伝説
暗号解読回。今回もレイとレイシャさんが活躍するそうですよ!
今日は休日でしょうか? 伝説に挑戦! ワクワクしちゃいますね! 楽しい一日を!
ではでは。
レイの朝のとある光景。
おれはとある日課をしている。メイドの観察である。
メイド萌え。ごめんね。おれには一生無縁かと思っていたのだけれど、どうやら、そうでもなかったらしい。
一生懸命働いている人って良いよね! こっちまで身が引き締まるというか。
うん。何というか、メイドさんが制服を来て、働いているところを見ると、ホッコリするんだよね!
*********
*メイドさん視点。
「お嬢様、レイさんもしかすると、メイド服が好きなのかもしれません。」
「そうなのか。じゃあ今度試してみようか。」
「私の予備お貸しますよ! 今夜でも、アタックしてみてください。」
「よし! やってみようか!」
意気込みながらも、拳を握りしめ、顔を赤らめるお嬢様は今日も可愛らしい。
私とあまり変わらない年齢ながら、立場を越え、仲良くさせて頂いている。
もちろん、卸したての新品を差し上げるつもりだ。
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*チョイえろです。苦手な方は飛ばしちゃって下さい。
お月様がお空のてっぺんに顔を出した頃。
「レイ。その、どうだろうか。」
扉からめいどレイシャさんが、そろそろと入ってきた。
ワオ。かわええ。
「凄い! 似合ってますよ!」
「レイはこういう格好が好みなのか。たまにはこういうのも悪くないな。」
「メイド服が好きなのか?」
「特にこだわりはないですよ。レイシャさん。」
「じゃあ、マリア(メイドさん)が気になっているのか。」
「いやあ。プロフェッショナルな彼女がかっこいいなって思ってましたが。あれ。おれの視線気づかれておったんですね。うわあ。不快に思われてないといいな。」
「その点では心配はない。」
何やら意味ありげに見つめてきたレイシャさん。
ようやくおれは察する事が出来たのだった。
「レイシャさんは普段通りが一番かわいいですよ! いつもちょっとお堅いのに、こういうふわふわした、ネグリジュが好きなんだな~、とか。それにいつも恥ずかしげに振る舞うのが女の子なんだな~、とか。とにかく、ネフェルさんさえ良ければ、自分の両親に、すぐにでも自慢したい彼女ですよ!」
その時のレイシャさんの顔は想像するのに難くないだろう。
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*失礼しました。こっから本編始まります!
伝説の秘薬がある。その情報が入ったのが先日の事だ。
レイと2人、ゴルディオン洞窟まで、朝から飛ばして来ている。
「レイシャさん、本当にこの扉で良かったですか? くうう。暗号とかわかんないよ~。」
「文献の、記載されている場所はここで間違いない。しかし、合言葉の詳細がないのだ。どうしたものか。」
「ええい。ダメもとだ! 開けごま!」
それでも扉は開かない。
「よし、ケリ破ろうか!」
「ダメ! ちょっと待って! ケガしちゃうだろ!」
「目的の為なら、この足一本くらいくれてやろう!」
「後、5分! 時間を頂けませんでしょうか!」
「お、おう? もちろんだ。」
何よりレイシャさんの健康が気掛かりなおれは、必死に説得と同時に、知恵を巡らせる。
ゴルディオン、どっかで聞いたことがある。あれは、ネットサーフィンをしていた、日曜の午後。
何かの伝説の発祥地・・・。
おれの2年前、興味のあった国。トルコ・・・。
突如、当時の光景が目に浮かんだ!
ギリシャ神話に登場する、ミダス王。彼だよ! ヒントは! 黄金の手のゴットハンドの人!
そして、肝心の合言葉とは!
「王様の耳はロバの耳!」
かくして、扉は開けられたのだった。
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先ほどのやり取りで、レイシャさんは脳筋だと思っただろう。
でも、だからこそ、そこまで、必死になる彼女が可愛いのだ。
なぜなら、彼女はおれと一緒になるために、暗殺者をやめたのだ。
そして、この入れ替わりの問題に何としても決着をつけるため、わが身さえ犠牲にしようと言うのだ。
でも、おれはそれはそれで悲しかった。
理由があったとして、正当化されたとして、愛する者が傷付くのを黙って見ている者がいるだろうか。
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目的の物は直ぐに見つかった。
手に取ったレイシャさんの肩が小刻みに震えだす。
「レイ・・・。」
「どうした? レイシャさん?」
「これ、消費期限、500年前だ・・・。」
「そっか。じゃあ、しょうがないな! また、頑張ろうぜ!」
何とも頂けない虚無感、それをグーパンで振り払うおれ!
レイシャさんはひざまずいたままの姿勢で、おれを見上げて、どこか嬉しそうに微笑んだのだった。
ちなみに、伝説の洞窟情報はレイシャさんのご友人が調べてくれたそうです。
ううん。やっぱこの世界観は平和ですね。




