二度目の邂逅 転 教室に来る。
部活の朝練が終わり、俺は授業を受けるために教室にいた。級友達と世間話や予習の話をしていた。
周りも同じようなもので、教室はまるで強い雨音のように騒がしかった。
担任の先生が、ホームルームのために自動横スライドの扉を開けて入ってくると波のようにその騒がしさが引いていった。
「みんなおはよう、本日は.…」
といつものように予定や学校からの連絡を伝えてくれる。
今時、みんな連絡端末の通知で連絡内容はすでに知ってるが、この先生は丁寧に説明してくれる。
おかげでこのクラスの忘れ物、遅刻はほとんどない。
この先生のおかげで罰ゲームを回避できていると言っている生徒もいるくらいだ。
しかし、この先生の担当は、プログラミングと人工知能。
罰ゲームシステムを作った人でもある。
丁寧だけど話が少し長いのが玉に瑕。
でも今日はやけに早口だなー。
いつもの半分で終わった。
これは早く終わって、予習に時間を回せるのか。
「以上です。そして本日最も、重要な情報を言います。」
残りの半分は予習に使えないようだ。
連絡端末に送られた情報で先生が説明していない情報はもうないはずだ。
重要な情報ということでクラス全体が騒めき始める。
「今日、このクラスに転入生がきます。」
その言葉でざわめきが最高潮になる。
先生はそのざわめきを無視して、転入生の名前を呼ぶ。
「永野 修一さん、教室に入ってください。」
「はーい」
自動横スライドドアが開き、今朝聞いたばっかりの声と見たばっかりのライオンマスクが教室に入ってきた。
「永野 修一です。よろしくお願いします。先輩とみなさま」
マスクで顔はわからないが、後輩はしたり顔をしている。
驚いてかたまっている俺の顔見てしている。