表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

02 始まりは・・・②

「確か、リース・オーディオスだったっけ?」

「な、何で私の名前・・・。」

「周りの奴らが教えてくれた。この王宮の中での落ちこぼれは俺とあんただけだってさ。」

「・・・・・・。」


 痛い。本当のことだけに痛すぎる。


「ほ、本当に、グラディアスさんっ?」

「そうだけど?」

「だ、だって、性格が違う!」

「あんたさぁ、バカだろう?」

「なっ?」

 

バカって。バカって言った!


「俺は、魔法が使えないんだぜ?それなのにこんな口調でしゃべってるとますます周りから反感買っちまうだろーが。」

「・・・・・・・・」

 

 確かにその通りだ。


「この性格だと中傷がウザイだけで、面倒くさいことにはならないし。やっぱり、人間うまく立ち回らねーとな。・・・あぁ、あと。」

「・・・あと?」

「あと、自分より劣っている人間に翻弄される奴ら見るの楽しいし?」

「・・・・・・!」

 

 さ、最悪だ。この人!


「まぁ、まさかこんな形でバレるなんて思わなかったけどな。」

 

 言いながら、グラディアスは何故かリースに近づいていく。


「え、な、何ですかっ?」

「さぁ、なんだろうな?」


にやりと笑いながら近づいてくる彼に、リースは嫌な予感を抱きながら、後ろにジリジリと後ずさる。


ートンッー


「・・・っ」

「追いつめたぜ?」


グラディアスは、ダンッと壁に手をつけ、リースを逃がさないようにしながらニヤリと笑った。

そして。


ーチュッー


「・・・え?」

「ごちそうさま。」


い、今、、き、き、き、キスされたっ!?


「な、な、な、何するんですか!」

「口止め。」

「へ?」

「だーかーらー。く・ち・ど・め!俺のこと言うんじゃねーぞ?まぁ、誰も信じねーだろうがな。」


じゃぁなー、と去っていくグラディアスにリースは、顔を真っ赤にしながら叫んだ。


「わ、わ、私のファーストキスー!!!」


・・・遠くの方から、グラディアスの笑い声が聞こえたのは、きっと気のせいではないだろう。





こうしてリースの受難の日々が始まるのである。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ