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03.ぬけもれ

「これ、先方の田中さんに金額の確認とっておいて」

上司から不意に送られてきたデータを開いた。


私の担当の丸山商事の今月の請求書だった。

本来、営業担当の私がすでに相手に確認をして

明日経理に書類提出をしなければならないはずのもの。



その請求書のデータを見た瞬間、

あー、、やってしまったと私は思った。


急いで先方に連絡しないと…。

鈴木マネージャーに先に謝らなきゃ…。

パニックを起こしながら声をかける。



『鈴木マネージャー…

気づいてくださり、ありがとうございます。

確認が甘く、ミスをしてしまい、申し訳ございません。』



笑顔で鈴木マネージャーは大丈夫だよと笑ってくれた。



やっぱり彼女と同棲してるのかな。

いつもシワひとつないワイシャツとネクタイ。

綺麗な身なりで仕事も完璧。部下のミスも見逃さない。

そしてなにより、心が広い。大海原レベルだ。

こんなに余裕のある人には、さぞ完璧な彼女がいて

結婚するんだろうなと思っていた。



そんなことはどうでもいいのだが、

早く請求書の金額が間違いないかを

確認しなければならない。


私は急いで先方の担当者に電話をし、

郵送だと間に合わないため、請求書のデータを

メールで送付して、その日のうちに相違ないことの確認を取った。



この抜け漏れに気づかなかったら

危うく今月の営業数字の目標が未達だったな。

本当危ない…賞与に響く…。



マネージャーのありがたみをじんわりと感じながら、

他の仕事も終えて

ひと段落したときには時計は20時を回っていた。


「やっばい。帰らなきゃ…

これ以上、退勤が遅いと怒られる…」


バタバタと帰る準備をして会社を出た。


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