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07.吐き出した夜

『こんばんは。そのジャージ、まだ中学生かな?

多分今の時間外にいると補導されちゃうから

お家の人に連絡をして迎えにきてもらったほうが良いと思うんだけど大丈夫?電話なら貸せるけどどうする?』



すごく心配そうにおばさんが声をかけてくれた。


「絶対に親には連絡したくないんです。

 細道とかバレないように帰るので

 心配かけてすいませんでした。」


『うーん、、女の子をさすがにこの時間に

 はいそうですかーって帰せないな…

 おばさんも同じくらいの娘がいるから心配なの。

 もう仕事終わるから車で送るわ。待ってて』


断ろうとしたが、おばさんはもう行ってしまった。

知らない人の車に乗ることも抵抗があるが

補導されたら受験に響くし、迎えは結局親が来るのは嫌だった。



『いこっか!』


明るくおばさんが声をかけてくれたので

そのまま車に乗り、家を伝えた。


『えっ??そんな遠くから自転車できたの?

 車でも20分以上かかる距離じゃない。

泣いてたみたいだし、聞くのは可哀想かなと思うけど

 こんな時間になにかあったか聞いても良いかな?』



誰かに話したかったのかもしれない。

私は泣きながら全て吐き出した。

おばさんは切なそうな顔をして抱きしめてくれた。


『辛いね。話してくれてありがとう。

 お母さんもいろんな気持ちがあるのかもね…。

 おばさん、何もできないけどいつでも相談してね。』


そう言って連絡先をくれた。


【堀川咲子 080-××××-××××】



これが堀川さんとの出会いだった。



家の前について、パジャマで走ってきた父が

見たことのない顔で私を抱きしめた。

『どこ行ってた…無事でよかった…本当に。

何かあったらどうしようかと思った…』


必死すぎて堀川さんのことが見えてなかった父が

ようやく気づき、何度も頭を下げていた。



そこに母の姿はなく、心配すらしないのだと

1ミリ期待したことも後悔して更に心を閉ざした。



後日、自転車もレストランまで一緒に父が取りに行ってくれた。その時はランチをしながら

本当は話したくなかったけど、

あんな顔をした父ならなんか大丈夫な気がして。



思った通りで、父は私の話を何も言わずに聞いてくれた。




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