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第10話 座敷ハタチはイケメン ④
叔母である美希果さんの婚約者がただ若いだけでなく、こんなよくわからない存在だとしたら……
しかも、死ぬ間際の人間にしか普通は見えないとか言ってたけど、僕は死ぬのか? もうすぐ……いや、待てよ、美希果さんも見えてるじゃないか、えっ、みんな死ぬの? 近いうちに……?
ジュンジは軽くパニックだ。ついでにやっぱり、頭が痛くなってきた。
ノブオも下がったメガネを上げながら目を大きくした。
「確かに……って、つまりは、どういうこと???」
ノブオも混乱し始めた。
「しょうがないなぁ……もう、教えてやるか、二人の馴れ初めを。なぁ、美希果」
「えぇー、はずかしいよぉー。雅ちゃんがはなしてねっ」
テーブルの下で雅親が美希果の太ももをナデナデしているのを、ノブオは決して見逃さなかった。
「あの、ちょっとその前に。トイレ借りてもいいかな?」
「あぁ、どうぞ。そこ出たら台所のとこ通ってまっすぐです」
美希果の答えにどうもどうも、と痺れた足を引きずるようにしてノブオはトイレへと向かった。
ジュンジも痺れた足を伸ばして軽くマッサージをする。
少々間があって……
「ざけんな!!! クソがっ!!! コラァぁぁぁ!糞糞糞!!!」
遠くからノブオが叫ぶ声が家中に轟いた。




