入学式3
「じゃあこれから配布物配りま〜す、お金関係の大切なものもあるから良く聞いてね〜」
クラスのざわつきが少し落ち着きを取り戻しつつ、俺は考える。風月の活動では顔出しをしていない。理由は様々だが、私生活にまでこの音楽活動を影響させたくないのが大きな理由の1つだ。俺、梶原律希が風月として活動していることを知っている人は、親や関係者以外いない。もし万が一身バレをしてどうなるかは分からないが、できるだけ身バレはさけたいものだ。そんな中、高校入学していきなり担任の先生とクラスメイトが風月を知っているとは。
「ふぅ……」
だが一般的に、人は人を有名人と疑うことはしない。俺がここで
「俺が風月だ!」
なんて言わない限りは。ただ、俺は普通に過ごせば良いはず……
「はい、プリント。」
前の席の男子がこちらにプリントを回していた。
「っ、ありがとうございます。」
少し考え事をしていたので気づくのが遅れてしまった。急いで受け取り1枚プリントを取り、再び後ろの席に渡す。
「はい。どうぞ。」
人生で何回も緊張というものを味わってきたが、何回経験しても慣れない。それはこの場でも同じだ。
「ありがとう(。•ᴗ•。)」
後ろは神田さん。出席番号順に席に着いているので、入学式の列で隣だった神田さんがそのまま後ろに。
「ねぇねぇ、もしかして律希クン緊張してる?(◦ˉ ˘ ˉ◦)」
当たり前だ。緊張しない人はヒトじゃない。いや、神田さんは緊張してなさそうだな。
「いや?まあ流石にリラックスはできないけど、中学校となんら変わりないからね。」
カッコつけた。俺も男だ。あとここで舐められたら困る。
「ふ〜ん(・∀・)」
全く信じてないような顔をしてる。なんなんだ一体……




