第22話 ノブオとジュンジがスーパーセンター ②
「よし、俺が君たちをイカしたメンズにコーディネートしてやろう」
「えっ? 雅親君、外に出られるの!? しかも江戸ファッション教えてくれるの??」
目を見開き、雅親をガン見するノブオは真面目に聞いた。
「何言ってんの? 出られるに決まってんじゃん。ただ他の人には見えないから、透明人間みたいなもんだけど。それに俺がどんだけテレビ、マンガ、ゲームやってると思ってんのさ。君たちより流行には敏感なんだ・ぜ!!!」
「ほほう……ではお手並み拝見いたすかな?」
ノブオはそう言うと、プイーンと飛んで雅親の頭の上に立ち、ゲタをタンタン踏み鳴らした。
「なんだよ、いてーな!!!」
言いながら雅親は、美希果のいる車の方へと走った。
ノブオは雅親の長髪にしがみつき、振り落とされないようにしながら羽をパタパタさせている。
「ハハハっ、おもしろいなぁ、もう……」
楽しそうな二人を見て、気付けば、ジュンジは声を上げて笑っていた。
こんなに大きな声を出して笑ったのは、どれくらいぶりだろうか。なんだか嬉しくなる。
虫の声が響き、赤くなってきた空には濃い緑の木々がよく映える。
ずっと休んできたけど、おもしろい夏休みが始まりそうな気がして、急にドキドキしてきた。
「ジュンジー、早くー!」
「おーい、ジュンジー」
「ジュンちゃん! 早く来てー!!」
三人は叫ぶように、ジュンジを呼んでいる。
「はーい! ちょっと、待ってー……」
ゆっさゆっさとリュックを揺らし、ジュンジも走ると、急いで美希果の車の後部座席に乗り込んだ。
隣には、頭の上に学ラン天使を乗せた雅親がすでに座っていた。
「シートベルトしめた? 出発しますよー」
「はーい!!!」
美希果の問いかけに、その他三人は元気に声を合わせた。
こうして、美希果の運転する車はスーパーセンターに向けて走り出した。
「今から行くところは私の職場でもあるわけで……昨日と今日は休みだったけど、明日からはまた出勤するから、私が家を空けることも多くなるけど……食事はちゃんと用意するし、洗濯とかは好きな時に、各自でやってもらうということでいいよね?」
その道中、美希果は今後しばらくの生活についての話をする。
「まぁ、基本的にはみんな自由に、楽しく、協力し合って、仲良くやりましょう!!!」
「はーい!!!」
全員の心は一つになった、ようだった。




