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第12話 座敷ハタチになるまで(二) ④
夜中だけでは足りなくなって、昼間でも人がいない時や、いてもコソコソとばれないようにしながら、雅親は台所や家の中をウロチョロするようになった。
そうすると当然、家の者も気づき始める。
前の晩の残りがない、炊飯器の釜のごはんがない、お菓子がない、私のプリンがない……
誰も歩いてないはずなのに、階段を上り下りする音がする、廊下を歩く音がする……
ついでに、雅親は親切のつもりで、時々皆の探し物を目に付くところに置いておく。
そうすると、誰かいるのではないかと皆、不思議に思う。
一緒になって時々、雅親はテレビを見ていたりもする。たまにツボにはまると雅親は大爆笑するのだが、その笑い声が家族の耳にとどくことがあるのだ。しかも、勝手にチャンネルを変える癖もある。
やっぱり、誰かいる……
誰もがそう思い始めたとき、決定的な証拠がでた。




