第20話 ノブオとジュンジがジシャコウへ (二) ①
「えーと、料金のことになるのですが。AT限定ということなので、こちらが基本の料金になりまして。バス代と教科書代と、問題集の料金も含まれてますので……」
おねえさんは料金が一覧になっている用紙をマーカーしながら、慣れた様子で説明する。
「で、ですね。支払方法は何分割にしましょうか?」
適当に聞いていたジュンジだったが、はっとした。
料金の支払いなんて、どうしたらいいんだろう……
口座引き落としか、でもそんな大金、立て替えられないよ……
情けなく悲しく、そして、やけっぱちになったジュンジは、リュックの中を探った。
すると、輪ゴムで止められた札束を発見した。
三十か四十万円くらいはありそうだ。
いける……これはいけるぞ……
「あの、現金で一括払いでもいいですよね?」
少々調子に乗りながらジュンジは言った。
「えぇ、はい。可能ですけど……?」
お前、本当に払えんのか、と言いたげな表情でおねえさんはジュンジを見ている。
ついでに、カウンター奥の他の事務員たちも聞き耳を当然立てていたので、同じようにいぶかしむ。
「では、これでお願いします」
得意げにリュックの中からお札を出し、枚数を数えると、ジュンジは料金分をおねえさんの前にあるブルーのトレーに置いた。
「はい、では現金でお支払いということで……少々お待ちください」
かなり疑っているのだろうか。
おねえさんも丁寧にお札を数え、確認すると、お釣りを出してくれた。
「あぁ、そうだ……技能教習の回数が増えますと、車に乗った回数分、追加で料金が発生しますので、それは模擬テストの時に清算してお支払いいただきますね」
おねえさんは脅かすように、嫌なことを付け加えた。
「えっ、追加料金……ですか?」
ジュンジは動揺している。




