表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の乱進 ~無限の魔力で目覚めました~  作者: 鰤金団
聖女様、地上へ
51/112

43 聖女の閃き エリンナの不安

 音が出ない範囲で、扉を前後に揺らす事で、金具に負荷を与え、静かに分離させるという素晴らしい計画です。

 閃いたら即実行です。だって、どれだけ時間をかけても、筋トレにすらならない負荷でしたし。

 一秒間にどれだけ振動を与えれば良いのかなどという事は分かりませんが、私に出来る範囲でやってみました。

 扉には取っ手の他に、良い感じに横にはでっぱりがありました。私の手でも掴めるという親切設計な幅です。それを利用すれば、前後に動かすなんて簡単でした。

 緊張と慎重を重ね、次第に勝手が分かり、音の出ない範囲で大胆に攻めていきます。

(あ、後少し)

 金具に最初のひびが入りました。もうすぐです。

 私は、金具に視線を集中させました。

 そして、その時が訪れました。

 小さくペキッと音が鳴り、扉はただの板へと変わったのです。

 スッと静かに元扉と共に後ろに下がりました。天井に視線を向けた時には、エリンナの姿はありません。プロは違いますね。

「あなた、何やってるの」

 仕事が終わったらしく、呆れ声で普通に話しかけられました。

「じれったかったのでつい」

「ついって……。途中で扉に動きが無いからどうしたのかと思ったら、金具を壊すとか。私じゃなきゃ、扉ごと下がった時点で声が出てたわ。少しは肩書に見合った振る舞いをしようとか思わないの?」

「その意識を持ち続けていたら、今もお城のベッドに居たでしょうね」

 にこりと笑顔で答えました。

「はぁ……。今回の聖女様はほんと、とんでもないわ」

「褒められちゃいましたね」

 ちょっと陽キャな人を真似て言ってみました。流石に語尾に音符などの記号が出る感じは無理でした。

「いや、褒めて無いからね」

「分かってますよ。さあ、残党を纏め上げに行きましょう」

「うん、あなたなら本当に出来るわね」

 丁度良い長さのロープがあると良いのですけど……。



 私達は、扉の先にあった階段を上りました。

 何やら、民家とは異なる広さ。倉庫ともまた違う建物の中に居たようです。

 時間帯は窓越しの景色が暗いので、夜と考えるべきでしょう。

「どうやら奴ら、お貴族様がお泊りする場所を利用していたみたいね」

 迎賓館のような場所という事でしょう。

「では、ただの屋敷に地下牢を掘ったという事ですか?」

「あの作りは元からね。このご時世だから、お貴族様も旅行なんてしてられない。組織の奴らが、使われなくなった建物を利用したって所ね」

 再利用の精神は見習うべき、とこんな所で優等生な考えはしませんが、お貴族様が利用するような場所を怪しまれずにアジトに出来る立場の人が居るという事でしょうか?

「仕切っているのが誰かも、縛り上げて吐かせればすぐに分かる話よ」

 ここで頭を悩ませても意味が無いと、エリンナは動き始めました。

「この後はどのように動くんですか?」

「人数の確認って言うべきなんだけど、あなたを一人にさせるのも不安なのよね」

「一体私の何所を見て不安に思っているんですか?」

 この期に及んで力不足と言いたいのでしょうか?

「それ、さっき扉を持ち上げた人が言う台詞?」

「なら、不安になる必要は無いですよね」

「あんな予想出来ない事されたら、怖くて遠くに置いとけないって」

 ああ、そういう事でしたか。ですが、他の人が真似できないというだけで、そこまで突飛な事はしていないと思います。

「では、一度地下に戻って捕まっている人達を解放してきましょうか?」

「因みにどのような方法で?」

「鍵が無いので、鉄格子を一本一本引き抜くか、入り口部分をズドーンと押すか引っ張るかしていく感じでしょうか」

 思いついた事をとりあえず言ってみましたが、エリンナが頭を抱えていました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ