5/5
AIが決める生死-48時間後、妹の呼吸は止まる1-
スマートウォッチの画面に、赤い警告が点滅していた。
《電力供給制限:48時間後に優先給電リストから除外|》《・》
その一文が、蓮の心臓を冷たく締めつける。
あと二日で、美咲の呼吸は止まる――その現実が、頭の奥で何度も反響した。
視界の隅に、妹の笑顔が浮かぶ。
お見舞いの帰り際、彼女が小さな声で言った言葉。
「退院したら海を見たい」
その願いを、蓮は笑って受け止めた。
「ああ、必ず連れて行く」
そう約束したのに――
「その約束すら守れないのか…そんな未来はありえない」
胸の奥で、焦りが鋭い棘のように突き刺さる。
頭の中で、最悪の光景が何度も再生される。
病室のベッドで、静かに目を閉じる美咲。
モニターの心拍線が、赤い一本の線に変わる。
その横で自分はただ立ち尽くしている――
「そんな未来は、絶対に許さない」
ふと、別の記憶がよみがえった。
高校時代の誕生日、停電で真っ暗な部屋。
ロウソクの灯りだけが二人を照らしていた。
**「これで十分だよ」**と笑った美咲の顔が、今も焼き付いて離れない。
あの笑顔を失いたくない。




