第14話 古代文明
「おはようございます神父様。」
「レイン様、ようこそいらっしゃいました。学園に合格したようでおめでとうございます。今日はお祈りですか?」
僕が来たのは神義の時にも来たエリフィス教の教会である。
理由はチートスキルに対する苦情と久し振りに話をしたいからだ。
女神相手に話したいからで尋ねてくる人間はこの世界で多分俺だけだろうな。
「はい、この街を離れる最後にと思いまして。」
「そうですか、ではどうぞこちらへ。」
そして地味に再現度が高い高さ6mほどの女神エリフィス像の前まで連れて行ってくれて僕は他に祈っている信者と同じように祈った。
すると急に眩しい光が溢れてまた僕はあの無機質な白一色の部屋に移動した。
『久しぶりね、レイン。学園入学おめでとう。』
「はいはい。それは良いんだけどなんなんですか?あのスキル!」
女神エリフィスに会った瞬間抗議するのもどうかと思うけど、抗議せずにはいられない。
『ん?スキルって?万物創造スキルと物体改編スキルの事?』
「この世界に銃とか戦闘機とか巡洋艦とか駄目でしょ?過剰戦力もいいとこですよ。」
ミサイル巡洋艦なんか何に使えって言うんだよ!この世界にミサイル巡洋艦使う相手がいるのか?
どこにB-2ステルス爆撃機とかA-2攻撃機使う相手がいるんだよ。
しかも地味に原子力空母まであったぞ?あれ運用するのに数千人必要じゃなかったっけ?
『まぁ銃1丁なら魔力消費量100程度だし、戦闘機なら400ほど、巡洋艦なら4000だからねぇ。それにこの世界ならアーティファクトで通じるからね。』
僕の今現在の魔力量は2100だから【あきづき型】護衛艦なら1800だから今でも創造可能である。
アメリカ海軍の原子力空母なら艦載機別で6000、艦載機セットなら10000である。
ちなみに戦車でも1世紀ほど前の帝国陸軍の89式中戦車なら200、2010年の陸自の10式戦車なら320である。
他にもゼロ戦なら240、F-35なら460と、このように兵器の性能により必要魔力量も変わるのである。
「アーティファクト、古代文明の遺産でしたっけ?古代文明って本当にあったんですか?」
『ええ、あったわよ。大体5000年前にあった文明の事よ。魔法があったから一概に一緒に出来ないけど文明レベルは地球と同じか、ちょっと下くらいかしら。』
魔法があったから一概に出来ないとはいえ地球ほどの文明レベルって凄い高度な文明を誇っていたんだなぁ。
でも確かにそれなら戦車や戦闘機、戦闘艦艇をアーティファクトと理由付けするのも可能だ。
「だから銃や船があっても特に問題無いと?」
『ええ、そうよ。』
「なんで滅亡したんですか?戦争ですか?天変地異ですか?」
『う〜ん、正確には文明の発達による戦争や過剰な環境破壊による天変地異ね。』
環境破壊による天変地異って、もしかして女神が誤って俺を殺した時みたいに神雷でも惑星中に落としたんか?
それとも核や水爆並みの威力の爆弾でも連続爆発させて火山とか噴火したのか?
「はい?文明の発達による戦争や過剰な環境破壊までは分かるんですがなぜ天変地異なんですか?核戦争でも起きたんですか?」
『いや、精霊達が怒って天変地異を起こしたのよ。』
はい!?やったのあんたじゃないの?精霊恐ろし〜。
「あ〜、なるほど。そんなに酷かったんですか?」
『まぁ、戦争はしょっちゅうだったんだけど、環境破壊が酷すぎたのよ。』
「今の地球より?」
『今の地球も環境破壊はあるけど、う〜ん貴方に分かりやすく説明すると高度成長期時代の日本の公害が常に続いていたような感じね。』
あの灰色の空と茶色の地面と黒色の海が常に!?四大公害どころの話じゃないよな?
常に続くとか普通国が動くよな?日本でも1967年に公害対策基本法という公害に対する法律が出来たし。
それにもし国が動かなくても住民とかが訴訟とか起こさないか普通?もしかして司法が腐ってた?
「なんとも分かりやすい例えですが、普通あそこまでになったら住民や政府が多少なりとも対策をするでしょう?」
『日本政府は対策したから元に戻ったのね。でも彼等古代文明では政府が目先の利益を優先して住民の反対を武力で阻止したのよ。まぁ、倫理感も地球と違い奴隷など普通だったし、大国と植民地の関係が地球より酷いものだったし、精霊達が怒るのも納得よ。』
なるほど、文明レベルは21世紀でも人間の倫理レベルは17世紀のままだったというわけね。
しかし目先の利益でもそこまで汚染されたら利益どころの話では無くなると思うけどな。
誰だって汚染された場所より綺麗な場所の方が良いけどほんと平均寿命とかどうなってたんだろう?
その頃の病院が想像できるよ、って回復魔法で一発完治か、だから住民も意識が低かったんだな。
便利すぎる回復魔法の弊害だな、回復魔法が不便だったり無かったらそこまで悪化しなかったろうに。
「精霊達が怒ったら文明を消滅出来るんですね。」
『その時は全ての大精霊と精霊王が怒ったからね。詳しい話は貴方の親友に聞きなさい。そこまで詳しくは覚えていないと思うけど。』
って事はシルフィが怒ったら天変地異を起こせるって事か、なんか俺、核爆弾持ってるみたいだな。
シルフィが人間嫌いになるくらい相当やらかしたんだろうな古代文明の人達。
「いや、なんか触れたく無いです。それだけの力を持っている大精霊と契約しているという事だけを覚えています。」
『まぁ、風は、いやこの話はいいか。まぁ貴方の好きにしなさい。そういえば貴方が亡くなった後の日本の歴史を聞きたい?今、地球は西暦で言うと2060年くらいだけど。』
「2060年!?なんで40年も進んでいるんですか?2030年くらいじゃ無いんですか?」
俺が死んだのが2019年で今が12歳だから誤差があっても普通2030年くらいだろ。
なんで2060年とかなっているの?なんかそこまで40年近くも進んでいると街並みとか変わっているんだろうな。
『貴方が亡くなって目覚めるまでに30年ほどかかったからね。』
「え〜と、日本の歴史だけお願いします。」
別にアメリカとかの歴史とか知りたくないし、歴史は繰り返すの原則で俺がいた頃と同じ事しているんだろうな、主に戦争。
それにこの人(女神)日本担当って言ってたし日本の事の方が詳しいだろう。
『分かったわ。とりあえず2019年に憲法9条が改正され自衛隊が国防軍になったわ。2020年に無事東京オリンピックが開催され、2021年に北方領土が返還されて、2025年に関西•大阪万博が開かれ、そして2026年に某半島で戦争が再開されて2028年に日本の近くの某半島が南側で一応統一したわ。戦争でボロボロだけどね。』
まぁ東京オリンピックと関西•大阪万博は予想通りだけど、あの某半島の迷惑国家南に吸収されたのか、まぁ南の方も大概だけど。
戦争でボロボロって言ってたけどそりゃ自国の半分の人口の更に世界有数の貧乏国家を吸収したら歳出とか増えてそりゃボロボロになるよな。
東西ドイツが統一した時も大変だったらしいし、間違いなく混乱はドイツの比じゃないな、日本に難民とか流れてなきゃ良いけど。
「まぁ、そのくらいは大体予想通りですね。」
『そう?まぁそれで2030年に財政難により道州制を導入して連邦制国家になったわ。2032年に南西諸島に某国家が侵攻してきてね戦争が発生したわ。日本は同盟国と共同で某国家の空母機動艦隊を壊滅させて日米側にも多少なりと被害が出たけどね。まぁその後それなりの賠償金を得て講和したわ。その後2034年に同盟国の財政難により駐留軍が大幅に削減されて日本は国防軍の増強を決定して、その後は日本や他の国家との宇宙開発競争ね。』
「やっぱり戦争になっちゃったか〜。」
なんだか大陸国家が尖閣諸島にちょくちょくちょっかいかけて来てたもんな。
そんで南西諸島に陸自部隊配備したり島嶼奪還部隊創設したり、ヘリ空母を軽空母に改装したり色々やってたしな。
まぁ多少の被害があったみたいだけどなんとかなってよかった。
おそらくだけどその被害も賠償金で補填出来るだろう、やっててよかった憲法改正。
『ええ、そうね。ちなみにその敵空母を沈めたのは貴方が開発に関わった新型エンジンを搭載した巡洋艦よ。』
「エリフィス様って結構日本以外の国家に厳しいんですね。」
『一応日本を担当している神様ですからね。まぁ日本の神様は私では無いんですけど正確には日本の輪廻転生を管理している女神ですね。』
多分日本の神様は天照大神だろうな、会った事は無いけど。
ほんでもって俺は輪廻転生を管理している女神に輪廻転生から外されたと。
「なるほど、でその後の歴史は?」
『その後は世界史では色々盛りだくさんだけど面倒だから省くわね。
貴女もあの同盟国の話しを聞いてもつまんないでしょ?貴女がいた頃と同じよ。日本史だと新技術の開発に成功とかその程度だから特に無いわね。ちなみに2060年の日本の人口は1億2800万人よ。GDPは650兆円ね。』
「あの少子高齢化&借金地獄から脱出したのか?」
出世率1.4とか騒いでいたからな。お隣の南半島国家は0.9とか言ってたからもっとやばそうだったけど北を吸収したから大丈夫だろ、人口1.5倍になったし。
俺がいた時は借金1000兆円で毎年30兆ほど国債発行して20兆返しているから10兆ほど増えているんだよな、毎年。
『まぁ人口は増えているから少子高齢化からは脱出したわね。借金地獄かどうかは日本の場合分からないけど身を切る改革を公約に与党となった党が新規国債発行は道州制を導入して無駄を減らして随分と減ったわね。今は大体600兆円くらいよ。』
「半分ですか、まぁ日本が良い未来に向かっているなら良いや。誰かさんに殺されなかったらまだ生きていたけど。」
『だから謝っているじゃないですか〜』
そんなうるうるした目で見ないでくださいよ〜エリフィスさん、なんか俺が悪いみたいじゃないですか。
悪いの暇つぶしで下見ずに下界に神雷落としていた貴方でしょう?
「冗談ですよエリフィス様。俺結構この世界楽しいんですよ。まさにアニメとか小説の世界ですしね。」
『まぁ、貴方の事は常に見守っていますから安心したください。そういえば精霊王も楽しみにしてましたよ。』
「貴方の妹なんですね精霊王って。まぁ精霊界に行くのは成り行きですね。」
ほんと成り行きだよ。
シルフィがいきなり精霊界に連れて行ってあげるとか言うんだもん、意味分からないよ。
ほんでその後に精霊界に行った人間は貴方が初よ、とか言うんだもの、まぁそりゃ当たり前だろうけど後言いは無しだよ。
『まぁ、これ以上ここにいたら問題だからじゃあね。頑張ってね。』
女神エリフィスがそう言うと身体から光の粒が出て来てやがて光の粒は自分を取り囲んだ。
そして気がついたら女神エリフィス像の前で祈っていた。
そしてその後神父さんにお礼を言って家に帰った。




