第12話 座敷ハタチになるまで(二) ③
「えっ? 死んでるのに、熟睡とかするの!?」
ノブオが普通に質問した。
「はっ? 普通にするっしょ」
ちょっとイラつきながら雅親は答える。
「へぇー、そうなんだ……」
雅親のイラつきを察知したノブオは、目をそらしながら一言述べるにとどまった。
「そうそう、熟睡できるようになったの! 屋根裏のおかげで」
そうして、屋根裏部屋に落ち着いた雅親は、この家族を見守り始めた。
家が完成し、屋根裏の物置といっても自分の部屋を確保した雅親は、安心したのか、腹が減るようになった。
すっかり忘れたようになっていた、腹が減るという感覚を思い出し、なんだかちょっぴり嬉しい。
そこで、皆が寝静まった夜中に、二階から降りてくると台所へ忍び込み、こっそり炊飯器の釜から白ご飯を食べたり、冷蔵庫から漬物をつまんだり、お菓子を食べてみたりするようになった。
「いやー、冷蔵庫にあったプリンをさ、初めて食べたときは感動したわー。あとチョコレート……プリンなんて開け方わかんねぇからよ、二階に持って帰って一日中フタを箸でつんつんしてたわ。食べれたときの感動はひとしお!」
「おぉ、確かに……プリンの開け方なんて、そういえば俺たちは誰に習ったんだろうな。最初にこの方式考えたやつは天才だな」
ノブオは感動している。
「しかもよ。俺、そのとき箸しか持ってなかったから、箸で食ってたんだぜ。ぐちゃぐちゃにまぜてよ。それでもうまいんだから、プリンってすげぇよな」
雅親は感慨深げだ。
「プリンか。そういえばまずいプリンって出会ったことないな……いや、プリンって偉大だったんですね。食欲ない時とかにもいけますし」
ジュンジはプリンが食べたくなっていた。
「そうそう、それでなんだか腹が減るようになって……」




