宴会
続投です。にぎやか回。笑顔になりたい時にでもどうぞ!
長めの構成です。お時間にはお気を付けて! コロナにも!
どんと行きますよ! ワッショイ♪ ではでは。
昨晩の事である。ネフェルさんの能力が安定して来たので、ベットインとしゃれこんだ。
ネフェルさんの魅力を語り尽くすには、いくら時間があっても足り無い。尺の都合上、手短に話そうではないか。
「ネフェルさん! 大好きだ~!」
「おい、そんなに抱き着くな。レイ。そんなに私と致すのが嬉しいのか。」
お互いに気遣い合い、温かな身体と心を重ね合う2人。おれの獣がスタンピードだぜ♪
「レイシャさん・・・。」
「レイ・・・。」
淫らななどと卑しい言葉にまるで当てはまらない、2人の愛がそこにあった。
んん。よく見ると目の前に自分の顔が。
「お、おい。まだ起きているか。レイ。その、だな。期待に応えられず申し訳ない。」
「レイシャさんこそ! 大丈夫だよ! おれたちが本気で解決策を探したら、向こうの方から駆け寄って来るに違いないよ!」
「待て。レイたまには私にも言わせろ。2人の愛ならでは、だろ?」
「さっすが。分かっていらっしゃる!」
寝室の窓を突き抜け、愉快な2人の笑い声が夜空に響き渡った。
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*今回はアーサー王お休みです。多分、夏バテ。
「アレク、今晩何かあるのか?」
「クックル~♪」
ついて来いってか。(アレク:ティラノサウルスのサイズの孔雀。おれの前世からの相棒。)
じゃあ。行きますか! 夜って何かとテンション上がる! 絶好調の予感だ。
おれはアレクに飛び乗ると、目的地へと向かった。
屋敷をたって少しばかりたった頃だろうか。アレクに差し出された、観光用のパンフレットに目を通す。
外出中は目的地にたどり着く途中の道中もワクワク感があって楽しい♪
どうやら、おれのポジサイコ魂が熱を帯びきたようだ。いくらアレクの移動速度がスポーツカー並みだって言ったって、収まりそうもないんだぜ。
おお、あれがスクーグシュルコゴーデンか!(別名:森のお墓)
青い開けた芝生と、十字架がおれたちを出迎える。
みんな大好き、ゾンビ祭りだ! レイシャさんの事も大好きだ~!
(ずんどこ・ズンドコ。ドンチャン、チャン)
「ちょっと、そこのエジプティ~なミイラさん! この祭りって生者も参加して良いのでしょうか?」
「もちろん大歓迎さ♪ しかしだなお嬢ちゃん、夜更かしはお肌の美容の天敵だぜ。」
「まあまあ。今夜は無礼講といきましょうや!」
「はは、これは愉快な嬢ちゃんだ。良かったら、このデーツを持っていけ。」
「どうも~♪ ってうんめえ~。日本では高級食材だよこれ。しかも肉厚。ありがとう。おじさん!」
「祭り楽しんでもらわねえとな!」
うら若い乙女と今知り合ったばかりのミイラおじさん(?)との気さくな会話。どこかの国では見慣れない光景がそこにはあった。
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「お~い。アレク、向こうにジンジャー飴の屋台が!」
おれってば年甲斐もなく、大奮起! だってさ。ミイラにゾンビにスケルトン、闇の住人たちが勢ぞろいのとこってテンション上がらないわけが無い!
アレクがお財布を見てソワソワしていた。
「おいおい。アレクさんや。おれも最近は市場のお魚屋や青果店で売り娘やってんだぜ。」
アレクは誇らしげに、クルルと喉を鳴らしたのだった。
猫耳喫茶だと! 何てけしからん。おれはコスプレをするべく、店に飛び込んだ。
「アレクちょっと待っててくれ。これは火急の用だ!」
へいへい。ちょっと一人で遊んでくるよ。そう言っているようだった。
お祭りの会場の中ばかりの所に、思いがけない出店があった。これは人々の夢を叶える店に違いない。
レイシャさんの身体のターンの時にちょっとやって見たかった事をすることにした。
そう、コスプレなんだぜ。
金髪、碧眼、スレンダー美女とくれば、踊り娘風、ペルシャ猫かな。鏡を覗き込み、白い三角に品よく整った、猫耳と、ふさふさ尻尾をフリフリしてみる。(異世界はすごいんだぞ。生き物みたいに動かせる。)
思わず、鏡をのぞき込む。鏡よ鏡。世界で一番美しい女性はだれ? レイシャさんだろ。
異論は認める。人の好みはそれぞれだ。
やべえ。純白のハーレムパンツに、衣類に刻まれた青い刺繍が蛍の光のように、淡く輝く。
おれは、そのまま衣装をレンタルし、何枚かレイシャさんに内緒でブロマイド写真を撮ったのだった。
(もちろん、レイシャさんには秘密だ。墓までもっていかねば。)
背後で、木々がざわめき、フクロウが夜空に飛び立った。
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(ジャン邪か、蛇・邪・邪、ジャンジャン邪霧♪)
愉快なBGMに合わせ、ワッショイ、ひゃっほいおれはクルクルと踊り周る。
「お嬢さん、うまいね!」
「お兄さんも、スケルトンヴァンパイアコスにダンス、センズ感じますよ!」
グールが呻きながら、アクロバットをきめていた。生前、サーカス団にいたのだろう。
「皆さん、めちゃくちゃ元気ですね。」
「分かるか! 一年間眠り続けて、今晩の活動エネルギーを墓の下で蓄えていたのだからな!」
気さくに答えてくれて、ありがたい。というか、今日一日の為に、みんな一年間楽しみにしていたのか!
道理で、生者よりもエネルギーを感じた訳だ。これはおれも負けてられないな!
うっしゃ!
「う~い。ていうか、このウォッカおすすめのブレンドは? Bプラスって何ですか?」
「防腐剤の頭文字のBだが?」
あぶねー。ストレーテョでいいんやら。
「何か、分らん事あったら、みんなに聞きな。みんな気の良い連中ばかりさ!」
「ふああい・・・。」
踊りつかれたのだろうか。お酒も回ってきたおれは、アレクに家まで送ってもらった。
朝、ベットから降りると、レンタル衣装の追加料金表を片手に、レイシャさんが眉をひそめて立っていた。
しまった。写真受け取り損ねた! 後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
「称号は勇者ですが、中の人変わった方がよさそうです」に入れたかった話を思い出しました。
ただ、限りある16話の中には入れれなかったなあ。
う~ん。なんかオリンポス12神的な話ってロマンスですね。新作で構想中です。
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