第18話 ジシャコウ (二) ②
ジュンジは急に不安になり、緊張してきた。
「大丈夫よ。きっとみんなが味方になってくれるわ」
「えっ? みんなが味方……」
「ジュンちゃん、早くー!!!」
美希果はもう一度声をかける。
「じゃあね。いってらっしゃい、ジュンジ……」
そう言うと、きよちゃんは電話を切った。
少々寂しい気持ちになりながら、急いでジュンジは階段を降りる。
階段の下に、昨日ジュンジが着ていたはずの服がきれいに洗濯され、たたまれ置かれていた。
それを持ってまた急いで階段を駆け上がり、着替えて、リュックを背負って降りてきた。
玄関には、同じく、昨日の学ランに羽を背負った衣装でゲタをはく、ノブオが待っていた。
美希果と雅親も見送るために待っていてくれた。
「遅いぞ、ジュンジ!!! 俺も一緒に行くからさ」
ノブオはなんだか嬉しそうにゲタを鳴らしている。
ジュンジも急いでスニーカーを履いた。
「えっ、一緒に行ってくれるんですか?」
その格好で……と言いかけて、ジュンジは言いとどめた。
「だって心配だろ? 大丈夫。こっそり見守るからさ」
ノブオはそう言うと、ポンという感じで小さくなり、プイーンと飛んでジュンジの肩にとまった。
「わぁ、便利だな。ノブオっち」
「すごーい、マジックみたい」
ノブオが小さくなるところを初めて見た雅親と美希果は、珍しいものを見たもんだというように驚いている。
ただ、この二人も珍しい存在ではあるので、他の人よりはその驚き具合は小さいだろう。
「あぁ、そうだった。ノブオさんは小さくなれるんだっけ。いろいろあり過ぎて忘れかけてたけど……よし、行こう!!!」
ジュンジは気合を入れた。
「ジュンちゃん、バスはあのカーブミラーの所で待っていれば来るから。来たら、手を上げるなり、振るなりして合図して」
「あっ、そうか……では、行ってきます」
いってらっしゃーい、と美希果と雅親の二人に見送られながら、肩に学ラン天使ノブオを乗せたジュンジは走り出した。
カーブミラーまでは遠くない。
何か新しいことが始まりそうな気がして、ジュンジはワクワクが止まらなくなるのだった。




