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No.10 ぐちゃぐちゃダンジョン

 新しいスキルを確認し終えて、痛む体に鞭を打って動き始める。


 魔物と相対することもあったが、正直言って相手にならなかった。

 自分よりレベルの低い魔物と戦っても経験値は微々たるものだし、レベルが上がったおかげで兎どもの攻撃は無効化することができた。


 そんなこんなして、最後の階層に続く階段につき、「シャッフル」はきっとダンジョン入場時に発動するスキルなはずだから、今回は大丈夫だと盛大にフラグを立てて階段を下って行った。



 そしてすぐ、フラグ回収するように自分の体はどこかの階層に強制転移された。



 ☆☆☆☆☆


『兎住まう楽園、2階層に転移しました。』


 そんなシステム音を聞き、大きくため息を吐いた。


 ☆☆☆☆☆


 もう一回通った道なので、やけくそ気味に自分自身を鼓舞して、出会った魔物は瞬殺し、次の階層への階段に向かって一直線に進んだ。



 結果から言おう。

 このダンジョンはシャッフルされた結果、

 4階層→2階層→3階層→1階層→5階層(ボス部屋)だった。



「なんで同じダンジョンをこんなボロボロな状態で2周もしないといけないんだよ。」


 そんな叫びが、誰もいないボス部屋の門の前でこだましていた。



 途中、逆走してみたらどうなるのか気になったので逆走してみたが、一度シャッフルされた階層は変化しないみたいようだった。

 3階層から1階層に転移した場合は、逆走すると1階層から3階層に転移する。

 ダンジョンボスを倒して脱出した後、もう一度ダンジョンに潜ったら階層がシャッフルされるのか気になったが、今はもうボスを倒して家に帰って寝たい。

 検証は後からでもできると思ったので後回しにすることにした。


 門前で少し休憩した後、門を開きボスと対面した。

 奇襲攻撃もないし、任せるパーティーメンバーもいないので即指さしロックオンと4度呟いた。


 ♡♡♡♡♡

 名前:ボーイラビット

 Lv:5

 HP:5/5

 MP:0/0


 STR:15

 DEF:5

 INT:5

 RES:5

 AGI:3

 DEX:3

 LUK:0


 こいつは2階層に出てきた兎だ。物理攻撃力特化だけどレベルが低くAGIが1しかない悲しい魔物だった。STRが強化されている。


 名前:マザーラビット

 Lv:5

 HP:10/10

 MP:2/2


 STR:10

 DEF:10

 INT:5

 RES:15

 AGI:3

 DEX:3

 LUK:0

〈魔法〉「ラビットヒール」MP2


 こいつは3階層に出てきた兎だ。魔法防御に特化している。レベル、ステータスに変化はないが、新たに魔法を覚えている。見た感じ一回しか使えなそうである。


 名前:ファザーラビット

 Lv:5

 HP:15/15

 MP:0/0


 STR:5

 DEF:15

 INT:10

 RES:10

 AGI:3

 DEX:3

 LUK:0


 こいつは4階層に出てきた兎だ。物理防御に特化している。魔法を覚えていない者にとって倒すのが大変な相手だった。




 そして、最後に1階層で出た「ベビーラビット」が成長した姿だと言われている。


 名前:ガールラビット

 Lv:5

 HP:5/5

 MP:20/20


 STR:3

 DEF:5

 INT:3

 RES:5

 AGI:15

 DEX:3

 LUK:3

〈魔法〉「ラビットラブ」MP5


 ♡♡♡♡♡


 計4体の魔物を称して、ラビットファミリー(ダンジョンボス)と掲示板では言われていた。

 注意するべきなのは、ラビットガールの魔法「ラビットラブ」である。

 効果時間は短いが、自分以外の周囲の兎型魔物のステータスをすべて1上昇させるという物だ。


 まあ、本来なら気をつけるべきなのだが、ボーイラビット以外の攻撃はレベル差のステータス暴力により無効化してしまうので、正直言って消化試合だった。



 初手に、無鉄砲に突っ込んでくる足の遅いボーイラビットの突進を避けて、一撃で倒す。後はダラダラと歩き回り、残りの兎狩りを行うことで、あっさりとダンジョンボスを倒した。時間にして3分。弱かった。


 全員ぶっ倒したことで、宝箱と転移陣が出現した。ボスなので魔石と素材のドロップは無しだ。


 宝箱は、木の宝箱だったのでなんも期待せずに雑に開けた。

 中身は「ファザーラビットの毛皮×5」だった。


何故分かるのかというと、これもまたスキル表示外スキルによって調べられるのだ。

簡単に言えば、素材に触れて【アナライズ】といえばどんなものか表示されるのだ。

表示を消すには、素材を放せは消える。



 こうして、初ダンジョンの挑戦が終わった。

 転移陣で戻った際にご高齢の協会員のおじさんに、頭の包帯と破れた服について心配され、自身の着替え用に持ってきた服を貸してくれた。攻略おめでとうとも言ってくれた。


 今まで生きてきた中で一番、心があったまった瞬間でだった。

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