第22話 え、婚約!? 私が!?
昨日は投稿忘れてました!!!! 申し訳ありません!
クソガキどもから『御守り』を取り戻した私は、ミルスさんと合流した。
「ありがとうございます!! これを失くしたらわたしっ……!」
「いいんですよ、気まぐれみたいなものですから」
御守りは紅い包みに入った小石で、中身は見てないけど触った感じ何か人のような形を象ってるようだ。
これが何なのか……は知らなくてもいいことかな。
「本当にありがとう……! 何かお礼をしたいです! 何かありますか?」
お礼、か。一応もらっとこうかな?
「それじゃあ、その……。お酒を飲みたいかな……」
「お酒?」
「だ、ダメですか?」
「いいですよー? むしろそんなのでいいの?」
あ、あれ?
てっきり『子供がお酒飲んじゃダメ』的なこと言われるかと……。
「苦労してきたんですね。わかりますよ。だってわたしと貴女は、〝同類〟ですから」
「っ!?」
どういう意味?! まさか、私が聖女だってバレた?!
「? あぁ、同じ長命種で年齢を間違われやすいって意味ですよ?」
「ぁ、あぁ……そうです! お酒売ってくれないんですよ!!」
そっちかぁ~、びっくりしたぁ。
……なんで私が長命種だって分かったんだろ?
まぁ神様だからかな?
「それじゃ、かんぱーい!!」
私とミルスさんは、エールをぐびっと喉へ流し込んだ。
かぁ~、久しぶりのお酒美味しい!!
「お姉ちゃん、なんかへん……」
「うへへへへ……ヴェルディちゃんがいっぱいいるぅ……」
うひっ、美味しいなぁ。もう一杯飲んじゃえ!! スローライフに乾杯!!
……そこで私の記憶は途切れた。
*
「んふ……?」
ここどこ? 頭ががんがん痛い……
なんだろこれ、ふわふわしてていいにおい……
「お姉ちゃん起きた?」
「っ!! ヴェルディちゃん?!」
顔を上げると、『魔獣』のヴェルディちゃんの大きな顔があった。
どうやら私はヴェルディちゃんの長いボディに包まれて寝ていたようだ。
ここは……おうちか。
いつもの寝室だけど、ヴェルディちゃんの神聖魔法で空間を拡張してあるらしい。ヴェルディちゃんの巨体がすっぽり収まっている、
「ヴェルディちゃん、今って何時?」
「朝の6時」
「え、えぇぇ!? じゃあ私何時間寝てたの!?」
最後にある記憶は昨日のお昼過ぎ……
お酒を2杯飲んで……えぇ?
ウソ、私お酒弱すぎ……!?
「寝たのは夜だよ。それまではずっとボクの匂い嗅いでた」
「えぇ……」
「それからボクのもふもふに全身埋もれたいって言い出したから、こうしてるの。お姉ちゃん……可愛かったよ」
なにそれ? 全く記憶にございません。
……よし、お酒やめよう!
*
お祭りはおしまい。またいつもと変わらない日常が帰ってくる。
ミルスさんはもう隣街へ帰っていったらしい。
……本当にこの街が、人が好きなヒトだったんだなぁ。
もしも機会があればなぜ人間のフリをして生きているのか聞いてみようかな。
といっても、ミルスさんが神様だっていう根拠はアルコア様の言葉しかないんだけどね。
強いて言えばあの『御守り』から神力を僅かに感じたことくらい?
ま、どっちでもいいか。『友達』のことをあれこれ詮索するのはよそう。
さあて、二日酔い気味だけど今日も1日治癒魔術師のおしごと頑張るぞい!
「……! お姉ちゃん」
「どうしたの?」
「誰か、来た」
そうヴェルディちゃんが呟いた数秒後、我が家の扉を誰かがノックした。様子を見に来た領主さんか、近所のおじさんが野菜抱えてやって来たか。
「はーい! 今出まーす!」
そうして私はいつものように扉を開ける。
――それは、招かれざる者だった。
白衣の『騎士』のような姿の男――
一目見てわかった。敵だ、と。
私は即座に暁の星の男の首を斬り飛ばせるよう、結界剣を向ける。
「何の用で?」
「これはこれは手厚い歓迎だ、聖女ラズリー様。話くらいは聞いていただきたい」
わざわざ私を訪ねてきたということは、この街を攻め落とすという事は諦めたかな?
そんな私の予想は、どうやら当たっていたみたいだ。
「我らが指導者、アルス様がラズリー様とお会いしたいと仰っているのです。どうかご同行を」
「断る。これ以上私をどうこうする気なら皆殺しにするよ? 手始めにお前から」
「それはやめた方がいい」
「なに?」
「この街のいたる所に爆撃魔法を仕掛けた。私の身に何かあれば、一斉に起爆する。……大勢の人間が死ぬでしょうなぁ?」
こ、こいつら……
私相手に何をしてくるかと思えば、そんなふざけた真似を……!
しかしハッタリ……ではなさそうだ。
確かにこいつの心臓部に特殊な魔力を感じる。心臓が停止すると発動する術式なのだろう。
「そのアルスとやらは、私と会ってどうしたいの?」
「結婚したいと申しております」
ケッコン? 血痕……?
結婚???
いやいや、聞き間違いだよね?
「もう一回言ってくれない?」
「結婚、です」
「……そのアルスとかいう奴は正気なの?」
「……」
うわ、否定しないぞこいつ。アルスとかいうやつはきっと相当に頭のおかしな輩なのだろう。
しかし結婚ね。する気はさらさらないけど、街を爆破されては敵わないからね。この場を収めるためにも――
「お姉ちゃんを連れてくな!!!」
「黙れケダモノ風情が」
げ、このままだとヴェルディちゃんこいつに襲いかかっちゃいそうだ。勢い余って殺しでもしたらこの街は終わる。
「ヴェルディちゃん、大丈夫だよ。お姉ちゃんには考えがあるから。だから今は大人しくしてて?」
「お姉ちゃん……」
ヴェルディちゃんは聡い子だ。
私がこの男を殺さないのを見て、傷つけてはならないことを察したのだろう。
悔しそうに拳を握りしめ、毛を逆立てて威嚇しながらも攻撃には移らない。
……考えはある、か。
ぶっちゃけ特に考えはないよ。
ただまぁ、なんとかできる範疇なのは確かだ。
「ヴェルディちゃん、後は任せたよ」
この言葉で察してくれるだろうか。ヴェルディちゃんにはやって欲しいことがあるのだ。
信じてるよ、ヴェルディちゃん。
「お姉ちゃんはっ……! ボクだけのものだ!!!」
男に先導され去る私の背中に、聞いたことのないほど大きなヴェルディちゃんの叫びが響く。
――ボクだけのもの。そんな言葉が出てくるくらいに、私のことを好きになってくれてるなんて。
私は幸せ者だ。
そんなヴェルディちゃんのためにも、早いとこ解決しないとね。
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