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第23話 古代文明の遺跡、3

 


 ウィィン!ガコン!


 2ヶ所目の扉は鍵などかかっておらず、自動扉のように近づいただけで開いた。

 扉の厚さは30cm程あり、この扉の中が相当重要だった事が伺える。

 そして僕達6人は扉の中へと入って行った、そしてその先にあったのはまた大きな扉があった、しかし今度は扉に黒色と白色の魔石が埋まっていた。


「先生、これは?」


「珍しいわ!これは間違いなく混合魔石ね!」


「混合魔石?」


 先生の答えに納得できていない僕達に変わってシルフィが教えてくれた。


『はぁ、混合魔石は精霊のみがつくる事の出来る特殊な魔石の事よ。2つ、3つの魔石を合わせて作る魔石でね、その混合魔石は属性が2つや3つと合わせた魔石だけ増えるのよ。』


「非常〜に、珍しい物なんですよ!私はこれが見れただけで今日はもう寝れます。」


 先生の場合は見ても見なくても寝ている気がするけど、その事については置いておこう。

 けど、白と黒、これはなんの属性と属性の混合魔石だろう?


「シルフィ、からはなんの混合魔石なの?」


『白と黒、互いに対になる属性ね、恐らく白は光、黒は闇。多分だけど光属性と闇属性の両方を持っている人が魔力を流すと開く仕組みじゃないかしら?』


「光と闇!?そんなのあり得ません!光属性を持っている人は闇属性を持てない。闇属性を持っている人は光属性を持てない。それは魔法の常識です!」


 その通りである。

 光属性を持っている人は闇属性を持てない、またその逆も然りである。

 だが、ここにはそんな事を覆す事の出来る人物が1人いた。


「じゃあ、レインなら出来るのね。」


『そうなるわね。レインの保有属性は全属性、そんな無茶な能力を持っているのは世界中探してもレインだけよ。魔法適正が高い妖精族でさえ5つや6つが限界なんだから。』


 そんな事を俺に言われても、無茶ですね。

 ちなみに事の元凶は貴方の親玉の姉である女神エリフィス様ですから私のせいではありません。


「じ、じゃあ、レイン君!魔力を流してみて!」


「は、はい。分かりました。」


 グイグイ来る先生が怖かったが、とりあえず光の闇の混合石に手を置いて魔力を流し込んで行く。

 すると混合石が徐々に光始め、最後には、パリンッ!!との音をたてて混合石が砕け散った。

 そしてスウッと扉が消えた。


「え!?なんで?なんで砕け散るの!?なんで?」


『貴方、煩いわよ。多分一回きりの使い捨て混合石ね粗悪品ね。』


 貴重な混合石が砕け散り激しく動揺しているリフェルティア先生にシルフィが容赦ない言葉を浴びせる。

 粗悪品って、貴方達精霊が作った物でしょ。


「じ、じゃあ扉も開いた事だし、中に入ってみようか。」


「そ、そうね、入りましょうか。」


『無理ね。』


 突如シルフィが無理と言い扉に入る前で立ち止まってしまった。


「え?どうしたのシルフィ?」


『これは精霊結界ね、忌々しいわ。古代文明が対精霊用に開発していた物の中で唯一完成した物よ。これが引いていたら私達精霊は近寄れないの。多分中にスイッチがあると思うから切ってきてくれない?」


 精霊と仲が悪かったようだけど、精霊結界、こんな物まで作っていたなんて、そりゃあ慈悲も無しに文明崩壊させられるよな。

 しかし精霊結界まで張って奥に何が入っているんだ?


「そうなんだ、分かった。中に入ってスイッチを切ってくるよ。」


『ええ、お願いね。』


 そう言いシルフィと別れて5人で中に入って行こうとしたが、怖くなったのかカノンとラーラが残ると言い出した。

 その為、結局僕とエルナ、リフェルティア先生の3人で中に入る事となった。

 そしてシルフィ達と別れ、中を歩いていくが、はやくも遺跡の最深部と見られる場所に到着した。

 学校の教室ぐらいの広さの部屋で奥に黄色い巨大な宝石と見られる石が置いてあった。


「なんでしょう、あの石?」


「宝石かな?それにしては大きいわね。何エルの値がつくかしら?」


 見た目は確かに宝石だが、宝石にしては異常に大きかった。

 形は楕円形で琥珀みたいに中が透き通っているが、色は黄色であった。

 直ぐに金の話になる先生を注意するエルナ、これじゃあどっちが先生かわからないな。


「先生精霊結界の解除スイッチを探してください。」


「ごめんごめん。ちょっと気になってね。」


 先生が宝石に触る前に注意された為、宝石から離れた。

 僕は気になって宝石に近づき、手を当ててしまった。

 その瞬間眩いばかりの閃光が辺りを包み、一瞬目が眩んだ。

 すると、バシッと電流が身体を突き抜けた感じがしたが、ここに電気を発する物は無いはずであった。

 暫くすると光は落ち着き元の宝石へと戻っているはずであった。


「ちょっと!レインって、なんで石が色を失っているの!?」


「もしかしてそれは光石かな?」


 先程まで琥珀みたいな黄色をしていた石は推奨のように無色透明になっていたのである。

 しかし、それでリフェルティア先生はなにかを思いついたようであった。


「光石って?」


「あぁ、ごめんごめん。光石って言う光を溜める石があるんだけどね、さっきみたいに眩い光が辺りを包み込むんだ。日光に当てて使うんだけどね。子供のお守りとしてよく南の方で見られる石さ、まぁ、あんなに巨大なのは初めて見たが、古代文明の事だし人工的に作ったんだろう。」


 さっきの謎の宝石が光石と言う石だと分かってエルナはホッとしているが、疑問が残る。

 いくら巨大だからとは言えたかが光石の為に精霊が入らないように精霊結界まで張ったんだろう。

 それに僕も光石は使った事あるが、さっきみたいに電流が流れたような感覚は無かった。


「先生、さっきあの石に触った時電流が流れるような感覚があったんですが、分かりますか?」


「電流?光石は日光を溜めるだけだから電気は流さないよ。多分、長い間誰も触らなかったから静電気でも流れたんじゃ無いかな?」


「そ、そうですか。」


 さっきのは静電気レベルの電流じゃなかったと思うけどなぁ。

 そうこうしている内にエルナが精霊結界のスイッチを見つけ解除すると凄い勢いでシルフィがやってきていきなり抱き着かれた。


『レイン大丈夫だった!?凄い閃光が見えたけど。』


「シルフィ、痛い痛い。」


 心配してくれるのは有り難いけど、痛いよぉ。

 そうこうしていると遅れてラーラとカノンもやって来てその無色透明な石を見て驚いていた。

 するのリフェルティア先生がみんなに説明してくれた。


「これは光石だよ。さっきレインが不用意に触れて光を放出したんだ。こんな大きい光石は貴重だけどね。」


『う〜ん。確かにこれは光石ね、でもかなり大きいわね。』


 リフェルティア先生の発言に対してシルフィが肯定する。

 精霊であるシルフィが言うのだからこれは光石で間違い無いのだろう。

 さっきの電流は多分静電気だな、光を吸収するから一部電気を吸収したんだろう。

 って事にしようとした。

 だが、俺を含め誰も知らなかった、この時レインの身にとんでもないものが融合した事に気付くのはまだ先であった。


「皆んな。この事は絶対に他言無用よ。話せば学園としても処罰するからね、分かった?この事は私が責任を持って国に話しておくわ。精霊結界の事に関しては黙っておくわ。」


 そう言ったのはシルフィがウィンドストームで精霊結界を粉々に破壊したからである。

 確かに怒るのもわかるけど、原型を留めないほど破壊するか?

 お陰でその辺の砂に見えるじゃ無いか。


「「「「ハイ!」」」」


 皆んなの返事が一斉に揃った。

 学園としての処罰、すなわち退学処分である、また国や領主からの処罰もあると思われるが、極刑の可能性もある。

 帰りにシルフィが切り刻んだ扉をシルフィが時空精霊魔法により完全に直し、行きと同じくエレベーターで地上に戻った。



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