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ネコ日記  作者: ゆい
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捕獲される前のこと。

猫の実話に妄想をプラスして猫視点の話にしてみました。いつまで続くかわかりませんが、これを見て猫捨てるのと、ネコ虐待する人いなくなるといいなぁと思います。

吾輩は猫である。名前はぼたん。模様は白黒ブチだ。

最近、人間に捕まって、名前つけられた。

最初は嫌だったけど、前の暮らしよりずっとましだと思えるようになった。


おれはさ、人間に母さんから引き離されて、夜の闇にまぎれ見知らぬところに兄弟共々放り出されたんだ」。しらねぇとこに放り出されたんで、不安になったさ。でも、おれの2匹の弟たちが「おかぁさん~、こわいよ~」ってわんわん泣いてたからよ、俺がしっかりしなきゃって思ったんだ。もう人間に捕まって怖い思いしない様に注意して、兄弟で力合わせていこうなって弟たちに、何より自分にそう言い聞かせて三匹固まって寒い夜を耐えたんだ。

朝が来て、今度はお腹がすいてきた。でも母さんがいねえからごはんをもらうことができねぇ。どうしようかと思っていたらさ、どこかからご飯の音が聞こえたんだ。「じゃらじゃら~」って。他の猫の鳴き声も聞こえた。その方に行ってみると、見知らぬ猫がご飯くってた。そしたら無謀な末っ子の白いのが走っていっちまって、猫たちの隙をついて食べ始めやがった。そのたびにその猫から叩かれてたが、懲りずに食べてた。おれは辺りを見回して人間がいないのを確認してもう一匹の弟つれてご飯を盗りに行った。


そうやって何とか食いつなぎ、三匹で生きていたが、ある時、広く固い地面の上を渡っていたら、四角い何かがすごい速さで近づいてきた俺は弟たちに「逃げるぞ!」と声をかけた。だが、一番目の弟はその四角いものに踏みつけられた。

弟は苦しそうに「ギャンッ!!」と鳴いて、動かなくなった。近づくといつもの弟のにおいが臭い何かのにおいに覆われていた。俺と同じ白黒ブチの模様だった体は赤くなっていた。

何が起こったのかわからなかくて、呆然としていたら、また四角いものが近づいてきて、おれはあわてて末の弟と逃げて隠れた。

しばらくすると上から黒い鳥が赤くなった弟に襲いかかった。黒い鳥は弟の体を突いていた。黒い鳥に引かれたように、茶色い大きな鳥も来た。

俺たちじゃ、あいつらに敵わない。だから俺は末の弟とそこから遠いところに逃げた。一番目の弟は助けられなかった。


それから、俺は末の弟と離れない様に、あの広くてかたい地面に近づかない様に気を付けて過ごしていた。そんなある日、突然、ご飯に有りつけなくなった。なんでかはわからない。そうしておなかがすいてたのがいけなかったのか、弟とはぐれてしまった。

必死になって弟を探した。耳を澄まして、弟の声が聞こえないかとおもった。でも、なかなか見つからなくて、お腹もすいてきたころ、お腹の大きな姉さんにあった。姉さんはあの広くてかたい地面を横断して行こうとしていた。もしかしたら弟も向こう側にいるかもしれない。そう思っておれは姉さんと一緒にそこを渡った。姉さんが行った先には人間がいた。俺は思わず警戒したが、姉さんは気にせず人間の方へ近づいて行った。そして人間の手の届かないところに座り込んで「ごはん寄こしなさい。」と言った。すると人間も姉さんに応えて何かを寄こした。姉さんは転がってきたそれを食べていた。それは次々と転がってきた。お腹がすいていたおれも食べたくて近づいて行ったら姉さんに「私のに手を出すんじゃないわよ!」と叩かれた。それでもごはん欲しくてうろついていたら、人間は俺の方にもいくらか転がしてくれた。しばらくそうしていたら、人間は姉さんにたくさんのごはんがのった器を差し出して来た。それを食べるために近づいた姉さんに人間は手を伸ばしてきたが「触んじゃないわよ!」と姉さんに叩かれていた。それでもめげずに手を伸ばす人間に姉さんはスッと前足を上げ、爪を出して人間を睨みつけた。すると人間はすごすごと下がっていった。びっくりして姉さんスゲェ!と近づいたら俺も叩かれた。でも、弟がいなくなって寂しかった俺は、姉さんのそばに寄った。姉さんと一緒に居れば寂しくないし、人間も怖くないと思った。

が、姉さんは怒って俺に咬みついてきた。俺は姉さんが怖くて結局逃げ出した。

しょんぼりしていると、弟の「さびしいよ~、相手してよ~」という声が聞こえた。あわててその声の方に行くと弟は小さなかごに入れられていた。そして近くには人間がいるようで人間の匂いがした。近づいて弟に声をかけると「あ、大兄ちゃん」と弟はのんきに答えた。すると人間が現れた。今は姉さんもいない。おれは慌てて逃げた。弟は人間に向かって「構って~」と言っていた。

弟はもう人間に捕まってしまったようだった。

一人になったおれはもうあの辺には近づかない様にしようと思った。おれまで捕まったら人間はまた俺たちを何処か遠くに放り出すかもしれない。

お腹はすいたが我慢した。


しばらくすると、またいつものところでごはんが出るようになった。ここなら他の大人猫たちがいるから安心だとそこでご飯を食べていた。大人猫は人間なんて怖くないと言っていた。だから大人猫と一緒なら大丈夫だと思っていた。だが、おれは捕まえられた。大人猫は誰も助けてくれなかった。

そして、俺は弟を捕まえた人間に引き渡された。


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