第20話 ノブオとジュンジがジシャコウへ (二) ②
「あっ、でも必ずしも発生するわけじゃないですし。やってみてからですね」
「そ、そうですよね……」
もう、どうでもいいや……ジュンジは改めて天命に任せる。
「じゃぁ、次はですね……えーっと、入校説明がありますので、A教室へ行ってください。その後は適性検査がありますから、そのまま同じ教室なので」
ジュンジは言われるまま、A教室に向かう。
入り口には下駄箱と、小中高時代に職員玄関の所にお客様用として置かれていたのと同じ、茶色のスリッパがあった。
おとなしく、それに履き替え、自分のスニーカーを下駄箱へしまった。
A教室の中には誰もいない。
ホワイトボードがあり、長い机と長い椅子がつながったものが、広くはない室内にみっちりと並んでいる。
そして“ここより前に座ってください”と手書きで画用紙に書かれ、三角に折られて立体的になったものが、後ろの机から数えて四つめの机に置かれている。
せっかくの机は出番が少ないらしい。
ジュンジはとりあえず、前から二つ目、真ん中の席に座った。ちょうどそのタイミングでチャイムが鳴る。
「おぉ、一人みたいだな。ジュンジ」
人形サイズのノブオはクスクスしながら、ジュンジのすぐ隣の椅子に腰かけた。
教卓横のドアからスーツを着たおじさんが入ってきた。
「はい、では入校説明を始めますね。あっ、ちなみに私は校長です」
本来であれば、何人も一緒に入校し、声を張り上げて説明会が始まるのであろうが、一対一の個別指導の塾のようになっている。
「福田さんですね。また遠いところから来られたみたいですけども。大丈夫ですよ、他県から来る人もね、いますから」
「あっ、どうも……お世話になります」
こちらの目を真っ直ぐ見て話す校長に、ジュンジは少し萎縮する。
「では、ですね……このタイムカードなんですけども……」
一対一の個別指導説明会は、校長も慣れているようで、話は淡々と進んでいくのだった。




