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第5話 教会と自分のステータス、1




「「「「おめでとうレイン!」」」」


 僕は今日、誕生日を迎え5歳になった。

 この世界では20歳になるまで誕生日祝いは毎年するものではなく5つ歳を重ねる毎にするものである。

 そして朝、僕の部屋にあるフカフカのベッドから起き上がり、部屋の扉を開けた途端、お母さんとお父さん、お兄ちゃんとお姉ちゃんが同時に祝ってくれたのである。


「ありがとう。でもお父さん顔がにやけ過ぎ。」


「そりゃあ、我が自慢の息子が5歳になったんだもの、当然だろ!」


 にやけるのは当たり前のようにお父さんが言ってくるが、それにしてもイケメン顔が台無しである。

 お母さんもそんなお父さんを微笑ましく見ているが、執事達は諦めた感じで「これは無理です、どうしようもありません。」と首を捻っている。


「ふふふ、今日は教会に行くわよ。支度なさい。レインはどのくらいの属性を持ってるのか、楽しみね。」


「俺を差し置いて風の精霊と契約したって事は風の属性がある事は間違い無いんだろ?」


「ほんとよ。まだ私も契約してないのに。」


 おっと?何故、朝っぱらから愚痴を聞かなければならないんだ?兄のシリウスと姉のルーは2日前に学園から帰ってきた。

 帰ってきて僕が風の精霊と契約した事を知るや否や、僕のところに詰め寄ってきて色々と言われたものだ。

 いや、でも学園に入学時に精霊と契約している学生は珍しいけど中等部に進学したらほとんどが契約しているって聞いたけどどうなんだろう?


「貴方達、レインに対する愚痴になってるわよ。そこはレインが異常だから諦めなさい。」


「お母さん、異常って。」


「私でさえも最初に精霊と契約したのは10歳になってからよ。レインは4歳で契約するなんて、まったく。」


 お母さんもこの事に関しては呆れ顔だ。

 うん、でも自分でも3歳で今まで誰も契約した事が無い風の大精霊と契約、うんおかしいね。

 自分でも理解しているけどシルフィが大精霊だって言う事10日前に知ったばかりだからね?

 仕方がないよね。


「それこの前からずっと聞いているよ。」


「あらそう?まぁ朝食を済ませて教会に向かうわよ。」


「は〜い。」


 やった〜、やっと解放された。

 そして僕達は屋敷専属の料理人が作ってくれた豪華な朝食を食べて、家族揃って教会へと向かった。



――――――――――――――――――



「これが教会?おっきいね。」


 現在僕は教会の前に立っており、その教会を見惚れている。

 僕は教会というと前世のその辺の街中にあるキリスト教の教会を創造していたのだが、今僕の目の前にある教会はマジもんの巨大な建築物であった。

 前世にあったなら、間違いなく世界遺産に登録されていたであろうその教会はヨーロッパ風の建築様式の建物であった。


「そうだろ?アルファス領最大規模の教会だからな。アルファス領は精霊達の加護がある土地だからな。キチンと精霊達を祀っているのさ。」


「レイン、いつまでも見惚れてないで、行くわよ。」


 お父さんに簡単に説明され、お母さんに急かされてその教会の中へと入っていった。

 そうだった。

 ここアルファス領は精霊の加護を受けた土地として知られており、その精霊を祀っている教会がショボい訳がないのだ。

 横にいるシルフィも「どうだ、凄いだろ!」みたいな感じで胸を張っている。

 いや、別にシルフィが凄いわけじゃないだろう。


「ようこそいらっしゃいました。領主殿。」


「久しいな神父殿。今回の用事は分かっているな?」


「はい、御子息様の神事とステータス確認ですね。準備が出来ています。さぁ此方へ。」


 恐らく父が前もって伝えていたのであろう。

 本来なら面倒な手続きがあると思われるが、僕達はそんなの無くフリーで入り口を通過して奥の広間へと向かった。


「うわぁ、中も凄い!」


 そこで見たのは天井ドームにびっしりと描かれていた精霊達と思われる壁画であった。

 これは間違いなく前世にあったら世界遺産決定だな。と思い上を見ながら歩いて行った。


「まぁ、初めて見たらそうなるわね。」


「私も初めて見た時はこうなりましたよ、ははは。」


「では、レイン様。これより神事を始めます。まず最初に此方へ。」


 そしてお母さんに行ってらっしゃいと背中を押されて、1人神父様が立っているところに向かう。

 そこには見覚えがある像が建っていたのである。

 そう、自分を殺してこの世界に連れてきた女神エリフィスの像であった。


「はい、ではこの水晶球に手を置いてください。」


「はい。」


「うわっ!!」


 すると水晶球に手を触れた瞬間眩いばかりの光が部屋全体を包み込んであったのである。

 そして僕はそのまま気を失った。


「久しぶり慶也君。いや、今はレイン君と呼んだ方が良いのかな?」


 しばらくして目が覚めた僕は聞き覚えがある声の方向を向いた。

 そこには相変わらずの真っ白なセンスの無い部屋に座っている美人のあの女神エリフィスがいた。


「あ、エリフィス様。久しぶりです。相変わらずの部屋ですね。」


「だから、私はこの部屋が1番落ち着くのよ。ま、いいわ。君を呼んだのはちょっと事情があってね。」


 なんか嫌な予感しかしない。

 この女神エリフィスはドジって俺に神雷を落としてこの世界に連れてきたほどだからな。


「事情?」


「実は転生する前に君の基礎値を少し上げとくわ。って言ったじゃない?」


「あぁ、そうでしたね。」


「実は、ちょっと上げすぎてね。他の神様からお叱りの言葉を貰っちゃったのよ。てへ。」


 小さく舌を出す仕草が可愛いい。

 いや、違う!「上げすぎた」!?嫌な予感しかしない。

 ってかエリフィス以外に神居たんだ?ってそりゃいるか。


「………それってどのくらいなんですか?」


「うん〜と。明らかにやばいレベルの力かな?山脈を破壊出来るくらいの。」


 ヒィィィーー!!俺そんなヤバイもの持ってたんかい!!確かにそれはヤバすぎ。

 山だけならともかく山脈ってどんなチートだよ、っていうかそれはもはやチートじゃなくて天変地異だよ。


「いやいやいや、怖い事言わないでくださいよ。そんな力望んでないですよ。」


「うん、だから呼んだの。今から力を吸い取るからリラックスして。」


 そういうと女神エリフィスは身体を寄せてきて手を僕の肩に置いた。

 なんかこういうのって緊張するが、自分は出来るだけ平静を装った。

 身体からなんか力が吸い取られていくのを感じる、これが魔力だと思う。


「はい、OK。これで少し他の人より多いくらいよ。」


「ふぅ〜。私が大精霊と契約したのもその力が原因ですか?」


 ずっと疑問に思っていた事を率直にぶつける。

 じゃないと説明つかないもんね、大精霊と契約するなんて前代未聞だよ?


「大精霊?あ〜あれは全く関係ないよ。ただ単に貴方の体質が精霊との親和性が極めて高い体質だからだよ。他の精霊とも契約するかもねぇ〜。」


「そうですか、なら良かったです。」


 関係無いのかい!俺の体質がどう影響するのか分からんが、ステータスを見ると何かわかるかもしれないな。


「うんうん、まぁこれで一安心。じゃあね。また話したいと思ったら私の像の前で祈ってね。また来れるから。ではさよなら。」


 そういうと俺はまた気を失った。

 そして気がつくと女神エリフィスの像に祈っている状態に戻っていた。

 どうやら俺は女神エリフィスに呼ばれて幽体離脱していたようだ。


「だ、大丈夫でしたか?凄い光でしたよ。」


「え?そうですか。自分には分かりませんでしたが。」


「そ、そうでしたか。いいでしょう。とりあえずこれで神事は終了です。これでステータスが確認出来るでしょう。ステータスと言ってください。」


「ステータス。」


 すると目の前に未来のパソコンみたいな感じのパネルが出てきた。

 そしてそこにステータスと書いてあり、俺の情報が全て書いてあった。


「うぉっ!出た。」


「はい、これがステータスです。ちなみに貴方に見せようとする明確な意思が無い限り他の人が見ても名前と年齢しか見えませんのでご安心を。」


「では、此方でご確認を。ご家族の皆さんは此方の部屋で。」


 そして神父から教えてもらった通り「ステータス解除」と言うとステータスと書かれていたパネルは消えて無くなった。


「そうか、じゃあなレイン。あとでパパにも見せるんだぞ。」


「ママにも見せてね。」


「レイン、絶対だぞ。」


「私のも見せてあげるからね。」


 家族みんなからの言葉に適当に答えてステータスをいよいよ見る。

 個人情報満載なので神父は何処かへと行ってしまった。


「う、うん。じゃあ後で。では、ステータス。」


―――


【レイン•アルファス】


性別:男

年齢:5歳

level:4

種族:ヒューマン

魔法属性:風•水•光•闇•雷•木•火•土•無

体力:430/430

気力450/450

魔力:1400/1400

知力:1250

所属:無し

状態:健康

スキル:精霊視、万物創造(Lv.1)、改編(Lv.1)

契約:風の大精霊

加護:女神エリフィスの加護


―――


 うん、色々とマズイ。

 全属性あるとか不味すぎだろ?それに契約に風の大精霊って書いてある!

 ん?そう言えば女神エリフィスが確か望むところを変える事が出来るとか言ってたな。

 よしちょっと変えよう。じゃないとマズイ。


「レイン様、大丈夫でしょうか?」


「あ、はい。大丈夫です。」


「そうですか、ではご家族は彼方の部屋にいますのでどうぞ。」


「あ、ありがとうございました。」


「おぉ!レイン、どうだった?ステータスは?」


「私も早く見たいわ!」


「僕も見たいよ!レイン早く早く。」


「シリウスお兄様ばっかりずるい。ルーも!」


「わ、分かったよ。ステータス。」


 そして僕は家族に一部書き換えたステータスを見せた。




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