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第21話 古代文明の遺跡、1



「へぇ〜、古代文明の遺跡かぁ、そんなのが学園内にあるのか?」


「そうみたいです。学園の敷地も広いですからね、古代文明の研究所らしいですよ。でも高度過ぎて何も分からなかったみたいですがね、森の中にひっそりとあるんですよ。見に行きませんか?」


 学園に入学して1月が経ち、授業も受け段々と学園生活に慣れてきたある日曜日の朝、突然エルナに誘われたのである。


「そうだね、今日は暇だし、ラーラとカノンも誘わない?」


「そうですね、早速行きましょう!」


 そう言いエルナは僕の手を引っ張り恐らく談話室にいるであろうラーラとカノンを誘いに行った。

 古代文明の遺跡が敷地内にあるからとはいえ、Sクラスの寮からは30kmほどある。

 唯一の救いが調査が入っている為、道がある事である。


「まったく、お前はいつもいきなりだな。エルナ。」


「まったくです。今日はゆっくりと本を読もうとしていたのに、いきなり古代文明の遺跡ですか、確かあそこには研究所があったみたいですが、何も分からなかったと。」


 ラーラとカノンは同じSクラスの3位と4位であり、僕とエルナの隣の部屋である。

 喋っている内に気が合い友達になったのだ、同じSクラスで部屋も隣という事もあり、ご飯や宿題などは基本みんなで一緒にやっている。

 ラーラは平民出身であり、銀髪の美人というより可愛い商家の娘であり、必死に勉強し、3位で学園に入学したのである。

 一方、カノンはサミエル子爵家のいわゆる貴族の長男であり、領地は持っていない王都の貴族である。

 サミエル子爵家は先祖代々武家の家柄であり、カノンのお父様であり当主はルクレール王国の騎士団長である。

 カノンも将来お父さんを継いで騎士団長になりたいようであり、剣に関する学科は全て受講みたいだ。


「知っているわよ、あの素晴らしい古代文明の叡智に触れてみたいとは思わないの?」


 素晴らしい古代文明ね、まさか自然を汚し過ぎて精霊達に滅ぼされたとは言えないな。

 古代文明が滅んだ理由は戦争が起き発展した技術により滅んだと言うのが学会での定説である。

 ちなみにこの世界に石油や石炭などの化石資源は無いが、使用したら有害物資を出す物はあるのだ。


「まぁ、確かに本に囲まれるのもいいですが、自然に囲まれるのも良いですね、」


「そうだな。しかしそういえば魔物が全然出てこないな。何故だ?」


「カノンは気づいてないの?シルフィが居るからでしょ!」


 カノンは剣に関しては優秀だが、学業に関してはイマイチである。

 本来の入試は学業400点、剣200点、魔法200点の800点満点だったのだが、カノンの場合特化という剣及び魔法を400点満点にするという半ば反則みたいな方法で入試を受けたのである。

 その為、学業200点中139点、剣400点中400点、魔法200点中185点の計800点中724点となったのである。

 その為、学長に関しては入学してから頑張らないといけないのである。


「あぁ〜まぁ、そりゃあ大精霊がいたら魔物も近寄ってこないか。」


「レインと一緒にいたら実技の練習が出来ませんね、レインの場合は精霊魔法が使えますが、私達はまだ精霊と契約していませんからね。」


「まぁ、そうだけどさ。でも大精霊がいたら古代文明の事とか教えてもらえるんじゃない?ねぇ、シルフィ。」


 僕がそう言うと、可視化して皆に見えるようになった。

 カノンとラーラにはシルフィが大精霊で契約したと言ってある。

 当然エルナの時と同じような反応だったが為、特に変わった事は無い。


『ええ、まぁ知っている事なら教えてあげるわよ。これから行く遺跡は時空遅延魔法がかけられているから5000年前と同じように見られるわよ。ほら!あれよ。』


 そう言ってシルフィが指差した先にあったのは丘の上にあったなんかの施設のような建物だった。

 時空遅延魔法がかけられている為か、新しそうに見えるが一応築5000年である。

 建物は外見2階建であり、屋上には高さ5mほどの風車らしきものが2基備え付けられており、回っていた。


「うわぁ!あれか。おっきいね。流石古代文明の遺跡だ。」


「ええ、このような建物など我々では作れないでしょうね。」


 ラーラとエルナが話しているとカノンが建物の入り口に立つ人物を見つけた。

 今いる場所から建物の入り口まで300mくらいである、この世界の人達は視力が良いのである。


「ん?あそこに見える人って学長先生じゃない?学長先生!」


「あら?レイン君達じゃない。どうしたの?大精霊様まで一緒。」


 突如後ろから声をかけられた学長先生、リレス•リフェルティアは少しビクッとしたが驚いた事は隠して平然としている風に装った。

 あの日学長に会った後知った事だが、学長先生であるリレス•リフェルティアは、自分達Sクラスの担任であるエミリア•リフェルティアの姉であるのだ。

 しかしそう言われると性が同じで、両方とも高身長で銀髪、美人と似ているのである。


「何故って学校が休みで暇だからエルナに誘われてこの古代文明の遺跡を見に来たんですよ。学長先生はどうしてここへ?」


「ん?今日はいい天気だから外で昼寝しようと、人気のないここに。でも大精霊がいるなら昼寝なんて出来ないわね。」


「え?何故です?」


「何故って、大精霊様が古代文明入るならなんか新しい発見でもあるかもしれないじゃない。」


 大精霊は数万年周期で生まれ変わり、9属性の大精霊のうち火•木•水•土•雷•無の大精霊は古代文明が滅んだ後に生まれ変わっているのである。

 つまり、古代文明の時代を明確に覚えているのは風•光•闇の3属性の大精霊のみなのである。


「まぁ、そう言う事でしたら一緒に行きましょ、リレス先生。」


「ええ、行きましょう。」


 そう言い、僕達は建物の中に入って行った。最初にエントランスと見られるところに入ると縦1m、横2.5mの絵が壁にかけられていた。

 中に入っても明かりらしき物は無いが、建物の一部が発光して明るいの を見た時は流石異世界だと思った。


「凄いですね、これが古代文明。」


「素晴らしい絵ですわ。まるで実際にあったかのような絵ですわね。」


「この絵は想像図でしょうか?」


「分からないのよ、レインはどう思う?」


 みんなが思い思いの感想を述べていたが、地球文明を生きてきた僕には分かった。

 これは絵じゃない、そうCG画像である。

 そしてその掛けられていた写真に写っていたのは地球のとは比べ物にならない程高い超高層ビルに空飛ぶ車、間違い無い。

 大精霊達とした船の話で地球の文明より遅れていたと思っていたが、この写真を見て分かった、間違い無く地球より進んでいる文明だ。

 そして僕はリレス先生に適当な答えを返して僕達は奥の区画へと進んで行った。


「中身が無いのは残念だが、この建物自体、古代文明の建築物だからな。まぁ、とりあえず座って休もう。」


 そう言い、僕達は近くにあった椅子らしき物に座った。

 5000年経っても座れるとは時空遅延期 魔法恐るべし。


(なぁ、シルフィ。あの箱みたいなやつ、絶対宝物庫なんかじゃ無いよな?)


 他のみんなが飲み物を飲んだりして休憩している時、僕は他のみんなに聞こえないように契約している精霊と心の中で会話できる念話でシルフィと話し始めた。


『あら?分かったかしら?ええそうよ。』


(あぁ、地球には普通にあった。あれは間違いなくエレベーターだ。)


『原理は違うけど、地球文明のエレベーターと同じ物よ。でも多分、つ今のままでは動かないでしょうね。』


(あぁ、おそらくね。何処かに発電機室的な何かがあるんだろうけどな、それより謎なのが、この建物には2階や屋上があるけど、エレベーターが8基も備え付けられているのは異常だ。向かう先が上じゃなければ、)


 そう、他のみんなが宝物庫だと言っている所は地球のビルのエレベーター前のエントランスみたいに左右に4つづつ付いていたのである。

 どこからどう見てもエレベーターホールである、しかし僕が地球で見たエレベータよりもかなり大きかった。

 40人くらいは軽く乗れる、幅8m、奥行10mくらいの長方形の形のエレベーターであった。


『下ね、しかもかなり巨大な施設が地下にはあるわ。じゃなければ8基も備え付ける理由が無いわ。』


(よし、じゃあまずはその発電機室的なものを見つけるか。)


 当然、地球のエレベーターにしろ、この世界のエレベーターらしき物にしは動力源が無いと動かない事には変わらない。

 使えるか分からないが、建物ごと時空遅延魔法がかけられているならあのエレベーターも電源を付けたら動くはずである。

 この建物の周りに鉄塔みたいな物は無かったが上に風車らしき物が付いていた為、動くはずである。


「ちょっと、僕他の所を探検してくるよ。」


「あら、そう?私達は疲れたからここで待っているわ。」


「私はレイン様と一緒に探検します。では行きましょ、レイン。」


「う、うん。行こっかエルナ。」


「は、はい。レイン。」


 そして1人で行くはずだったが何故かエルナを連れ、体力切れで動けない3人を置いて発電機室的なものを探しに向かったのである。



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