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第34話 独立前準備

 


 レイン達が帰ってきてから暫く経った7月25日、この日アルファス家当主レイルズ•アルファスは新国家アルファス連邦国の概要を発表した。アルファス連邦国は連邦制を採用し、国を8つの州とアルファス家直轄地である皇領と自然保護区(聖域)に分割した。

 元々アルファス家によりそれぞれの領地を納めていた子爵達は正式にアルファス連邦の伯爵家となり、アルファス王家に仕える事となった。新たな試みであった軍と治安維持(警察)の分割は実行される事になり、国防を担う軍と治安維持を担う警察が誕生した。

 揉めていたのは人員だったが軍はキナ臭い周辺地域を考慮して8万5000名の兵力、警察は1万5000の人員でアルファス連邦の国防及び治安維持を行う事となった。軍は細かく分けて各州に各5000名の兵力、スフィア中央州とリヒト州にはプラス2500名の計7500名の兵力を拠点防衛の為、配備した。残り内の1万5000万の兵力は拠点防衛では無く機動防衛として機動部隊として配備する事となった。また、2万の兵力を海軍として振り分ける事も決定した。

 そして残った兵力5000名は聖域である自然保護区の警備担当となる事が決まり大精霊の許可はレインが取ってきた。

 当然、この案を提案したのはレインであり、この案は当時の自衛隊で行われていた機動防衛をヒントに自国風にアレンジを加えたものであった。ちなみに近衛師団は軍とも警察とも違う別の部隊という括りとなった。



 軍と治安維持の分割化は他の周辺諸国にも衝撃を与え、いくつかの国では検討がなされているが、どの国もアルファス連邦での結果を見て実行するか否かを決めるようである。ルクレール王国アルファス領の時は3万名ほどの兵力(領地軍)しか保有していなかった為、新たに軍と警察合わせて7万名の人員を確保しなければならなかった。

 募集は難しいだろうと考えていたが、いざ募集をかけてみると軍は6万人の募集で13万8000人の応募、警察は1万5000人の募集で4万人の応募がありそのお陰で人選が可能だった。そして新兵の訓練にはアルファス連邦軍だけではなくルクレール王国軍やルシタニア連邦軍も教官を派遣しており、現在急ピッチで戦力化が進められている。

 アルファス連邦は元々豊かな領地であった為、街道などの整備をそこまで行わなくて良かった、その為独立時に必要なのは軍の整備と外交関係の構築だけで済んだ。しかし外交関係の構築の問題は直ぐに片付く事になる。アルファス連邦は精霊の加護を受けている土地、精霊を女神エリフィスの使徒としているエリフィス教の総本山があるスイレン聖王国がルクレール王国に続いて国交を樹立すると周りの国々とも次々と国交を樹立し、エリフィス教諸国とは全て国交を樹立した。

 その為、独立時にルクレール王国から援助された独立祝い金や独立準備金が余ってしまったのである、その為そのお金は整備が急務とされた軍や警察に注ぎ込まれる事となった。



 この世界でも地球と同じように槍や剣•弓に代わる新しい武器として銃が開発された。開発された当時の銃はマスケット銃のような物だったが、各国は銃の開発に本腰を入れ始め1700年代のゲベール銃レベルまで進んでいた。アルファス領も潤沢な資金を元に銃の開発を進めており既に1800年代中期のミニエー銃レベルまで量産できるほどまでになっていた。

 当然銃と言っても地球の銃とは違い、火薬の代わりに魔力により発射するものであり、地球のより高価であった、その為国軍ならまだしも領地軍にまで配備するほどではなかった。しかしアルファス連邦国軍では潤沢な資金により銃を末端までの全部隊に配備させ、軍の強化を進めていた。

 軍の最高戦力として各国は魔法により攻撃する魔法師を最高の攻撃ユニットとして重宝していた、人なら誰でも自分の持っている属性魔法を使用する事ができるが精霊と契約すると遥かに威力の高い魔法を使用出来る。精霊と契約している魔法使いは精霊使いと呼ばれ魔法師団の人員の殆どが精霊使いであった。

 しかし精霊使いは貴重で中小国だと100人程度であり、ルクレール王国でも500人ほどであった。しかしアルファス連邦は精霊の加護を受けている土地、精霊と契約している人も多く、アルファス連邦軍での精霊使いは約800名とルクレール王国軍の約1.5倍であった。

 精霊使い1人と戦うには一般兵士100人が必要と言われており、単純計算でアルファス連邦軍はプラス8万の兵力がいる事になる。ちなみにアルファス連邦軍では精霊使いは全員近衛師団に所属しており、他と同じく軍の最高戦力と位置付けられている。ちなみに大精霊を相手にするなら一般兵士1万人は最低でも必要と言わられているが、1万人でも無理だとレインは思っている。

 属性によって攻撃に向いている属性と防御に向いている属性があり、風•火•水•雷の4つは攻撃に向いており、木と土の2つは防御、光と闇はその他とされている。



 ちなみに光の精霊と契約している以前に光の属性がある人は治癒魔法が使える為、エリフィス教で治癒師となる事が出来る。アルファス連邦ではエリフィス教アルファス教会に登録している治癒師は自動的に公務員となり国から給金が支給される、これは他の国家でも同じであり、それを全て管理しているのがエリフィス教の総本山があるスイレン聖王国エリフィス教総本山である。

 各地域のエリフィス教会は横で繋がっており、治癒師が足りなくなると他の教会から派遣されたりとその辺りに関しては現代日本レベルまで進んでいる。そもそも、もし治癒師に回復魔法をかけて貰って治癒しても金額は決まっておらず寄付という形になる為、どんな身分の者でも受けられる。

 これはルフ教でも同じだが、寄付という名目の元恐喝に近い事も行われておりルフ教が広がらない原因でもある(最も女神•精霊信仰の強い大陸南東部で精霊を否定して広がる訳がないのだが)。北西部でルフ教が国教の国が多いのは教会トップが各国家と癒着しており目障りなエリフィス教を排除している為、ルフ教しかないのである。エリフィス教は他宗教を認めているが、国民の殆どがエリフィス教徒の為、国教にするのである。



 アルファス家がアルファス領の独立により伯爵家から王家となった為、住んでいた屋敷はスフィア城となった。元々スフィア城は敵からの攻撃に耐える為、城壁や堀などが築かれた非常に大きな軍事基地として建設された為、ルクレール王国王城よりも規模は大きい。作りとしてはドイツ風の城である。

 パレル湖は海の近くにある霞ヶ浦みたいな湖であるが海から分離して出来た湖ではなく山からの湧き水が溜まった湖である。アルファス城はそんなパレル湖の湖上に作られており土魔法を使い整地を行なった為、城の敷地は日本の皇居の約2.5倍もの大きさとなった。

 しかしその後、当時のアルファス家当主が精霊に土地を献上、精霊の加護を受けた為、そこまで強固にする必要は無く、当初アルファス城敷地内にあったルクレール王国アルファス軍務局を含めた施設は城外へと移された。そして現在、アルファス城敷地は皇居みたいに堀で囲われている為、出る為には5つある橋で渡る。

 スフィア城は大きく分けて3つの島で構成され、陸地から最も離れている島には木々が生えており森みたいになっており、更に数少ない精霊樹が聳え立っていた。城の警備などを担当している近衛兵1800名の駐屯地が敷地内にある為、城の警備は万全で少し離れた場所に残りの近衛兵3200名の駐屯地がある。伯爵領時代には領主が城を持っていては王国法に触れる為、この城は屋敷と言う名目で使用されていた。



 アルファス連邦国の首都(独立時にそう決まった)スフィア中央州は北アルファス島の中央寄りにあり、東京湾のような深い湾(ただし東京湾の約3倍ほどの大きさ)の一番奥にある。8つの州に分かれているアルファス連邦だが首都があるスフィア中央州はアルファス王家の管轄下にあり配備兵力も近衛兵も合わせて1万2500名と他の州の5000と比べて約3倍である(現在は訓練中である為7000程度であり、他の州も2500程である)。

 アルファス連邦国の首都であるスフィアは大陸でも有数の交易都市でありエリフィス教諸国ではルシタニア連邦国のスイード、アルマス王国のサムルに並ぶ貿易港であった。

 レインが開発した(秘匿されている)高級品のドライフルーツや精霊の加護を受けた土地で育った食料や鉱物を買いに多くの商人が貿易船に乗ってスフィア港に入港してくる。その為、スフィア中央州は人口が多く商人の街として栄えていた。アルファス連邦国の人口840万人のうち約1割にあたる100万人弱がスフィアに住んでいる。

 そして、精霊の加護を受けている土地の為、自然環境に対する意識も高くスフィア中央州は建物を建設していい地区を決めており、指定地区以外に勝手に建設すると重い罰金プラス建物の取り壊しとなる。その為、スフィアは土地の有効活用の為、見る限り他の都市と比べて高い建物が多く、1階建ての建物などまず見当たらず少なくとも2階や3階、高い所だと5階6階という建物もある。

 この世界の建築は地球みたいにチンタラ数ヶ月掛けて建てるのではなく、土属性の魔法使いが土台を作って木属性魔法と合わせて建てる、そしてその後ゆっくり内装を仕上げる為1ヶ月かからない。アルファス連邦国は四季がなく年中温暖な気候の為、常に人が居る。最も両島中央付近聳え立つ山脈(3000m〜5000m)付近は冬は寒いので暖炉があるが。

 また年中温暖な事により暖炉などもない為、火災の件数も少なく軍警分離により街中には警察がいる為、治安も他の国に比べて良い。こうしてアルファス連邦は独立時にもさしたる混乱もなく対外的にも良好に進んでいけていた。しかし大陸では新たな火種が生まれていたのである。




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