13 飢えた聖女
負荷が、負荷が足りない……。
筋トレという果ての無い道を走り続け、消耗したら回復魔法を使う。
これを繰り返した結果、疲れなくなりました。
限界までトレーニングをしてから回復をすると、疲労までもが消えるのです。
筋肉疲労を回復するという意味では想定できる範囲でした。
最初は回数の代わりに回復魔法を使っていました。回復してはまたトレーニングを繰り返す。
ですが、それは十回で一の熟練度が上がっていたのが、九回で一の熟練度が上がるようになる程度の変化でした。なら、全力で体を動かした後ならどうだろうと思い、試した所、ただ魔法を使い続けるよりも熟練度の上がりが速くなりました。使用回数が減り、上昇が速くなるとなったら、俄然やる気が出るというものです。
そうやって筋トレのセオリーなどガン無視して繰り返していたら、自然と体力が増えていきました。
なら、自然と体は引き締まる。そう思っていたのですが、違っていました。
どれほど負荷が増えようとも、全く体に変化が見られないのです。
変だなぁ。おかしいなぁ。そう思いながらやって来た私ですが、筋トレだけをするのも飽きてきました。体に変化が現れないので、違う運動もしてみようと私は思いました。
変わらない体で、目に見える変化が起こるのはどこだろうと考えた結果、体力しかないと行きつきました。なので、私は走り出しました。
最初は限界が分からなかったので、軽いジョギングから始めました。お城を一周した後、自分の疲労度を探ってみたら、全力疾走で行けるかもという感覚。
どうやら自重トレーニングで想像以上に体力が増えていたみたいです。前は一分も走ったら内臓が出そうなくらい辛かったというのに……。
駄目でも回復魔法があるのだからと、私は軽い気持ちで全力疾走してみました。
すると、四分の一程度の距離を走った所で体力切れ。なので回復魔法で即座に体力回復。
筋トレよりも全身を使っているからか、熟練度の上がりが速かったです。
より熟練度が上がる方法が見つかったと、私は喜びました。そして、同時に伸ばしたいものが見つかりました。
(目指せ、全力疾走一周!!)
今まで存在しないと思われていた私のスポ根に火が点きました。疲れても無限の魔力で発動する回復魔法があるので、問題なんてありません。実質無限の体力です。
繰り返していくと、全力疾走の距離と、速度が上がっていきました。
気付けば、お城を全力疾走で十週出来る体力を獲得していました。
お城の一周の距離は分かりませんが、フルマラソンを全力疾走で完走出来るかもしれないという妙な自信が湧いてきました。
(まだいけそう。ううん、まだいける!!)
これがランナーズハイなのでしょうか。もっと上を目指したい欲求に、私の心は燃えていました。
ですが、ここで冒頭の悩みにぶち当たります。
魔法の熟練度の上がりが悪くなり、身体負荷も感じなくなったのです。
一休みも兼ね、考えた私は、閃きました。
「魔法があるんだもの、相手にマイナスの効果を与える魔法もあるんじゃない!?」
ゲームの世界なら、必ずデバフ魔法は存在しています。
私は、元の世界に居た時とは考えられないほどの行動力でお城の中へ戻りました。




