66 ウェイとコルレス(セイッ!!)
「それでは皆さん、ご一緒に。私はだ~れ?」
「「「聖女様!!」」」
「ここまで一人で来たのは?」
「「「聖女様!!」」」
「馬が無くとも?」
「「「聖女様!!」」」
「はーい、皆さん。良く出来ました。邪悪なるものの皆さんもちゃんと出来ていましたね。ありがとうございます。はい、拍手ー」
私はパチパチと手を叩きました。ここは皆でする所なのですが、彼らは戸惑い、互いの表情を見つつ、首を傾げつつ見よう見まねでぎこちない拍手をする騎士団と邪悪なるもの達。
(拍手という単語に戸惑ったのか。ここでする意味が理解出来なかったのか。どちらでしょうか?)
さて、コール&レスポンスの真似事をしてみましたが、中々に楽しかったです。
内容的にはとても好ましくは無かったですけど……。
では、何故こんな事をしたのかというと、彼らに私が何者なのかを再認識してもらうためでした。
先の確認を終え、私が王国から依頼を受けてやって来た事を分かってもらいましたが、もしかすると、まだ半信半疑かもしれないので、コール&レスポンスで強調させて貰ったという訳です。
「では、本題に入らせてもらいますね。ペラ軍団は、本当に邪悪なるものなのですか?」
「へ、へい、親方。地底から湧き出てきやした」
「だれが親方ですかっ!!」
三下みたいなキャラを出してきたなと思いました。
それにしても、外見での判別は身長と体格で可能ですが、やはり呼称が無いと呼びにくいです。
「先ほど、私があつ~い視線を送ってきていると言っていたあなた。名前は?」
不名誉な事を言われたので根に持っている訳ではありません。率先して何かと前に出てくるので、言葉を交わす事が多い。また、他の影人間との差別化で行った事を言っているだけなのです。
「俺っち自身は名無しだけど、呼ぶならダイちゃんです」
薄い胸を張り、花を咲かせましたというような感じで胸の中心から両手を大きく開いて肩幅まで動かしての自己紹介。
素人がお笑い芸人のネタを真似しているような寒さです。内輪でなら大爆笑だとばかりの堂々とした感じも、私が距離を置く陽キャそのものに見えて好ましくないです。
聞きはしましたが、呼ぶのは止めましょう。
「この場に居ないあなたの仲間は、あなたやこの場に居るもの達と特徴は変わらず、邪悪なるものであると思って問題ありませんか?」
一発芸的な自己紹介を流し、尋ねました。
「裏も表も真っ黒。それが俺っち達、邪悪なるものさっ!!」
俺っちを多用する彼を立てるように他の邪悪なるものが左右に移動し、手を揺らして強調していました。一々行動がうるさいです。
「はい、間違いでは無いようですね」
行動全てにウェイウェイと効果音が聞こえてきそうな振る舞い。
その全てに反応などしては、私の心が持ちません。
それが不満だったようです。




