03 非日常=日常
「今日はいー天気だねぇ。リースさん!」
「・・・そーですね。」
あの日から数日後。
なぜかグラディアスは、リースの元を訪れ、一緒に洗濯物を干すようになった。
ちなみにその際は、猫をかぶっている。
・・・正直言って、彼の性格を知った今となっては、気味が悪いだけである。
「あ。ところで・・・。」
「グラディ!」
「あ、ローラ。」
ニコパッとローラに笑いかけるグラディアスだが、リースは見た。
彼が密かに足で土を蹴りながら、ギュゥゥゥ~ッ、と洗濯物を握りしめている姿を。
・・・訳は『よくも邪魔をしてくれやがったなぁ。あぁ?このバカが。』でしょうか。
最近、彼はよくこちらに来るので、思っていることまで、何となく分かりだしてしまった。
「あ、ローラ!じゃないわよ!!!何でこんな所にいるのよ!!」
ローラは、キッ、とリースを睨む。
・・・私を睨まないでよー・・・。
ローラはどうやらグラディアスのことが好きらしい。
まぁ、リースにとってはどうでもいいことである。
「何でって・・・。リースさんのお手伝いをしていただけだよ?」
「だから何で、この女の手伝いなんかしているのよ!!」
「え、だって、リースさん一人じゃあ大変そうだし・・・。」
「この女はこれが仕事なんだからいいのよ!!こんなことしている暇があるんだったら、魔法の勉強でもしていなさいよ!ほら、行くわよ!」
「あ、ちょっ・・・!」
グラディアスはローラに、ガシッと腕を捕まれ、ずるずると引きずられる。
「またねー、リースさーん!」
・・・声だけは明るく、顔はにやりと怪しく笑いながらグラディアスはそのまま、ローラに連れて行かれてしまった。
「・・・っていうかまたくるの?あの人・・・。」
もう勘弁してほしいんだけど・・・。
リースの受難はまだまだ続きそうである。