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蜜月と番と豹と猿?

よろしくお願いします。

テトラの街全体を見渡すと、一際高いタワマンがある。

そこの最上階が、僕のかわいいパートナーの家だ。

現在こたつの中の住人になっている彼女は、ヒュリティア。

豹の獣人で、実業家で、大企業の取締役。

セキュリティーや医療機器の会社を運営している超スーパーエリートだ。

今こたつの中で、ゴロゴロしてリラックスしている表情は、とてもそうには見えないが、いつもクールビューティーと名高い彼女である。

僕も隣でゴロゴロしているから、人の事は言えないけどね。


「ヒュー、調子はどうだい?気持ち悪かったり、苦しかったりはしない?」


「いいえ、大丈夫よ。今こうして、幸せな生活を過ごしているなんて、半年前には考えられなかったわ。時々、貴方が急に居なくなってしまうのではないかと心配になってしまうの。」


ヒュリティア、愛称はヒュー。

彼女は、突然この世界にやってきた僕を救ってくれた。

僕の天使だ。


「絶対どこにも行かないよ。絶対ヒューのそばにいる。」


「貴方は、急に現れたわ。今考えても私の頭がどうかしたようにしか思えないわね。でも、そんな貴方は、私を置いてまたいなくなってしまうのではないかと不安なのよ。」


そう。僕は、半年前に何かしらの原因で、急に異世界から転移してきた異世界人だ。僕は猿の獣人ではなく、ただの人間だ。向こうの世界で、ひたすら鍋を振っていた。忙しくて記憶の中では最後にいつ休みを取ったのか、覚えていなかった。とにかく仕事をして、厨房で急に倒れた。気づいた時には、ヒューと一緒にベッドの中だった。


「ヒュー、君をおいてどこかに行かないよ。君のおなかの中には、僕の子供もいるのだから。」


「貴方は半年前の夜、私が発情期で苦しんでテラスでほてりを冷ましている時、裸で空から落ちてきたわ。うちのセキュリティーは、完璧だったはずだった。下からよじ登ってきたり、ヘリで空から近づいてきても、金属探知機で発見し、ネバネバで捕獲されるはずだったの。それを貴方は裸なものだから、何にも引っかからなくて、そのまま私の上に来た。仰向けに水平にゆっくりと。私が思わず抱きとめるまでは、重力に逆らっていた。」


「親方、空から女の子が。」


「貴方はいつもそうに言うわね。何なのそれは?」


「あ、ごめんね。前の世界で、そういう場合は、その合いの手をいれたくなるんだ。ふざけてるわけじゃないんだ、本当にごめん。それで、僕は不思議な模様がはいったネックレスを光らせて落ちてきたわけじゃないんだろう?裸で意識のないまま、君の腕の中に落ちてきた。」


「ええ。まさに運命だったわ。昔は本能のまま、運命の相手を見つけることを番を見つけると言ったの。まさに貴方は私の番。誰とも恋なんてしないと思っていたのに、貴方と一緒になりたいと思った。私の唯一。貴方の子供が欲しい。」


「君も僕の唯一だよ。それにもう、ここに子供はいるだろう。」


ヒューの丸みを帯びたお腹の中には確かに僕の子供がいる。

エコーで見た限りでは、豹の耳としっぽも見えた。


「まさか、こんなおばさんを相手にしてもらえるなんて、思ってなかったのよ。」


「何を言っているんだ。君はまだ40代だ。若いし、綺麗だし、とても素敵だよ。それに僕の方が5個も上だ。」


「大好き。本当に好き。」


彼女にきつく抱きしめられる。僕も彼女を優しく抱き返した。

転移してきた時は、凄かったな。

意識が戻ったら、いきなり妖艶な猫耳猫しっぽの女神にベッドの中で誘われて、熱い夜を過ごした。

僕も裸だったし、はっきり言って、夢か天国のどっちかだと思ってたんだ。

自分は病院のベッドの上で寝てるか、はたまた死んだかって。

それなら、欲望のままに過ごしてもいいかなって。

愛し合って、寝て、愛し合って、寝て。

お腹がすいたら、ベットの中で、果物を食べて水を飲んで。

3日後、彼女の部下から彼女に電話があって、それでここが現実だと気づいた。

獣人しかいない獣人だけが住む街だと知って驚いた。

獣人はパートナーを見つけると蜜月という時間を持つらしく、僕と彼女はそれを行っていた所だったみたいだ。

彼女も戸籍がなくどこからやってきた僕に混乱してたけれど、お腹には既に子供がいて、僕の事を愛してくれていた。信頼できる猿の獣人の養子としての戸籍を用意してくれた。

彼女は僕を大事にしてくれる。

最初、彼女は僕は仕事をせず、料理を作って家で待ってくれるだけで良いと言った。

彼女は充分稼いでいたから、僕にお金を求めなかった。

だけど、ひもは嫌だ。

僕のわがままで、彼女は僕の望むカフェを作ってくれた。

もう過労死なんてする気が無いから、11時から夜19時までの至って普通の労働時間で働くことにした。

それなら彼女に、朝ごはんも夜ご飯も作ってあげられるしね。

前の世界では、死んだ顔で毎日忙しく働き、家に帰った時は1人寂しく暮らしていた。

僕は今、この世界で幸せな毎日を過ごしている。



いつも読んで頂き、ありがとうございます。

読者の皆様にはバレたかとは思いますが、作者はあるスタジオの作品が大好きです。それなのに、最新作だけまだ見られていなくて……。その内、地上波でやらないかな……。5月の子達とか自転車に2人乗りする子達とかも好きです。

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