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軽音部のヲタク隠し。  作者: bemi
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軽音部のヲタク隠し。

初投稿になります。

ヲタク呼びをしている人がヲタクに理解がある、ヲタクそのもの人間で

オタク呼びしている人が非オタ、理解がない人間となります。

梅雨終わりの小雨の夜


少し雨が部屋に降り注ぐのに何故か網戸にして憂鬱に耽っていた…



「ーーー好きな作品が終わった後の喪失感をどう埋めようかな…」




「ふぁ〜ぁ」

俺の名前はヨシタカ タカヒロ、2年前に少し引きこもりになりヲタク化、元はラノベの事をオタク小説とバカにしていたがいざ自分が引きこもりになった時の娯楽として試しに読んだ物にこんなにハマる物とは思わなかった。


「おっは〜タカ」

「おう…って姉ちゃんもやっぱ寝不足かよ」

「だって昨日最終回だったじゃん!タカも見たでしょ!一緒見ようって誘ったのに『いや、俺は1人でみる、邪魔しないで』っていけ好かないこと言って〜。」


俺の姉のミズミ、俺をこんな風にした諸悪の根源だ。

全くこの人が俺にラノベを勧めなければヲタクにはならなかったのにな。


「そう言えばタカトは〜?」

「タカトはもう朝練に行ったよ、眠れなかったから弁当も俺が持たせた。」

「ほぉ〜ん、、、頑張る弟にそれを応援する兄!出来る弟を2人も持ってお姉ちゃん感激!すっき〜!」

「はいはい…姉ちゃんの分も作ってるから。」

「えぇ〜!もう好き!大学入ってからも作って!結婚して!」

「いってきまーす」

「まっ」


バタン!

喪失感に追われて眠れなかったなんて言えないわ。

ブラコンだなぁ…俺も人のこと言えないけど。




「おい〜!待てよ〜タカタカ!」

「なんだツバサか。おはよ。」


ちなみにタカタカというのは俺のあだ名だ。正直気に入っている。


「なんだってなんだよ!早くから珍しいな!」

「お前朝練は?今日ないのか?」

「今日大会に向けてのミーティングだけだから先輩達だけで集まってんだよね〜、そっちは?何故に早いん?」

「なんとなくだよ。眠れなかっただけ。」

「別に軽音部の活動でもねぇのかよ、せっかく朝はえぇし駅前のパン屋いかね?昼飯買っとこうぜ!」

「昼に冷たくなったパン食うのかよ、まあいいけど。」

「さんきゅ!」


こいつはハネザキツバサ。同じクラスのサッカー部。陽キャだ。


「しっかし今聞くのも今更だがなんでサッカー部入らなかったんだ?お前、中学ん時に試合でお前らのチームと当たったけど強かったじゃん。高校入るまでタカタカの名前知らんかったけど。」

「別に、大した理由はないよ。」

「はーん、もしかしてお前の姉が部長やってるから軽音部入ったのか?シスコンだなぁお前〜」

「そんなわけないだろ、でも軽音も楽しいよ。」

「だよなぁ〜しかもお前のねぇちゃんオタクだもんな、お前オタクっぽくねぇし。」

「そうだよ。姉に憧れてなんかねぇし。ただなんか部活に入るに都合よかっただけよ。」


嘘です。結構姉のこと好きで軽音部入りました。

しかしヲタクだと知られているのに人気だよなぁ姉ちゃん。羨ま…しくねぇし。顔がいいからか?くそう


こんな感じで中学の時はサッカー部だったから周りの連中が陽キャばかりであった為、俺が実はヲタクなんだとは言えないわ。




〜電車の中〜


「あそこにいるのってさぁタカタカ。」

「ん?あぁコトウさん…かな?」

コトウナオ、同じクラスのヲタクだ。顔だけ言い分こいつも姉ちゃんと同じくそこそこ人気がある。

「コトウさんおっは〜!」


ハネザキまじか、話しかけるのか。どこまで陽キャなんだ。


「え?あ!ハネザキくん!おはよ!」

「コトウさん何読んでんのよ。」

「これ?これね!俺の青春は転生しても変わらない。ってラノベでね!おれのせいって言って昨日最終回があって〜読み返して改めて神作品ってわかって特に主人公の決断が、、、etc.」


はい俺も昨日見ましたー最終回ガン泣きしましたありがとうございますー


「まじか!でも俺マンガしか読めねぇから!なんかスマン!」

「なんで謝ってんの〜別に私も自身の趣味を無理強

いはしないよ〜」


ハネザキは良い奴だなぁ〜ヲタクを毛嫌いしないなんて、それともコトウが可愛いからか?


「あ!ヨシタカくん!おはよ〜」

「おう、おはようコトウさん。」


やっぱ可愛いなコトウさん。全力で昨日の最終回を語りたい。


このまま電車での会話はクラスの話題となり、他愛もなく学校まで着いた。てかコトウさん陽キャに対しても適応能力高いな、これが上級ヲタクか。




〜学校〜


俺らの通う学校、南七垣聖学院高校。通称七学。

中学の時の奴らから少しでも離れたくて若干遠い高校を選んだ。別に姉がいるからじゃねぇし、ちょっと都会っぽくて偏差値もそこそこだから通ってるだけだし。うん。


「あ!ナオ〜!D3の新ガチャラインナップみた!?星クリストファー陸斗の水着バージョンだよ!?課金不可避!!!」

「おはよ〜。みたみた!それじゃハネザキくん、ヨシタカくんじゃね。」

「うっす!」


朝から女子ヲタクグループの会話も濃ゆいなぁ。

女性向けソシャゲについては分からんけど新ガチャって心躍るよな、わかるわかる。俺のやってるのも今日新ガチャだし。


「ハネザキ、タカタカおはよ〜。なんでコトウさんと一緒に登校してんだよお前ら。」

「うっすカワハラ、ヤマギシ。電車が一緒だったからだよ〜羨ましいか!」

「羨ましいよちくしょう。」


カワハラトウカ、俺と同じ軽音部。

ヤマギシミキト、バドミントン部。

カワハラはガチガチの音楽バカでヤマギシは小柄の癖に筋肉バカだ。


「タカタカ今日は俺バイトあるから部活いけねぇわ!スマン!」

「スマンってもどうせ部室でぐうたらするだけだろ。別にいいわ。」

「二学期の文化祭出るためにバンドメンバー集めようっていったろ!?声かけようぜ〜」

「どうせ2、3年に枠取られるって部員数多いし。」

「何のためにお前をバンドに誘ったってんだ。部長によろしく頼めよ〜」

「同じクラスで友達のよしみじゃないのかよ、下心ありすぎたろ友達やめるぞ。」

「はっはっはジョークジョーク、やめないでくれ。」

「暇なら僕とトレーニングルームへ行かないかタカタカ。僕が許可とるからさ。」

「ヤマギシお前部活休みでも筋トレってどうなってんだよ。」


ヤマギシはガチで筋肉バカだ。なのになんで学年TOP10の成績なんだよズリぃな。


「どっちにしろ部室に用はあるから筋トレは行かねぇよ。」

「勧誘頼んだぞ〜!」

「はいはいやってはみるよ。眠いから寝る。」


友達にも囲まれて徹夜でアニメ見てたのも忘れてたわ、ちゃんとした高校生活歩めてんのかな俺…

安定して…平穏に…




キーンコーンカーンコーン





「…」

「……」

「………っは!」

いかんいかんホームルームまで寝てた…授業中も殆ど寝てたな、1回も起こされなかったけど、どんだけ影薄いんだ俺。


「ん?」


寝そべってた机の右奥になんか紙がある。

「タカタカいい寝顔だったから起こさなかったぜ♡ 勧誘よろ! カワハラ」

ふとスマホを見るとLINEには俺の寝顔の写真が送られていた。いらんわ。

ったく起こしてくれよ…ってか今5時過ぎじゃん!やべ!部室いかなきゃ!




〜軽音部部室〜


やっべ〜怒ってるかなアキさん…

ガラッ


「ん?タカヒロ!遅い!」

「ひぇー!すんません!ちょっと野暮用があってですね」

「嘘つくな!お前が寝てたのをお前教室で見たぞ!」

「ぎゃーすいません…って教室まで来たなら起こしてくださいよ!」

なんでどいつもこいつも先輩も教師も起こしてくんないんだよ…人として自信無くなってきたわ…泣

「うるさい!遅れた罰としてジュース買ってこい!マッチな!」

「了解で〜す。」


とほほ…自販機まで遠いんだよなぁここから…


オオモリアキ、2年生。多分軽音部新部長候補去年の文化祭の打ち上げで姉が家に連れて来たから顔見知りではある。この人も俺の姉に憧れて軽音部入った…らしい。


「サンキュ!わざと起こさなかった甲斐があったわ〜。」

「この為にわざと起こさなかったんですか!してやられたわ!」

「してやられたって自分で言ってんの初めてみたな〜ははっ」

「んで?なんで今日俺を呼んだんですか。」

「あ〜これこれ、切れてしまってな、弦変えてくれ。」

「なんで毎回毎回自分で変えないんですか!店に持ってったら金かかるからっては分かりますけどいい加減自分で覚えてください!」

「わかってはいるだけどな〜自分で1回は変えようとしたんだよ、あの弦を絞めるときのキチキチって音が苦手だし、回しすぎてバチン!ってなった時がどうもな…」

「あ〜、俺が初めてアキさんの弦変えた時キャッ!って可愛い声だしてましたね。」

「黙れ黙れ!お前をミズミさんの弟と見込んで頼んだら1本無駄にしやがって!」

「だから弁償したじゃないですか…」

「そうだったっけか?はっはっ」


男まさりな性格からかあの時は少しドキッとしたな…ギャップ萌えってずるいな。



「…」

キリキリ


「…」

パチッ


「…」





気まずい!!!!!

なんで話してくんないんだ。いつもは気軽に話してくれてるのに…なんか話題話題。


「そう言えば姉ちゃ…ミズミさんとか他のメンバーは?」

「あぁ、3年生殆ど受験勉強だし私のメンバーとかの他の2年は2学期になってから本気だすらしい。」

「へ〜先輩は弦を弾き散らかすほど暇だったんですね。」

「暇ではないぞ!用事が音楽だっただけだ!」

この先輩は他校との生徒とも組んでバンドをしているらしい。カワハラとは仲良くなれそうなほど音楽バカなのか…あっ

「先輩?頼み事していいですか?」

「おう!なんだなんだ珍しい。」

「文化祭ででるバンドなんですけど、俺と組んではくれませんか?」

「ほぉ〜う?でもうちはこう見えて文化祭では3年とのバンドもあるし2年バンドではほぼ声を掛けられててな〜他校とのバンドもあるし忙しいんだよな〜でもどうして」

「そうですよね…忙しいですよね、すいません。」

「えっあっあぁ!でもな!忙しいつってもアイツら練習をはじ」

「他を当たってみます!文化祭自分達で出れるよう頑張りますね。」

「おぉ…うん。」

そんなにバンドしてるとは思わなかった。負担を増やさないようにしよう。

「はい、終わりましたよ。」

「おぉ!早かったな!さっすが〜!」

バシバシ

「痛いです先輩。ピックアップの細部まで掃除したから1回アンプ繋げてチェックしますね。」

「頼んだ。」


それにしてもフレットまで結構汚れてたな…使い込んでるんだろうな、好きなんだな、音楽。


〜♪

「お前やっぱ結構ギター上手いな。」

「そうですか?ミズミさんに教えて貰っただけですよ。」

「それにしてもだよ。歌はそうでもなさそうだけどな。」

「うっさいです。」

「ははは!もしお前とバンド組む時はうちが歌ってやるよ!」


悔しくもこの人の歌声は上手とは言えないが人を惹き付けるものがある。ロックンロールってやつかな。


「ありがとうございます。来年頼むかもしれません。」

「その時は任せろ!弦ありがとな!」




〜帰りの電車〜


ふぃ〜今日も疲れたなぁ〜大半寝てたけど。

この運動部の帰る時間でもない。退勤ラッシュでもない。帰宅部ラッシュの時間でもない。誰もホーム並んでない時間。

嫌いじゃないけどなぁ…昨日の最終回思い出してまた喪失感出てきた…悲しい…


いかんいかん、でも友達と話してるときとか楽しかった。群れると人は弱くなるって言うがその通りだな。


でも素で話せる、趣味を話せる友達が欲しいかなやっぱ。姉だけというのはちょっとな。


ガタンゴトン〜プシュー

電車が来たな、よし

1人でいる時ぐらいヲタクに成らせてくれ!

イヤホンを取り出し、俺は大人気ソシャゲFGODファンタジアゴッドをやろうと思い横画面にした。

よくある神とか歴史上の人物とかを美少女キャラにして戦わせたりするゲームなんだが、なんかこうストーリーがな?よかったりな?キャラの掛け合いとかも…わかるよな?

ソシャゲってのはいいな、終わりがサービス終了ぐらいしかないからな、喪失感が特にない。

確か昼休みにヲタクグループの奴らが新ガチャ引いてたな、全員爆死みたいだったが俺は違う!この日の為に100連強の石を貯めてきた!頼む出てきてくれアフロディテちゃん!!!!!


画面を横にしてアプリを開こうとした瞬間…!


『ファンタジアゴッド!!!』←めっちゃ萌え声



プチッ

うぎゃああああああああああああ

イヤホン壊れてんですけど!は?は?

イヤホンしてると思ってたから最大音量でやってたんですけど?

まあ、落ち着け、うん。

周りには誰も…誰…も、え?



「ヨシタカ…くん?」


コトウさんだ…終わった。

こんなことで…

こんなしょーない形で


ヲタバレなんてしたくねぇーーーーー!!!!!



ご愛読ありがとうございました。

この物語は主人公を元にただの高校生活を送るだけの物語となります。ヒューマンドラマ、ラブコメももちろん入れます。

作者私自身の妄想物語の為とりあえず飽きるか完結するまでは描きたいと思っております。


改めて読んで頂き、ありがとうございました。

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