表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Case.1「青色の少女」

作者: 惰性物語
掲載日:2023/06/06

少女は、白色の中で目覚めた。

何もない白色には四角い枠が一つだけ。

少女は、その枠から抜け出した。

そこに広がるのは、抱えきれないほどの青色と緑色だった。


少女は緑色に触れた。優しい手触りの中から心が躍るそんな匂いがした。


少女は走りだした。

走って、走って、走って。

この緑色の上でならいつまでも走り続けられた。

少女は寝転がった。緑色は優しく包んでくれた。

寝転がって目に映ったのは、どこまでも広がる青色だった。

少女は青色を走りたくなった。

青色を走りたいと、いつまでもいつまでも緑色を走った。


だが、少女が青色に触れることはなかった。


それでも、少女は青色を走りたかった。


走って、走って、走って、走って、

走ったその先には

青色に混ざった灰色が見えた。

灰色には入れる場所があった。

まるで少女が抜け出したあの白色の枠のように。


足を入れた灰色は、上に登ることができた。

灰色の頂上には広げた場所があった。


そこはどこよりも、どんな場所よりも、

青色に近い場所だった。


少女は思った。

この場所からなら、青色に走り出せると。


少女は走り出していた。

躊躇うこともなく…

ただ、ただ、

青色を走ることだけを考えて


青色を走った少女は、

緑色を赤色で汚した。


青色を走った「赤色」は

もう走り出すことはなかった。


その「赤色」は、微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ