貴方が居なくなるとして
貴方が私の前から居なくなると言ったとしたら。
私は屹度、泣くことも、縋ることも出来ず。
貴方が残した言葉の残骸をかき集めて、ゆっくりと受け入れるでしょう。
そうしていつか酷く渇いて、崩れていくのです。
貴方が居なければ、私は潤うことは有りません。ただ、潤いを、貴方を求めて残骸をかき集め、朽ちるのです。
貴方はどうなるのでしょうか。
執着をしない貴方は私が居なくなったとしても、渇くことも、朽ちる事もないかもしれません。それはとても寂しい事ですが、私が貴方を執着させる事が出来なかったんですもの。仕方ありませんね。
この先、私は貴方を執着させる事が出来るのでしょうか。
させる前に貴方がこの例え話のように去ってしまうのかしら。
どちらにしても、私はこの先幸福には成れませんね。
遅かれ早かれ貴方は私の前から去ってしまうんですもの…。
私が貴方に縋ることが出来たら…。どうしても上手に貴方を留める事が出来ません。やおら貴方が零す言葉、ひとつひとつを逃がさず拾うだけ。
それだけが私の精一杯。
貴方が私の前から居なくなるとして…