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高校生の僕…漫画との再会

 僕は、高校生になると部活には所属しないで、家に帰ってゲームをしたり漫画を読んだりするのが趣味の、インドアな学生になる。


 特にやりたいこともなく、ただ、毎日なんとなく楽しく過ぎていけばいいと思うだけのつまらない高校生だ。

 

 けれど、相変わらずひとりでこそこそと漫画を模写したり、イラストを描いたりするのは続けていた。

それだけが、僕の取柄だったと言える。


 あるとき、衣替えの季節でもあって、部屋の整理でもしようと、僕は押し入れの中から物を引っ張りだしていた。なにか売れるものがあれば、売って小遣いにしようと思った。


 僕は押し入れの奥のCDが詰まったケースや、ゲーセンで取ってほっぽらかしにしていたぬいぐるみの山のなかから、あるノートを見つけた。


 それは、僕が昔描いた、『紅の鬼炎刀(くれないのきえんとう)』の漫画だった。


 すっかり存在の忘れていたその漫画を掴み、久しぶりにページをめくって、僕は顔を綻ばせた。


「うわ、なつかしー」


 その漫画は顔は横からしか描けてないし、アクションシーンは吹き出しでごまかしたりしているのが、いまとなっては恥ずかしい。


 僕は懐かしさから、パラパラとページをめくっていたが、次第に読み拭けってしまっていた。

 

「…意外と面白いじゃん」


 僕は呟き、完成させていないのがもったいなく感じて、この話の続きを描いてみようと思った。


 僕は漫画を描く用に買っていた、Gペンとトーン、インクや原稿用紙を使って、漫画の続きを描くことにした。(これもずっと使えずに押し入れに仕舞ってあった)


 初めてきちんと描いたその漫画は、Gペンを使い慣れていなくてところどころ筆跡がガタついて、かくかくしているし、トーンを貼るのも死ぬほどめんどくさかった。

 描き終わるまで3カ月かかり、僕は2年生に進級してしまったが、描き終わったあとは、言い様のない満足感でいっぱいだった。


 その話は、黒羽(くろば)が鬼の親玉、大鬼丸(おおおにまる)という巨大な鬼を倒し、鬼炎刀(きえんとう)を手放した平和な日常が戻ってくる、という終わりになった。

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