とある一座の演目2
ここは、ギャッツ村。
トロン一座は今、この村に舞台を設置し、まもなく始まる第二部に向けての準備を進めていた。
カーテンで仕切られた向こう側が開かれる時を待つ人々。
観客席には今回、他にギャライア村と名の無い土地の民とがやって来て観客席を埋めていた。
第二部では、自分達が住んで居る場所が舞台。見知った場所が出てくる物語で、聖女様が活躍されたとなれば、どのような出来事でも観客は喜んだ。
聖女様の起こす、想像すらしてない驚きの行動が観客の心を掴んでいた。
「みなさ~ん、もうすぐ始まりますよ~」
舞台の端にエリンナが現れ、観客にそう呼びかけた。賑やかだった席が静かになる。
ギャッツ村の人々は、座り方を正座へと変え、舞台へ視線を向けた。
観客達の準備も出来たと確認したエリンナは、仲間達に合図を送った。
音楽が流れ始め、エリンナは舞台の中央へと歩き出す。
「さあさ、始まるお次の物語。お城を飛び出した今代の聖女様。目的無くとも彼女は進みます。先で立ち寄るは人が暮らすは二つの村。そして誰も知らない秘境の里。此度の旅で、彼女が紡いだ縁が何をもたらすのか。行く先々で起こる事件の数々。直接関わったあなた達。いつの間にやらそうなっていたあなた達。ここで語られるは聖女様の軌跡。何故訪れ、何故そうなったのか。その裏にあり、誰も知らない秘められた足取りを追っていきましょう。語り手は私、エリンナが務めます。忘れもしません、あの日の事を。それでは、聖女様から伝えられ、私も見た聖女様のご活躍をご覧ください」
頭を下げ、舞台端へと移動するエリンナ。
観客達は、彼女の口上に拍手を送った。
そしてカーテンが開き、次なる舞台が始まった。




