表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ピンクの世界で!!-座敷ハタチと淑女の馴れ初め-  作者: 春天アスタルテ
第12話 座敷ハタチになるまで(二)
63/90

第12話 座敷ハタチになるまで(二) ①


 気が付くと、青い空が広がっていた。雅親はあおむけに、大の字で寝ている状態だった。


 起き上がって、周りを見渡すと一本の道があった。


 自然と足が進むので、その道をひたすら登った。登って登って二時間くらい登ると、右手に小道があって……


「ちょっと待てよ、それってもしかして……俺たちがピンクの世界から落っこちた駐車場じゃねぇか?」


 ノブオが声を上げた。


「僕もそう思います……」


 ジュンジとノブオは顔を見合わせた。


「あぁ、そうなのか。それでさ」


 右手の小道を入って突き当り。ちょうど建築中の家を見つけた。基礎の部分をやっているようで、まだまだ建つには時間がかかりそうだった。


 建築の業者の人や大工さんたちが作業しているのを、嬉しそうに見学している家族がいることに気が付いた。


 若い夫婦と小さな男の子で、とても幸せそうだ。


 はしゃぎながら、ぴょんぴょん跳ねるように走り回る男の子に注意しながらも、両親からは笑顔がこぼれる。


 雅親はこの家に居つくことを決めた。


 それが正しいことのように思えたのだった。


 建築中の家に近寄ってみる。


 作業する人にもこの家族にも、雅親のことはまるで見えないらしい。


 声をかけようともしたが、てんで目も合わず、肩をとんとんしても、皆さわられた感触は感じ取るが、後ろを振り向きキョロキョロするばかりだ。


 やっぱりな……雅親にはなんとなく分かっていた。


 皆の服装も、ここまで歩いてきた道も、見える景色のなにもかもが、自分の知っているそれとは違っていた。


 そして、なにより自分が死んでいるということも分かっている。


 これからはしばらく、とてつもなく寂しいかもしれない。


 それでもここに居ついて、この家族を見守らなければならない。そんな気がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ