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七番目の勇者  作者: 芝ッフル
一章 夜の女王
8/30

第六話 作戦

遅くなりました。四天王のキャラが思いつかないんです。

「ふい~。終わったぁ」

「勇者様!ありがとうございます!」


 騎士たちが追撃を仕掛ける中、私は負傷兵の治療を行っていた。そこに、一人の回復魔法士が話かけてきた。


「エル、、、勇者様、魔力は大丈夫なのですか?いざというときの為、残しておかなくてはならないのでは?」

「あはは、メロルは心配性だなぁ。これくらいなら大丈夫だよ?それより、呼び方、昔みたいにエルカって呼んで欲しいな。勇者様だと疎外感感じちゃうから」


 メロル。昔は一緒に教会で過ごしたこともある聖女候補の一人。とはいっても私のいた教会じゃなくて、別の町の教会に所属していた子だけど。

 いつどこに勇者が現れるかはわかんないから、国の首都やそれに並ぶ大都市にはだいたい2、3人の聖女候補がいるの。メロルはその一人。


「では、、、エルカ様と呼ばせて頂きます」

「まだ固いなあ。ま、10日はここにいるんだし、徐々に昔みたいに呼んで貰えるようにすればいっか」

「敵の指揮官は倒したのですし、もう行ってしまわれるのではないのですか?」

「違うよ。ここの指揮官は倒した。でも、前線が荒れているからといって、指揮官が前線に自分から出てくるようなバカな軍に負ける程、うちの軍は弱くないよ?」

「、、、つまり?」

「魔族軍にはそんな指揮官だろうとうちの軍を追い詰めさせられる、優秀な副官がいるってこと。今回のだって邪魔な指揮官(上司)を殺させるためにそそのかしたのかもしれないしね」

「、、、負ければそれでよし。勝てば褒めておだてればよし。その副官にとってはどちらでも良かった、そういうことですか?」


 私はうなずく。


「そう。そんなの居たら、今後も人類側(私たち)は苦労させられる。だから、勇者()がいるうちに叩けるだけ叩いとくの」

「なるほど。では、後方は私たちに任せ、全力で魔族を打ち負かして下さい。期待していますので」

「うん。期待されてるよ」


 私はしばらくメロルと会話したあと、医療棟を後にした。この後、作戦会議があるから。時間は限られている。有効に使わなければ。







 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 3日後、とある陣営内でーーー




 時刻は12時頃。常闇の中、銀髪の少女が()()に座っている。時折椅子が身動ぎしているが、気のせいであろう。

 月明かりに照らされた少女は肌白く、まさしく絶世の美女とも言える美貌をほこっていた。ただ、いささか白すぎる気もしなくもないが。

 少女は片手に持った幾枚かの報告書を読み、もう片方の手では赤い液体の入ったグラスをユラユラと揺らしている。揺らされ、ちゃぷちゃぷと音を立てるその液体は、ワインに見えなくもない。


「キャハ☆あの筋肉達磨、死んだんだぁ~。指揮官の癖して自分から前線に立つとかぁ、ぶぁっかじゃないの~?そんなんだから四天王になれなかったんだよ~?フィジカルだけじゃ、上には立てないのっ☆、、、んで、残った指揮官君が、勇者相手に頑張ってると。さっすがポポリン様ンとこのお弟子さんだね~。フフッ☆」

「キャロル様」


 鉄のような匂いが充満する部屋の中、赤い液体を舐めるように味わう少女に、燕尾服を着たがたいのいい男が声をかける。

 だらけ、歪な形の椅子に座る少女。それに対しぴっしりと姿勢を正す燕尾服の男。二人の間にある上下関係が垣間見える。


「ん~☆犬3ゴー、どうしたの~?」

「犬8号からの伝言で、『準備が整った』とのことです。」


 犬3号と呼ばれた男は、気にせず報告を続けた。男にとっては、それが今の自分の名前だから。


「へぇ~?へぇ~☆そっかぁ。じゃあさ、勇者ちゃんの作戦、邪魔しちゃおっかぁ☆前線の軍を見捨てるか、後方の平民を見捨てるか。キャロルんたっのしみぃ~☆」


 少女は書類をばらまき、赤い液体の残ったグラスを手放す。散らばる書類や赤く染まった絨毯などには目もくれず、椅子から立ち上がると、そのままつかつかと歩きだす。部屋を抜け廊下を抜け、壮大かつ絢爛に作られた陣営の扉を開け放つ。


「でんれ~☆魔獣部隊とぉ、歩兵部隊はぁ、、、キフトルに出撃ぃ!!!がぁんばってねぇ☆☆」


 月夜に八重歯を輝かせ、コーメルム王国の大都市への襲撃を命じる少女。その紅い瞳には、人類に対する憐憫などは欠片もなかった。


「あっ犬3号、キフトルに送っといた残りの犬どもに襲撃めーれーだしてきて?ついでに自爆もさせちゃおっか☆どうせ犬はまた作ればいいしぃ?ってことで終わったら自爆させといて☆レッツ撹乱☆撹乱っ☆」

「かしこまりました」












 この夜襲により、キフトルは滅びた。

コーメルム王国は勇者の出身国です。


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