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第17話 選択教科


「さてと、選択教科を選ぼうか。エルナは何を取るの?」


「まだ、決めていませんわ。3年間ずっと受けるんですもの。」


「う〜ん、どうしよう。」


 そう言ってエルナと見ているのはA4サイズの紙である。

 そこには選択可能な教科の一覧が書かれていた。



•精霊魔法A|•||•|||

•精霊魔法B|•||•|||

•応用攻撃魔法|•||•|||

•応用防御魔法|•||•|||

•応用支援魔法|•||•|||

•応用広域魔法|•||•|||

•エリフィス教|•||•|||

•ルフ教|•||•|||

•魔工学|•||•|||

•応用格闘術A|•||•|||

•応用格闘術B|•||•|||

•応用剣術A|•||•|||

•応用剣術B|•||•|||

•応用剣術C|•||•|||

•魔導学A|•||•|||

•魔導学b|•||•|||

•薬草学A|•||•|||

•薬草学B|•||•|||

•前古代歴史学|•||•|||

•占術学|•||•|||

•天文学|•||•|||

•海洋学|•||•|||

•応用国語|•||•|||

•応用数学|•||•|||

•応用政治|•||•|||

•応用経済|•||•|||

•応用地理|•||•|||


「はぁ〜27個もある中から8つも決めるのか。」


「あ、いえ。レイン様は精霊と契約している為、精霊魔法Aと精霊魔法Bは必須ですわ。私も2つ取りますから残り6つですね。」


 あ、精霊と契約している人は精霊魔法AとBは決定なのね。


「う〜ん、あと6つか、この海洋学って何だろう。」


「それは魔導船や古代文明の戦闘艦艇の仕組みや動力などを学ぶ学問です。」


「へぇ〜古代文明か、なら海洋学もとるか。」


 いわゆる地球で言う海洋工学でしょ?僕は理系だから船舶に関してもそれなりの知識はあるよ。

 なんせ新型推進システムの研究を技研でおこなって、僕が死んでからその新型推進システムを搭載した船が就役しているほどだからね。


「そうですか、ならあと5つですね。」


「あと5つか、じゃあ魔法分野全般取ろうかな。」


「そうですね、それがいいと思います。私も比較的魔力量は多いので大丈夫だと思います。レイン様の魔力量はどのくらいですか?私は今900ほどです。」


「900?高いじゃない。普通が400から600なんでしょ。まぁ僕が言えたものじゃないけどね。」


「はい?どのくらいですの?」


「え〜と、今は2100くらいかな。」


「に、2100。私の2.4倍って宮廷魔術師レベルじゃないですか!」


 ま、2100って普通の人の4.5倍程度だからね。

 でも900も普通の人の2倍弱くらいだから十分凄いと思うよ。


「ま、まぁね。僕も最初ステータス見た時はびっくりしたよ。」


「はぁ、まぁそんだけ魔力量が高かったら魔法系統全て取るのは当たり前ですね。それで、残り1つ何にしますか?私は剣が得意ですので応用剣術Aをとりましょう。」


「そ、そうなの?じゃあそれにするか。」


 こうして僕は魔法系統の6つ全てと海洋学、そして応用剣術Aの8つをとった。

 そして何故かエルナも僕と全く同じ教科を取っていた。

 そして僕達はその日のうちに3年間学ぶ、選択教科を決めてしまったのである。


「そういえば、レインの契約精霊を見せて頂けませんか?」


「え?別にいいけど、どうしたの急に?」


「い、いえ私も精霊と契約してみたいのでちょっと。」


 そういえばエルナも精霊と契約してみたとか朝の時間潰しの時に言ってたな。


「そう、別に良いけど。シルフィ、よろしく。」


『はいはい〜。』


 そう言うと僕のすぐ横にいた風の大精霊シルフィが僕以外の人にも見えるように可視化した。

 いちいち可視化しなくても僕にはスキル精霊視がある為、可視化しても分からない。


「せ、精霊だぁ〜。しかも人型という事はかなり高貴な精霊ですね。少なくとも中位精霊以上の。」


『ふふふ、流石よく知っているわね。この国のお姫様、私は風属性の精霊よ。』


「か、風の精霊!?風属性で中位精霊以上の高貴な精霊が人と契約するのは見た事がありません。」


 風の精霊は下位精霊と契約するのが最高で中位精霊と契約した人はまだ一人もいない。

 高位精霊はお母様とお祖父様の2人だけだから当てはまらない。


『あら、精霊が人と契約するのはその契約者を気に入った事と知らなかった?』


「い、いえ知っていますが、レイン。この精霊様は中位精霊ですか?」


「う〜ん、まぁ。そうなんだけど。」


『ふふふ、別に話しても良いわよ。』


「え?いいの?バラして。」


 まだお父様やお母様、お姉様やお兄様にもこの事言ってないんだけど。

 言っちゃっていいの?エルナは悪い人には見えないけど一応王族だよ?


『ええ、この子の事は信用出来るからね、別に問題無いわ。6年間、同じ寮で暮らすなら隠す方が問題だしね。』


「あ、あのレイン。どういう事ですか?」


「あぁ、エルナ。実は中位精霊じゃ無いんだ。」


「え!?だって中位精霊以上じゃないと人型にはなれないと、もしかして上位精霊ですか?」


「い、いや。それ以上。」


 そこまで言うとエルナも分かったのか、目をシルフィと俺の間を行ったり来たりしている。


「ま、まさか大精霊様!?」


『シルフィでいいわよ。』


「う、嘘でしょ?」


 エルナはあり得ないといった顔で2体の大精霊達を見て僕を見てをまだ繰り返している。


「と、いう事だから黙っていてくれると嬉しいな。まだ親や兄弟にも話してないからさ。」


「ま、まさか大精霊が人間と契約を!?前代未聞ですわ。」


『そうよ、だから私達は中位精霊程度まで力を抑えているのよ。もし、他の人に喋ったらどうなるか分かっているわよね?王女ほどの立場の人間なら風の精霊が人間と契約したがらない理由も知っているでしょ?』


 シルフィの2体の大精霊からの脅され、エルナは声も出せないようであった。

 大精霊はその気になれば文明さえも破壊出来る、その事は僕以外には古代文明が滅びた原因を知っている王族だからこそ分かるのである。


「あの〜、シルフィ、そろそろ威圧しないでくれないかな?エルナが喋られないよ。」


『そう、ごめんなさいね。この威圧は契約者など関係無しに生物全てに効くはずなんだけどねぇ〜。』


 精霊の威圧は周りいる生物全てを怯ませる効果があるのだが、大精霊の威圧は半端では無い。

 今はシルフィ達が効果範囲を調節しているが、していなかったらこの寮にいる人間全てか威圧を受けていたであろう。


『そうそう、何故かレインだけには効かないみたい。』


「僕にまで威圧してたのか?」


『大精霊である私達の前で普通に臆する事なく話せるなんて貴方くらいだもの。威圧が効かない事くらい知っていたわ、普通ならああなるもの。』


 そう言いシルフィが大精霊の威圧を受け床に座り込んでいるエルナを指差した。


「大丈夫、エルナ?」


「え、ええ大丈夫、ですわ。これが大精霊の威圧。レインはよく平気でいられますね?」


「う〜ん、小さい頃からずっと一緒だからね。慣れもあるんだろうね、エルナも慣れるよ。」


『貴方以外は慣れないと思うわ。』


 ボソッとシルフィが何か言ったが、この際それは無視しよう。

 じゃないと色々と面倒だ。


「え、えっと改めましてよろしくお願い致します。大精霊様。」


『シルフィよ、よろしく。』


「シルフィ様。」


「なんか様付けは嫌みたい。日頃僕以外には様付けの筈なのにねぇ。」


 大精霊達は滅多に人前で姿を表す事はないが、しかし、アルファス領で毎年行われる精霊に感謝を捧げる精霊祭の時、大精霊が現れる事がある。

 シルフィはその精霊祭を姿を消して空から見ている時に僕に見つかって僕と契約したのだ。


『日頃呼ばれているから貴方には様付けは嫌だって言ったのよ。まぁいきなり初対面の人にシルフィなんて呼ばれたくないけど。』


「な、なんかこう。」


 その時エルナがなんか言おうとしたのだが、僕にはその言おうとした事が何と無く分かった。


「大精霊らしくないでしょ?威厳もクソもないよね?」


『あぁ〜レイン酷い。私にも風の大精霊としての威厳はあるのよ。さっき威圧したでしょ?』


 なんとなくだが、シルフィはお姉様らしさを感じる。

 精霊に年齢は関係ないのだが、おそらく各大精霊本来の性格だろう。


「威圧?僕には効かなかったけど。」


『た、確かに。……まぁ私としては威厳なんて要らないと思うけどね。』


「シルフィは大人だな。」


「ほんと、レイン様って大精霊達と中良いんですね。私、風の大精霊が笑っている所初めて見ました。」


 風の大精霊は人間の事を古代文明の事もあり好意的に見ていない。

 その為、現れる事があっても他の大精霊みたいに笑う事はまず無いのだ。

 それなのに僕と話している時は笑っている、僕は笑顔のシルフィしか見た事無いので分かっていない。


「まぁ、長い付き合いだしね。シルフィ達からすればほんの一瞬だけどね。」


『そうね、楽しい時間はあっという間に過ぎるわ。あと、それとも最後の所は余計。』


 シルフィにとっては僕の前でその事を言われるのは嫌みたいだ。

 なんだが禁句なようなので気づかないふりしとこっと。


「ま、こんな感じだから気楽にしてくれると嬉しいかな?」


「は、はい。そうですね。緊張する方が馬鹿馬鹿しく感じます。」


「そうそう、ま、楽しくやろう。6年間もあるんだしさ。」


「はい!」


 大精霊の威圧を受けて怯えていたエルナだったが、僕がシルフィ達と話すと安心したのか会話に入って来た。

 そしてその後、僕達は日を跨いで話し込んでいて結局寝たのは深夜1時になってからであった。




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