第15話 座敷ハタチと淑女の出会い(二) ①
「まぁ、そういうわけでさ」
こうして、雅親のことがわかってきた家族は、二階の屋根裏の部屋をきちんと、雅親の部屋としてあつらえることにした。
部屋のドアには“雅親の部屋”と美希果が可愛らしく表札を作った。布団を敷き、テレビとマンガ本、ゲームなど、できる限りで置いてやった。
二十歳で亡くなり、この家が建つ時からずっと一人でいて、食事も台所でたった一人で、立ち食いしていたのかと思うと、皆は心苦しくなったのだ。
ただ、雅親はそれからも変わらず、食事は台所で一人立ち食いスタイルを続けた。
今更、皆と座って一緒に食べるのはなんとなく恥ずかしい。
でも、同じ時間に一緒に食べたい。二階で一人で食べるのも、そっちの方が今より寂しくなるような気もする。それに、持ってきてもらうのも悪いし……
と雅親もいろいろ思うところがあって、今までと同じようにしてほしいと頼んだのだった。
美希果にとっての雅親は、生きている人間となんら変わりなく姿も見え、会話もできるし、触れることもできる。
生まれた時からそこに当たり前に存在しているので、年の離れた兄がもう一人いるような感覚だった。
時々、雅親の部屋に行っては、一緒にゲームをしたり、楽しく会話しながらお茶を飲んだ。
またある時は、美希果の実の兄も一緒に、雅親の部屋にやって来た。
美希果の兄には姿も見えないし、会話することも触れることもできないが、ただゲームのコントローラーが勝手に動いたり、マンガのページがめくれたり、ポテチが減ったりするのは、おもしろかったようだ。
それと時々、雅親の笑う声が聞こえ、本当にそこにいて楽しんでいるんだということがわかった。




