表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の乱進 ~無限の魔力で目覚めました~  作者: 鰤金団
強襲 聖女
86/112

74 達成感 これ、やったやつだぁ

「二人とも、失敗したらごめんなさい」

 私には良い考えが浮かんでいたのですが、何分説明する時間がありません。なので、予め謝りました。

 そして、二人がどういう意味かを尋ねてくる前に、城門の上へと放り投げました。

「この女、片手であの高さまで人を投げたぞ」

「全力だ。全力で制圧するぞ」

 片手で人を門の向こうまで投げているのです。最初から全力を出して対処するべきだと判断されるのは当然です。

 数の力で押し切ろうと、兵士達が一斉に襲い掛かってきました。

 ですが、意外な事に私は冷静でした。

(これ、無限組手でやったやつだぁ)

 勉強した部分がテストでドンピシャで出てきた時のような喜びです。

 武器を持っている相手との戦い方も里で学んでいたので、このまま隙を突いて城内に入るよりも、相手をして対処したいという気持ちが強くなりました。

「その力、私に全てぶつけてみるが良い」

 言っている事は悪役です。自覚はありましたが、学んだ集団との戦いがどこまで通じるのか試してみたいのです。そのためなら、ちょっと台詞が悪役のようになっても仕方がありません。

 槍が正面の様々な所から迫ってきましたが、私に一番近い人のおかげで急所を狙うには角度が必要でした。

 更には優雅に日光浴が出来そうなほどに恐ろしく遅い槍捌き。これならデコピンで全てを弾き返せそうです。

 正直に言うと、無限組手の相手をしていた里の人達の方が動きが良いのです。そのためでしょうか。私の目には彼らの攻めが手緩くてしょうがありません。

 これが、張替前の障子の楽しみが如く仲間越しで槍が来ていたのであれば、私も緊張感を持って対処した事でしょう。

 ですが、そこまでの狂気と豪胆さは持っていなかったようです。いえ、流石にこの場でそこまでされると、私も良心がズタボロになるので、ホッとはしているのですが……。

「温い、温い。手緩いわっ!!」

 ですが、圧倒的強者を演じている感覚が思いの外楽しくなってきたので、ライブ感で悪役的な台詞が止まりません。

「くそっ。伝えてくれ、家族に。勇敢に散ったとな!!」

 一番前で頑張っていた兵士が、自爆せんとばかりな発言。ちょっと煽り過ぎたようなので、そろそろ幕引きとしましょう。

 命を粗末にするまで秒読みな発言をした兵士の鎧を掴むと、私は左右に振って手近な兵士を蹴散らしました。ある程度まで数が減ると、掴んでいた兵をグイッと自分の所まで引き寄せ、そのまま奥に居る兵士達目掛けて放ちました。

 するとその衝撃でドミノ倒しのように綺麗に倒れていく兵士達。

「かい……かん……」

 何か忘れているような気がしますが、今はこの爽快感に酔いしれていたいです。

「では、通らせてもらいますね」

 倒しきった兵達は、敷き詰められ、兵士柄の絨毯の様でした。

 その敷き詰められた状態から、足の踏み場を見つけ、城内へ入る扉に向かって移動し、中へ入りました。

 城内への侵入に成功してから、少し歩くと声をかけられました。

「ちょっと彼女。こういうのって間に合うものじゃないの?」

 忘れていたのは放り投げていた二人でした。

「ギャグ系なら間に合わない方が美徳かと」

「俺達の扱いが酷過ぎない?」

「そこはまあ、邪悪なるものなので」

 実際、倒されても復活するので、幼児向け玩具ぐらい手荒く扱っても大丈夫だという認識でいました。

「我々の待遇の改善を要求する」

「そうだ。パパンの言う通りだ!!」

 何時までの床の一部になったままで抗議を始める二人。

「分かりました。では、行きますよ」

 二人を掴み上げ、私は先を急ぎました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ