エピローグ1
橘新太は人生に飽きていた
毎日毎日、朝起きては学校に行き、授業を受けて学校が終われば家に帰って夜に寝る
人生はなんてつまらないんだろうと思っていた
別段変わった日常を送っているわけでもない
学校には友達もいるし、いじめられているわけでもなく、ただただ新しいことがない日常に飽きていた
新太には地球が新鮮なことがない、平和ボケして時間の流れが停滞している気がしていたのだ
心の底からやりたいことがない、そのことがたまらなく嫌だった
新太は時間を忘れて熱中できるようなことが欲しかったのだ
「そう、新太はやりたいことがないのが嫌だったのだ」
「何言ってんだお前、今は授業中だぞ」
昼ごはんを食べ終えてのんびりした後の授業
新太はお腹が膨れて最高に眠くなった頭を覚ますために無駄な事を考えていた
「おーい、橘君~聞いてる?授業中だってこと思い出してー」
にしても、事実ほんとにつまらない日常だしな
趣味もないし、やってみたいことも大抵やり切っちゃった感があるし
「おーい、た・ち・ば・な君、君起きてる?先生の話聞いてくれないかな」
今の楽しみと言ったらアニメとラノベぐらいだし、体動かす系の趣味が欲しいな
うーん、スポーツ系はやり終えたしなぁ
「おい橘いい加減にしろよ!廊下に出すぞこら」
なんか先生がうるさいな
23歳女性だが女らしいところが少ないヤンキーみたいな貧乳ちび独身彼氏なしの夏川先生が彼氏でも募集してるのか?
「なんかわからないけどグサッて来た。なんも言われてないはずなのに心がえぐられた気分なんだけど、涙出てきたんだけども」
やっぱり夏川先生が彼氏できないのは見た目じゃなくて性格だよなー
あの切れるとすぐ手が出るヤンキー体質どうにかしないと無理だよな
「わかった、話聞かなくていいから心の中で私の欠点を読み上げるのやめて」
なんか若干湿り気を帯びてきた先生の声が聞こえるけど、なにかあったんだろうか?
まぁいいや、そんなことは置いといて次は何しようかな
うーん、アスレチック系もいいけどどうせやるなら得になることやりたいよな
「もういい橘は無視して授業続けるぞ」
「先生!床に変なものが!」
そうなると、見たことない景色見れるかもしれないし地方でも行くか?
「床がめっちゃ光ってます!」
「なにこれ!体が動かない」
でも、ただ行くだけだと新鮮味ないしなー
「意味わかんない!どうすればいいのよ」
うーん・・・どうしようか
「落ち着けお前ら、何か考えるんだ」
「そうだ!!旅に出ればいいのか!」
「「「少しは空気読めたちばなーーー!!!」」」
なぜか怒鳴られたので目を向けると教室中が光にあふれていた
「あ、ごめん、なんか取り込んでたみたいだな」
そう皆に謝ると床の光が一際大きくなりみんなの他の人が見えなくなった
光が収まると教室には誰もいなかった
話の区切り方がわからない・・・




