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魔界の二柱  作者: 国見炯
第一章・誕生編・完
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「知らない世界で突然女王になっていたけど、それが何か?」

 

 少し不機嫌そうに聞こえたかも、とは思ったけど、魔王は気にした素振りは見せずに意外そうに目を見開いた。


「知らない世界? 女王も先代の記憶はある程度引き継ぐはすだが……」


 魔王の言葉に吃驚した表情を浮かべ、わかりやくす首を傾げる。そんな記憶は全くなかったけど。どうしてだろうかと考えてみると、一つだけ思いつく。それは、私が私を覚えている事。

 私の前世を忘れていなかった代わりに、女王の記憶が弾き飛ばされたとか?


「全く受け継いでないけど」


 ハリセンを肩に担ぎながら、迷いなく言い切る。前世の記憶があるのはとりあえず黙っておく。戦闘モードが少しだけ会話モードに切り替わった気がするから、この機会を逃してはいけない。

 ハリセンでどつくより、話し合いの方が余程平和的。


「そうか」


「そうよ。で、そろそろ話し合わない? これからの事を」


 魔王の買い物依存症はどちらかというと、退屈だから、が大半を占めているんじゃないかなと思う。何とか防いだけど、実力が拮抗していると言われている私に攻撃を仕掛けてきた時、すっごく楽しそうに見えた。

 私の感想としては冗談じゃない、だけど。それはとりあえず置いといて、魔王は300歳。人の寿命を考えれば還暦白寿真っ青な年齢だけど、魔族としては若造。若造なのに、力は誰よりも強く、魔界最高権力者という立場。

 子供が権力もって好き勝手やってる、と思えばその方が納得出来る。自分に暗示をかけるように、子供子供と何度も繰り返す。 

 

「これからの事?」


 魔王は不思議そうな表情カオを浮かべる。そんな魔王はちょっと可愛く見えてしまったけど、活き活きと攻撃してきたのは魔王だ。それを忘れず、冷静に魔王を観察する。


「そう。これからの事。私は喧嘩とか戦うとかそういうの嫌い。戦争なんて持っての他。怖いだけ。ついでに赤字っていう言葉には過剰反応してしまう程度には苦手。

 魔王にとってみたらこれは私の我が侭だけど、そういうのはしないで欲しいの」


 本人が買った事さえ忘れてしまうお金の使い方。

 多分、本人的には買っても買わなくてもどうでもいいはず。


「全く違う意見だという事はわかっているから、話し合いですり合わせをしていきましょう」


 もはや勢いだけで言い切る。


「何故話し合う? 別に勝ったほ…」


「はい、ストップー」


 物騒な事を言おうとしている魔王の言葉をおもいっきり遮り、両腕でバツをつくる。何でもかんでも実力行使ってホント怖っ。怖すぎ。

 ホント勘弁してって思うけど、これは魔王の日常。

 どのラインからすり合わせをすればいいのかなぁ。






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