表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/23

【真のドラグニカ】

空が灰色に埋まり、僕は焦りすら覚える。

別に空が灰色になる事に対して、焦っている訳ではない。

今の僕には、確かに分かるのだ。右手の竜紋がうずくように。

ざわざわとした風が、僕の心の中まで入ってくるような不安感。

だから今は、足を止める訳にはいかない。

大事な友達を、彼女達を助ける為に。大事な家族を助ける為に……。


『余計な事を考えれば、我が主でさえも消えるぞ?』

「それでも、僕は人形で無い事を証明するよ。だって人形なら、笑ったり泣いたり、怒ったりも出来ないじゃないか。それに……」

『……?』

「僕は君と契りを結ぶよ。だけどまだ、僕は僕のままで。亜理紗達に言わなきゃいけない事があるんだ。勿論、竜也にも……」

『なら、行くが良い。おのが信ずる、その道へとく為に』


『……悪いけど、ここから先へは行かせない。それがボクの仕事だから』

「――っ!?」


一人の少年が、僕の目の前に空から降ってくる。

少年は手を広げ、僕の道をふさぐ。


「……ごめんね、零の兄ちゃん」

「……どうして、君が……」

「答える義務、ボクには無いよ。――吹き飛ばせ、ワイバーン!」


少年は瞳を光らせ、短剣を出現させる。

でもそれより驚いたのは、彼の竜紋を位置が……。


「レオ……君、左目に」

「ボクの竜紋は、見てのとおり目に刻まれているよ。だけどこれは戦う時だけ」

「僕と君が戦う理由はっ」

「――理由なんて要らない!ここで戦う事が、この世の筋書きなんだ!……ワイバーンっ!」

「――くっ!?(速い!)」


間合いを詰められ、零はふところに入られる。

レオはすかさず、零の腹部へと重い一撃を繰り出す。

油断していた零にとって、この一撃は致命傷ちめいしょうだ。


「……ウロボロス、力をけ。これは命令だ……」

「――っ!?」


レオは殺気を感じ、攻撃をフェイントにして間合いを作る。


「悪いけど、時間が無いんだ。レオ、君の相手はまた今度」

「――っ?!」


真横に来た零の姿を見て、レオは恐怖した。

零の発していた雰囲気が、黒く殺気に満ちていた事に。


再び間合いを作り、建物の屋上へと移動する。

レオの能力は自身の速度が急激きゅうげきに上昇し、それを駆使くしするのが彼の戦術でもあり彼の力だ。

だが先ほどの零の動きは、その遥か上を越えていたと言っても過言ではない。

それと共にレオは殺気を感じ、一瞬のおびえによって彼を後退させてしまった。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……さっきのは、一体」

「――知りたいか?」


背後から声がして、すかさず間合いを作る。

零は追わず、離れたレオを見る。


「お前、誰だ。ボクの知ってる兄ちゃんじゃ、無いみたいだけど」

「察しが良くて助かるが、〝オレ〟は間違いなく霧原零だ。ただし、少し違うのは……」

「(――っ!しまっ!?)」

「さっきより、好戦的になったぐらいだな」

「――がはっ!!!!」


すぐに間合いを詰められ、レオは蹴り飛ばされた。

壁に叩きつけられた衝撃が、レオの背中に激痛を走らせる。


「久方振りだな、ウロボロス。さて、再契約だ。オレとちぎれ」

『了承しよう、もはや異論はない。その状態の主ならばな……』

「当たり前だ。オレを誰だと思ってる?オマエらの王だぜ?」

「――っ、げほげほっ!お前、何者なんだ」


血を吐き、レオは零へ問いかける。

その様子を見て、彼は口角を上げて言った。


「へぇ、まだ立つかよ。結構良い蹴りしたと思ったが、久しく戦闘から離れたから鈍ったか。……まぁ、オマエの質問に答えるなら……」


殺気を放ち、雰囲気が変った彼は不気味に笑った。

レオは目を疑った、変ったのは雰囲気だけでは無かった。


「――真のドラグニカ。全てを統べる、龍の王とでも言っておこうか」


レオは見たのは、彼の目だ。

紅に燃え、まるで龍の目のような冷たい眼。

そして微かに感じたのは、自分自身の違和感だ。


「――ワイバーンっ!……え?どうして?」


レオは、血に写った自分の顔を見て驚いた。

そこに写ったのは、竜紋も何も無い。ただの少年の顔だけだった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ