18 お目覚めシェマク おはようゴッファッ!!
第三者が見れば、こんな状況で冷静沈着だなんて、聖女じゃない!! という印象を持たれそうですが、私が初めての魔力切れにも取り乱していないのにはちゃんと理由があるんです。
マッドな面があるとか、ダークサイドだとかという訳ではないのです。
そう、私は成長を続けています。
回復魔法の常軌を逸した使用により、聖魔法が成長しているのです。
さて、熟練度を上げ、レベルが上がるとどうなるか。ゲームで言えば魔法を覚えます。そう、私には新魔法があるのです。
その魔法の名前はシェマク。どうやらこれを使うと、相手に魔力を与えられるそうです。
相手が居なかったので、使う機会には恵まれなかったのですが、何故か分かります。
どうやら、熟練度を上げたり、レベルアップして技術などを覚えると、新魔法が使えるようになったと感覚で分かるようになっているみたいです。どのような効果なのかも。これはとてもやる気が出る、素晴らしいこの世界のシステムです。
もしかしたら、剣技なども同じようなシステムなのかもしれません。何時か、何かしらの銭湯術でも覚えてみたいものです。
という訳で、無駄時間を生まない魔法を、私は習得済みなのです。
「大丈夫。今、私の魔力を渡しますね」
聞こえていないでしょうが、呼びかけました。そして、彼女のお腹に手を置きました。
現状では相手に触れていないと魔力は送れないようです。
(加減を間違えたら爆散したりしませんよね?)
ちょっと不安ですが、魔法を使っていきましょう。
(シェマク)
心の中で唱えると、アワーフレッタさんに触れている手が輝き始めました。
何だか必殺技みたいな演出に胸躍ります。
「ゴッファッ!!」
突然、見えない何かを噴き出しつつ飛び起きるアワーフレッタさん。
「わ、私は何事!?」
言葉がちょっとおかしいのは、飛び起きたからでしょう。
「目覚めましたね? 魔力の方はどうですか?」
少し動いて爆発なんて怖い事になったら嫌なので、確認は重要です。
「え? あ、そうでした。魔力切れを起こしたんでした。でも、あれ? 魔力がある……」
空の様子を確認し、首を傾げるアワーフレッタさん。
「私がアワーフレッタさんに魔力を注ぎました」
「え! そんな事が出来るんですか!?」
聖女のなせる業かという視線で私を見つめていました。
「聖属性の魔法しか使えませんので、聖属性の中にあったのでは?」
「あ、ああ。そうですね。恐ろしく効率の悪い魔法がありましたね」
随分な言い様です。どうやらシェマクは、かなり不人気な魔法で、その存在すら忘れ去られるレベルのようです。
「まあ、今はその魔法の事よりも訓練です。もう一度お願いします」
「え、ええ。分かりました?」
まだ頭がぼやけ気味なのでしょうか。彼女はあまり理解していないような表情ですんなり頷いてくれました。
引き続き私は、アワーフレッタさんに負荷魔法を使い続けてもらいました。
彼女が魔力切れで倒れるまでを一セットに、彼女には全力で使ってもらいました。
ですが、すぐに体は負荷に慣れてしまいます。もっともっと強い負荷が欲しい所ですが、中々思うようにはいきません。
魔法は使い続ければ熟練度が上がります。なのでそれを期待していましたが、回復魔法よりも熟練度上げが難しいようです。
「アワーフレッタさん、負荷魔法はあんまり使ってなかったんですか?」
「そうですね。使っていたのは、毒や麻痺などの異常を与える魔法でした」
そういえば、紹介された時も状態異常使いだと言われていました。
おかげで良い方法を思いつきました。




