第18話 万物創造スキル
「ふぅ〜、俺が死んでからこんなのが進水したんだ。」
『ん?レイン、何を見ているの?』
昨日エルナと一緒に決めた選択科目の用紙を朝一で提出し、食堂で朝食を済ませて僕は部屋に戻ってきた。
今日は希望者のみの部活動見学の日である、僕は部活動に入る気は無いが、エルナは王族な為、そうも言ってられずに今日は別行動である。
そして部屋で灰色に塗装された船を見ていたらシルフィに声をかけられたのである。
『あら、それ図鑑にあったミサイル巡洋艦じゃない。でも古代文明の戦闘艦より兵装が少ないわね。』
「その古代文明の戦闘艦がどんなのか知らないけど、もしかしてこんなの?」
僕はそういうと、万能図鑑の中から戦艦のページを開き、1919年に進水した戦艦長門をタップした。
するとSF映画に出てきそうなホログラムが僕の前に立体画像として出てきた。
『あぁ〜、こんな感じの船だよ。日本にもあったの?』
「日本の船だよ。僕が生きていた時から約70年前のね。」
長門型戦艦は1919年進水した大日本帝国の戦艦である。
1番艦長門は終戦まで生き残り結局アメリカの水爆の標的艦なされ、2度目の実験でビキニ環礁に沈没した。
2番艦陸奥は1920年に進水し、1943年に原因不明の爆発事故により爆沈した。
『70年前!?じゃあレインの世界はこの船を作る技術を失ったの?』
「え?なんで。」
『だって、こっちの方が絶対強そうだもの。この長門とかいう船とミサイル巡洋艦が闘ったら間違いなく長門が勝つでしょ?』
確かに見た目的にはそうだけど、もしかして古代文明って地球で言う1950年程度の技術力だったんかな?
ミサイルがないっていう事は1960年代はいっていないな。
アーティファクトの古代文明の戦闘艦艇って戦艦の事か。
「う〜ん、僕のいた時代で戦艦が無くなったのは、1隻あたりの建造コストが高価過ぎるのが1つ、もう一つは兵装の射程距離かな。」
『射程距離?』
「あぁ、この長門の41cm砲の最大射程は約31kmでさらに命中精度も悪かった。だけどこっちのミサイル巡洋艦に搭載されている12式艦対艦誘導弾という兵器は最大射程が400kmで命中率は100%なんだよ、つまりこの長門とミサイル巡洋艦が戦ったら長門の攻撃出来ないところからミサイル巡洋艦が攻撃出来るという訳なんだ。」
もっとも現代の対艦ミサイルが当時の分厚い装甲を破れるかといえば分からないが、渇水下や魚雷などで沈める事は出来るであろう。
日本のミサイル巡洋艦に搭載されているであろう155mmレールガンの威力は知らない為、分からない。
『つまり、ミサイルのおかげでここまで船体を大きくしなくても良くなったという事?』
「そういう事。」
『な、なるほど次元が違う兵器なんですね。そのミサイル巡洋艦ってどのくらいの性能なんですか?』
「ん?えっと〜。」
シルフィの問いに答える為、日本のミサイル巡洋艦からながと型という所タップして説明を読む。
「この艦艇は僕が死んでから進水した船だけど。基準排水量1万1800t、満載排水量1万4200t、全長192m、全幅34m、機関水素タービン4基2軸、最大速力36ktくらいの性能だね。そしてこの船に乗員が380名だね。ちなみにさっきの長門は乗員1333名だ。」
『なんだが凄く速いですね。確か古代文明の戦艦が最大速力25ktくらいでしたからね。』
まぁ、地球の時の戦艦もそのくらいだったからな。
まぁ、装甲が分厚い分船本体の重量が重いからね。
大和の3連装46cm砲塔なんか1つで2760tあったからね、当たり前だよ。
「まぁ、そうなんだけど。古代文明って言ってもそのくらいの性能なんだ、どちにしろオーバーキルだね。っていうか必要魔力量が2200かよ、地味に創造できるし。あ!でも必要レベルが7か、」
『今のレベルってどのくらいなの?』
「今はレベル3だね。」
『じゃあ銃火器は創造出来るんだ。試しに創ってみようよ。』
え?確かに兵器だと拳銃やアサルトライフルや携帯型ミサイルくらいだったら創造できるけど、問題大有りだろ?
「え?嫌だよ。創って消せなかったら困るじゃない。」
『私達をなんだと思っているの?その気になったらこの学園も消せるわよ?』
そりゃ古代文明も消せたんだから、消せるだろうけど、やめろよ?俺だってまだ死にたくない。
そんな怖い事あっさりと言うなよシルフィ、怖いだろ。
「絶対にするなよ?しゃあないか、ライフル銃でも創ってみるかな。」
『どの銃にするの?』
「スナイパーライフルでいいかな?創造スキル発動。創造、M24 SWS。」
僕がそういうと目の前に光の粒子が集まりだし、軽く光ったあと、そこにM24 SWSが置かれていたのである。
M24対人狙撃銃は7.62mm弾を使用する日本を含めて世界各国の軍隊や警察が使用しているボルトアクション式ライフルである。
重量4.4kg、有効射程800m、装弾数5発と狙撃銃の中では普通の銃である。
『これがそうなの?思ったより堅実的な形ね、』
「そうかな?ま、ここにあるバイポッドを付けて、スコープを付けて使うんだよ。射程は800mくらいかな。」
『外に向かって撃ってみる?』
学園の寮の4階のベランダから外に向かって狙撃銃を撃つ、かなりシュールな光景だ。
まぁ、魔法も似たようなものか、いやいや、魔法と銃を一緒にした駄目だ。
「学校の領から外に向けて銃を撃つなんて流石に駄目だろ。」
『それもそうね、まぁとりあえず創れるって事が分かったからいいじゃない。それで、どうやって消すの?』
「確か万物創造スキルの所に消すには削除と言って消したいものに触れればいいんだった。」
『ふ〜ん、なんでも削除出来るの?』
なんでも!?いやいやそれは問題大有りだろ。
だいたい消えた分子や原子はどこ行くのよ?鉄とか石とかが酸素や水になるとは思えないぞ。
いや、ここは魔法まである世界だからあるのか?
「いや、創造スキルで作成したものだけ。削除。」
そう言い僕は数分前に創造したM24に触れた。
するとM24は光の粒子となって消えていった。
『消えたね。』
「うん、消えた。とりあえず魔力量を見ようと。ステータス。」
《レイン•アルファス》
性別:男
年齢:10
level:14
種族:ヒューマン
魔法属性:風•水•光•闇•木•雷•火•土•無
体力:520/520
気力:970/970
魔力:2380/2400
知力:1250
所属:国立リフェルティア学園
状態:健康
スキル:精霊視、万物創造(Lv.3)、物体改編(Lv.3)
契約:風の大精霊
加護:女神エリフィス
所持金学:9500E
学年順位:1位
クラス順位:1位
「あれ?確かM24の創造に必要な魔力量って75だったよね?なんで20しか減ってないの?」
普通なら2025/2100が正しいのに、残り45は何処にいった?もしかしたら魔力でM24作って、消したから一部戻ったかな?30の魔力消費は必要経費ってか?
『ほんとだ、それに確かレインの魔力量って2200だったよね?レベルも2上がって19になっている。』
「もしかしたらスキルを使うとレベルが上がりやすくなるのかな?」
『分からない。でもレベルが上がったにしても30しか減ってないのはおかしいわね。』
うんうん、おかしい。
あの女神め!もっとまともなスキルをくれよ。
こんなチートスキル、僕は望んでいないぞ。
「ほんとだ、今度女神に聞いてみるか。」
『そうね、そうしてみたら。』
こうして僕は明日教会に行く事にしたのであった。
ここ学園都市にとエリフィス教の教会はある、当然人が住んでいるんだから当たり前である。
しかしその予定はあっけなく潰れる事となる事をまだ知らない。




