日本文化研究部の総力を結集して協力させていただく所存!」


「茉莉も、隅田君もありがとう。パスの必要数教えてくれ」


「45名でござる」


「は?多過ぎね?」


「いやいや、着物の着付け、コスチューム、メイク、ヘアメイクそれぞれに助手を入れたらそんなものでござる、なにせコンパニオン5名を最大級に輝かせるのござるからね」


「分かった、伝えておく」


 学園四天王とは、我が校の誇る美少女四人だ。


 二見八重ふたみやえ、セミロングの正統派美少女、彼女にしたいランキングNO.1


 冬月冬華ふゆつきとうか、髪を腰まで伸ばしている色白の儚い系美少女、守ってあげたいランキングNO.1


 夏木友里恵なつきゆりえ、ボブカットのスポーツ女子、護って欲しいランキングNO.1


 田辺ふみ(たなべふみ)、長い茶髪の現生徒会長、嫁にしたいランキングNO.1、踏んで欲しいランキングNO.1


 全員が、芸能スカウト経験数知れずの強者で、生徒会長の田辺先輩は断り切れずモデルを何回かしてしまっている。しかも、パリコレクションのランウェイと、隅田君談だ。


 我が幼馴染の友田茉莉は、白豚の飼い主のため選外とのこと、うるせー。


「ゆーくん、それでね。四人とも知り合いの雑誌社さんとかに宣伝しておくっていってくれたよ」


「これは、今年のモーターショーは荒れるでござるね」


「ああ、間違いなく大荒れだ」


 俺と隅田君は満員御礼を確信している。


 今頃、先日会った男の所には、色んなメディアから問い合わせが殺到して嬉しい悲鳴を上げているだろう。


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